虫歯などの症状を防ぐにあたって、自宅で行う予防歯科(セルフケア)は欠かせません。
しかし、具体的に何をすれば良いのか、今行っている予防法は正しいのかどうかなど、予防歯科について疑問を持っている方もいるでしょう。
ここからは、予防歯科に関するよくある質問にお答えしたいと思います。
歯科クリニックでの予防歯科では何をする?
歯科クリニックで行われる予防歯科は、プロフェッショナルケアと呼ばれるものであり、日頃の歯磨きの仕方などを聞き出し、正し歯磨きの指導や補助的に使用すべきアイテムの紹介などをしてくれます。
また、食事や間食の習慣などについても聞き出し、生活習慣で改善できることについてアドバイスを受けることが可能です。
もちろん、現在付着している歯石や歯垢、着色などを落としながら、虫歯のチェックも行います。
デンタルフロスにはどれくらいの効果がある?
食べカスが口内に残り、細菌が繁殖することで虫歯のリスクは高まりますが、食べカスは歯と歯の間に残ることが多く、歯ブラシだけで完全に除去することはできません。
そこで効果を発揮するのが、デンタルフロスです。
歯ブラシだけで磨いた場合のプラーク除去率は35%程度であるのに対し、デンタルフロスを使用した場合の除去率は、約84%にまで跳ね上がります。
そのため、毎食後使用するのが理想であり、少なくとも1日1回は使用するようにしましょう。
1日何回歯磨きをすれば、虫歯を予防できる?
1日に行う歯磨きの回数は、毎食後1日3回が理想です。
ただし、必ずしも3回磨かなければいけないというわけではありません。
生活リズムなどの関係から、3回磨くのが難しい方は、少なくとも1回、時間をかけて丁寧に磨くことで、ある程度虫歯を予防することができます。
特に、夜の就寝前には、丁寧に磨くことをおすすめします。
就寝中は唾液の分泌量が減少しやすく、細菌の増殖率も高くなるため、この時間帯の歯磨きはとても重要です。
他人から虫歯が移ることはある?
虫歯は、自身の歯から他の自身の歯に移ることはありませんが、他人の口内から自身の口内へ、虫歯菌が移ることはあります。
虫歯菌は、唾液を介して感染する感染菌であり、乳幼児期における親からの口移しでの食事などが原因で、多くは親から子へ感染します。
そのため、子どもを持つ親御さんは、できる限り口移しを避け、食器なども家族で別々のものを使用するようにしましょう。
喫煙すると虫歯のリスクは高くなる?
喫煙をすると、唾液の分泌量が減少し、口内が乾燥します。
このような乾燥した口内は、細菌が繁殖しやすい環境であり、こちらが虫歯菌の繁殖、虫歯の発症につながりやすくなります。
また、タバコの煙により、ヤニが歯面に付着すると、表面がざらつき、歯磨きの際にプラークが残りやすくなります。
こちらも、細菌の増殖や虫歯のリスク上昇につながります。
予防歯科につながる食べ物は?
予防歯科につながる食べ物として代表的なものに、キシリトールガムが挙げられます。
キシリトールは、虫歯の原因となるミュータンス菌に対し、大きな影響力があります。
食べ続けている方とそうでない方とでは、ミュータンス菌の数は1年後で2.5倍、2年後で4倍も変わってくると言われるほどです。
また、キシリトールには、歯を溶かす酸やプラークを作れなくする効果もあります。
特におすすめなのは、キシリトール100%のガムです。
アルコールを摂取すると虫歯になりやすい?
一口にアルコールといってもさまざまな種類がありますが、糖分が多く含まれる梅酒やビール、ワインなどは、糖分が酸をつくり出すことで、虫歯のリスクが高くなります。
また、アルコールには利尿効果があり、体内から水分が不足することで口内も乾燥し、虫歯になりやすくなることも考えられます。
ちなみに、こちらは直接的な原因ではありませんが、アルコールを摂取した後は、歯磨きを丁寧にすることができなかったり、歯磨きをせずにそのまま寝てしまったりすることもあります。
こちらも、虫歯のリスクが高まる原因の1つです。
歯磨き粉や歯ブラシはどう選べば良いの?
市販されている歯磨き粉は、薬効成分が少ないなど、効果があまり期待できないものも多くあります。
一方、歯科クリニックで販売しているものは、市販のものよりも薬効成分が多く含まれているため、虫歯予防効果が期待できます。
また、歯ブラシについては、ヘッドが大きすぎないもの、目安としては自身の指2本分くらいの大きさのものがおすすめです。
硬さは普通もしくはやわらかめのものを使用しましょう。
硬いものは歯茎を傷付けてしまうため、あまりおすすめできません。
まとめ
ここまで、予防歯科に関するよくある質問にお答えしましたが、いかがでしたでしょうか?
正しい知識を持ってセルフケアを行わなければ、虫歯を予防することはできませんし、日々の何気ない行動が虫歯のリスクを高める可能性もあります。
また、歯科クリニックでプロフェッショナルケアを受ける際には、今後のセルフケアの方法について、きちんと学ぶことが大切です。