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ブログ|つつみ歯科クリニック - 広島市中区宝町にある歯医者

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歯科における幹細胞治療の役割

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広島県広島市中区宝町5-27宝町5番ビルC棟1F つつみ歯科クリニック院長の堤武士です。

今日は先日受講しましたセミナーのお話をしたいと思います。

今はコロナの関係でほとんどがオンラインでのwebセミナー形式となっていて、対面でしかできないような実習が受けられないのは残念なのですが、遠方で行われるセミナーにも気軽に自宅から参加できるので、今まで参加できなかったセミナーを受けられるようになり色々なことが学べる環境になったのはこのコロナ渦の中で唯一の救いです。

今回受講したセミナーは歯科というよりも美容中心のセミナーなのですが、その中で幹細胞についての内容がとても興味深いものでしたので少し載せたいと思います。少し歯科とはかけ離れた話ですこし退屈かもしれません・・・

幹細胞というとIPS細胞のイメージが世間では強いと思います。色々な細胞になれる万能な細胞というイメージでしょうか。

ヒトは生まれた時はおよそ60億もの幹細胞があるらしいのですが、年を取るにつれてどんどん減っていき50歳の時には3億個くらいまで減り、80歳の時にはおよそ1/200くらいにまで減少するらしいです。それが老化につながっていて、病気や怪我などをしたときに若い時よりも回復が遅いのはそのせいです。なのでコロナにかかった時に高齢者の方が重症化しやすいのはそういったことも関係しているのではとのことです。

幹細胞はカラダの至るところに存在していて私たちのカラダを作っています。幹細胞のイメージは、色々な細胞になれる能力を持っているというイメージがあると思いますが、それぞれの場所に存在する幹細胞は役割が決まっています。例えば神経系をつくる幹細胞であれば神経細胞に、血をつくる幹細胞であれば血液細胞に、ということです。

ただ、ある特定の場所に存在する幹細胞(間葉系幹細胞)は多分化能といって様々な細胞になれる能力を持っているとのことです。

その特定の場所とは、骨髄、皮下脂肪、臍帯、そしてなんと歯髄(歯の中にある神経組織)にそういった幹細胞が存在するとのことです。

美容業界ではこの幹細胞を使ったアンチエイジング療法がとても注目されています。皮下脂肪でもとりわけ、お腹周りの脂肪の中に豊富に含まれていて、そこから採ってきた自分の幹細胞を培養して数を増やし点滴にて血液の中に戻すという方法です。自分の細胞なので拒絶反応もなく安全で、年をとって減った幹細胞を増やすわけですから当然カラダは若返りますし、血液中をめぐる幹細胞は悪いところがあれば修復してくれるという・・・究極のアンチエイジングなのではと思いました。以前にNHKで取り上げられましたが元々は札幌の大学病院で脳梗塞の患者さんの治療のために使われ、その時に驚く結果がでたことで認可がおりるようになったとのことです。脳梗塞などの脳血管障害のほか、認知症、ALS、糖尿病、アトピー、など色々な疾患に対して今では国からも認可された治療となっています。

そこで、歯の神経組織の中にも幹細胞が存在すると述べましたが、今後歯科治療において幹細胞を応用した治療が期待されています。よく歯の神経を取ると歯の寿命が縮まるということを耳にしたことがあると思います。歯の神経を作る組織の中には血管なども含まれていて栄養を歯に送っているのですが、虫歯で神経を取った歯などは栄養が行かずに脆くなってしまい将来的に割れやすくなります。そこで、幹細胞で歯の中の神経を再生できれば元々の健康な状態に近くなるくらいまで治療できるかもしれません。また、歯周病によって歯を支える周りの歯茎や骨が無くなった場合、この幹細胞を使うことで回復が期待できます。先ほどアンチエイジング療法にて幹細胞を増やすことで体の悪いところを修復するお話をしましたが、当然年齢とともに衰える歯ぐきも例外ではなく、なかには歯周病が良くなったという声もあるのです。なので歯を失う原因の大半を占める、歯周病神経を取った歯の破折、に対する治療にとても期待できます。また、歯から採取した幹細胞を使って歯の治療だけではなく、脊髄損傷などの治療に対しても期待されているとのことです。歯の幹細胞は乳歯に多く含まれているらしく、他のところと比べると採取しやすいみたいですね。将来的に幹細胞バンクなるものが出来る可能性は高いとのことです。

今後、幹細胞を使ってどのようなかたちで歯科治療にアプローチできるのか、まだこれから発展していくと思いますので、とても楽しみで期待できますね。幹細胞を使った治療が皆様に提供出来るようになる時が近く来ることを願います。

 

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