果物は、どちらかというと虫歯になりにくい食べ物であり、種類によっては虫歯予防成分も多く含まれています。
しかし、食べ方によっては虫歯のリスクが上がってしまうため、どのような形でもとりあえず摂取すれば良いというわけではありません。
今回は、虫歯になりやすい果物の食べ方を中心に解説します。
虫歯になりやすい果物の食べ方3選
以下のものについては、果物であっても虫歯のリスクが高まりやすいため、注意しなければいけません。
・ドライフルーツ
・コンポート
・ジャム
各項目について詳しく説明します。
ドライフルーツ
果物の美味しい食べ方の一つに、ドライフルーツがあります。
ドライフルーツは、文字通り果物を乾燥させたものですが、乾燥の過程で糖分が凝縮されるため、虫歯のリスクが高まります。
特に粘着性の高いものは、口の中に長時間とどまるため、虫歯を発症しやすいです。
またドライフルーツは、単純に果物を乾燥させ、糖分が凝縮されたものとは限りません。
商品によっては、果糖に砂糖が添加されていることも多く、こちらも当然虫歯菌のエサになります。
コンポート
コンポートも、虫歯になりやすい果物の食べ方の一つです。
コンポートは、果物を砂糖水で煮てつくる、果物の形を残したままの保存食です。
シロップ漬けの一種で、果物本来の風味や食感を活かすのが特徴です。
リンゴやモモ、イチジクや梨、ブドウやさくらんぼなどがコンポートに適しています。
またコンポートについても、ドライフルーツと同じく糖分が凝縮されているため、虫歯を発症しやすくなります。
食感が残っている分、まだ咀嚼による唾液の分泌は期待できますが、それでも虫歯のリスクが高いことには変わりありません。
ジャム
虫歯のリスクが高い果物の食べ方としては、ジャムも挙げられます。
ジャムは砂糖を多く含むため、虫歯の原因菌であるミュータンス菌のエサになりやすいです。
またジャムは極めて粘度が高く、歯に残りやすい性質があります。
歯に付着した糖分は、虫歯菌によって分解されて酸を生成し、歯を溶かします。
さらにジャムを食べるときは、食パンに塗って食べるというケースも多いです。
食パンは、水分を含むとやわらかくなり、歯の表面もしくは歯と歯の間に挟まりやすくなります。
こちらが十分にブラッシングで除去できなかった場合も、当然虫歯のリスクは高まります。
シンプルに虫歯のリスクが高い果物とは?
上記のような食べ方ではなく、単純に果物そのものの虫歯リスクが高いというケースもあります。
例えば以下の果物は、虫歯を発症しやすいと言えます。
・バナナ
・柿
・レモン
バナナは栄養価が高く、特に朝にはよく食べている方もいるかと思います。
しかし、バナナは生の状態でも粘着性が高く、糖分も高いため、虫歯予防を行うにあたっては適していません。
また柿については、古くから“柿は歯の毒”という表現が用いられています。
こちらは糖分が多く、中身がねっとりしていることが理由です。
さらに、甘味が少ない果物であっても、レモンのような柑橘類は虫歯のリスクが高まります。
酸性の強い果物は、歯を溶かして虫歯を助長する可能性があるからです。
柑橘類にはオレンジやグレープフルーツなどもありますが、特に強烈な酸味を持つレモンは要注意です。
虫歯のリスクが低い果物とは?
逆に虫歯のリスクが低い食べ物としては、キシリトールが多く配合された果物が挙げられます。
具体的にはイチゴやラズベリー、プラムなどの果物です。
イチゴには、100gあたり約0.2~0.6gのキシリトールが配合されています。
そのまま食べるのはもちろん、スムージーとしても美味しく摂取することが可能です。
またイチゴに含まれるビタミンCには免疫力を高める効果もあり、こちらも虫歯菌への抵抗力となります。
ラズベリーは、甘酸っぱい味が特徴の果物で、キシリトールの他ビタミンCとアントシアニンが豊富に含まれています。
食物繊維も豊富なため、虫歯を予防するための果物としては非常に適していると言えます。
さらに、プラムはスモモの一種であり、あまり馴染みがない方も多いかもしれませんが、スーパーなどで普通に販売されています。
プラムは100gあたり約0.6gのキシリトールが含まれていて、ビタミンCやビタミンE、カリウムなど他の栄養素も豊富です。
ちなみに、キシリトールには虫歯の原因となるミュータンス菌の活動を抑制する効果があります。
砂糖の場合は口内で発酵して酸を生成し、歯を溶かす原因になりますが、キシリトールはそのプロセスを妨げます。
その他、唾液の分泌を促進し、口内の酸性度を調整する作用もあります。
まとめ
果物を食べるとき、あまり虫歯のリスクについて考慮していない方は多いです。
しかし、食べ方によってはケーキやチョコレートなど、甘いお菓子を食べるのと同じくらい虫歯のリスクは高まります。
そのため、基本的には生の状態で摂取することを心掛けましょう。
またできるだけ虫歯になりにくい果物を選び、さまざまな栄養素を摂取することも、虫歯を予防するにあたっては大切なことです。