インビザラインは、治療中でも目立たない上に、食事を摂る際には取り外しが可能であるため、非常に人気が高いです。
しかし、中には歯の状態や骨格などの原因により、こちらの矯正治療を行うのが難しい方もいます。
ここからは、インビザラインを使用できない方の主な特徴について解説します。
インビザラインを使用できない人の特徴6選
数ある矯正治療の中から、人気のあるインビザラインを選ぼうとする方は多いかと思いますが、以下に該当する方は、基本的にインビザラインを使用することができません。
・重度の叢生
・重度の受け口、出っ歯
・インプラントを埋入している
・歯が埋まっている
・親知らずが生えている
・抜歯の数が多い
重度の叢生
叢生とは、複数の歯が重なり合っている状態のことをいいます。
つまり、歯並びがガタガタになっている状態です。
叢生は、顎の大きさと歯の大きさのバランスが悪く、歯が正しく並ぶためのスペースが不足していることが原因で起こります。
また、インビザラインでは、軽度の叢生であればある程度矯正することはできますが、歯を大きく動かす必要にある重度の叢生については、治療するのが難しくなります。
重度の受け口、出っ歯
受け口は、下の歯が上の歯よりも前に突き出ている状態です。
出っ歯はその逆で、上の歯が著しく突出している状態を指しています。
歯並びのみに原因があるような軽度のケースであれば、インビザラインでも治療することは可能です。
しかし、顎の大きさや位置の大きなズレを伴うような重度のケースは、基本的にはインビザラインだけで対応することができません。
このような場合、インビザラインとあわせて外科治療が必要になることもあります。
ちなみに、重度の受け口や出っ歯以外にも、骨格的な異常がある場合には、外科治療の対象になることが考えられます。
インプラントを埋入している
インプラントは人工歯であり、金属の人工歯根が特定の位置にしっかりと固定されているため、インビザラインで外部から圧力をかけたとしても、その位置から動くことはありません。
つまり、インプラントが移動させたい歯の軌道上にあると、邪魔になって歯がインプラントの先に進めなくなるということです。
通常、天然歯の歯根の周りには、歯根膜という薄い膜が存在します。
こちらは、力が加わったときに歯の周りの骨を少しずつ破壊し、その後再生するという作用がありますが、インプラントには歯根膜が存在しないため、破壊と再生のサイクルをつくることができません。
特に、インプラントが複数本埋入されている場合、どの歯を動かすにも軌道上にインプラントが存在するということになりかねないため、より治療が難しくなります。
ただし、動かしたい歯と関係のない位置にインプラントがある場合は、インビザラインでも対応できる可能性があります。
歯が埋まっている
歯茎の奥深くに埋まっている歯は、埋伏歯と呼ばれます。
現代は、食べ物の軟化などにより、顎の骨が正常に発達しないことから、歯が生える十分なスペースを確保できず、歯が埋伏してしまうケースが増加傾向にあります。
また、埋伏歯を放置していると、隣の歯が倒れてきたり、噛み合わせが悪くなったりするおそれがあります。
このような場合、埋まっている歯に装置をつけ、適切な位置まで引っ張る必要がありますが、こちらの引っ張る治療は、インビザラインでは難しいため、ワイヤー矯正を選択しなければいけません。
親知らずが生えている
親知らずが斜めに生えている、または横向きになっている場合、歯を押してしまうことから、歯並びに影響が出ることがあります、
また、歯並びに影響している親知らずを残したままインビザラインを行うと、後戻りが起きやすくなってしまうため、基本的には治療ができません。
元々、親知らずは虫歯などのトラブルを起こしやすい歯であり、抜いてしまっても特に問題のない歯です。
そのため、歯並びに影響しているのであれば、インビザラインでの矯正を開始する前に、抜いてしまうケースが多いです。
抜歯の数が多い
インビザラインを使用するにあたり、歯を並べるスペースがない場合は、抜歯が必要になるケースもあります。
しかし、抜歯の数が多ければ多いほど、抜いたところのスペース分を大きく動かす必要があるため、インビザラインの適応にならないことがあります。
このような場合は、インビザラインによる矯正とワイヤー矯正を並行して進めるか、ワイヤー矯正で治療を進めていくことになります。
ちなみに、抜歯が必要になるかどうかは、歯科クリニックの医師に判断されるため、事前に相談してみましょう。
まとめ
ここまで、インビザラインを使用できない方の主な特徴について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
多くの方に選ばれているインビザラインですが、残念ながら現状では、こちらの矯正治療を受けることができない方もいます。
ただし、口内の問題などを解決することで受けられる場合もあるため、まずは諦めずに歯科クリニックに相談し、可能性を探ってみることが大切です。
