入れ歯は、歯を失った方の食事や会話をしやすくするだけでなく、歯がない部分から生まれる腫れや歯周病などの症状も防止してくれます。
しかし、入れ歯を装着していると、さまざまな場面で口内に痛みが発生することがあります。
今回は、こちらの痛みにおける原因と対処法について解説したいと思います。
入れ歯の装着で発生する痛みの原因&対処法
入れ歯の装着で発生する痛みの原因については、主に以下が挙げられます。
・入れ歯が合っていない
・噛み合わせが悪い
・唾液の分泌量が少ない
・入れ歯に慣れていない
・顎関節症を発症している
・顎の骨や筋肉が痩せた
・食べ物が挟まっている
・メンテナンスが不十分
・カビが発生している
入れ歯が合っていない
入れ歯の脱着時や装着中などに痛みが発生する場合は、入れ歯が合っていないことにより、粘膜に当たっていることが原因と考えられます。
このような場合は、我慢せず歯科クリニックで入れ歯の調整をしてもらいましょう。
また、歯茎は加齢によって形状が変わっていくため、このような調整は定期的に行う必要があります。
噛み合わせが悪い
入れ歯を装着した状態で食事をしたときに痛みが発生する場合は、自身の噛み合わせに問題があると考えられます。
噛み合わせが合っていないと、食べ物を噛む位置にズレが生じ、それによって力が強くかかる部分、かからない部分が出てきます。
こちらは、入れ歯を装着した食事中の痛みにつながります。
このような場合も、早急に歯科クリニックを受診し、噛み合わせの調整を行います。
もし、部分入れ歯を支えている歯に問題があるのであれば、治療のため数回は通院しなければいけません。
唾液の分泌量が少ない
唾液の分泌量が少ないと、口内が乾燥し、舌や唇に痛みを伴います。
また、歯茎と入れ歯の摩擦が強くなったり、入れ歯がくっついたりすることで、痛みが出ることもあります。
このような場合、シェーグレン症候群など別の病気の症状であることも考えられるため、まずは原因を特定するために、歯科クリニックに相談することをおすすめします。
入れ歯に慣れていない
入れ歯は歯茎や口蓋などの粘膜に乗せて使用するものであるため、サイズや形状がピッタリ合っていたとしても、慣れるまではある程度痛みや違和感を覚えることがあります。
このような痛みは、装着から1ヶ月程度で少しずつ和らいできますが、もし1ヶ月以上経っても改善しないのであれば、歯科クリニックに相談し、調整なども検討しなければいけません。
顎関節症を発症している
入れ歯を装着することにより、顎の関節に痛みが生じている場合、顎関節症を発症している可能性があります。
顎関節症は、顎が痛くなり、口を開くことができなかったり、顎を動かすと異常な音がしたりするなどの症状が出る病気です。
そのまま放置すると、関節円板の癒着などが進行し、口を開きにくい症状がさらに悪化するため、まずは入れ歯が原因なのかどうか、歯科クリニックで検査してもらわなければいけません。
顎の骨や筋肉が痩せた
入れ歯の装着によって痛みを感じる場合、以前よりも顎の骨や筋肉が痩せている可能性があります。
人間の顎の骨は、年齢ともに多少なりとも痩せていくものです。
そのため、長期間入れ歯の調整を行っていない場合、知らず知らずのうちに歯茎と入れ歯の間に隙間ができ、入れ歯がフィットしなくなることがあります。
また、歯茎が痩せ細っていくと、最悪の場合ブヨブヨとしてコンニャク状になることがあり、このようになると、入れ歯はさらに動きやすくなるため、やはり入れ歯の調整は定期的に行わなければいけません。
食べ物が挟まっている
食べ物が入れ歯と歯茎の間に挟まっていることから、痛みを生じるというケースもあります。
例えば、野菜などの繊維質のものや、ゴマなどの小さいものは、粘膜と入れ歯の間に挟まりやすく、そのまま除去されないこともよくあります。
そのため、入れ歯の洗浄と歯茎のブラッシングで対処しましょう。
ただし、入れ歯の裏に頻繁にものが挟まるという方は、入れ歯が合っていない可能性があるため、一度歯科クリニックに相談すべきです。
メンテナンスが不十分
入れ歯を生活に管理できていないことにより、口内炎ができたり、誤嚥性肺炎のリスクが高まったりすることがあります。
そのため、入れ歯は歯科クリニックのアドバイス通り、毎回決まった方法により、適切にメンテナンスをしなければいけません。
カビが発生している
口内には、虫歯や歯周病の原因となる細菌が何百種類と存在しています。
中でも有名なのがカンジダ菌であり、こちらが口内で繁殖すると、白い斑点が口内の粘膜に多く見られるようになり、それと同時に痛みも発生します。
入れ歯をきちんと乾燥させて保管することで、こちらのカビの発生はある程度防止できます。
まとめ
ここまで、入れ歯の装着で痛みが発生する原因と対処法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
入れ歯は歯を失った方のサポートをしてくれる優れものですが、使い方を誤ったり、メンテナンスを怠ったりすると、痛みを始めとする悪影響を及ぼすことがあります。
そのため、装着するのであれば、きちんと使い続けられるような行動を取らなければいけません。
