ホワイトニングは、自宅での歯磨きでは落ちない着色を白くする治療であり、歯科クリニックでしか扱えない薬剤を使用します。
しかし、すべての方が理想的な白い歯を手に入れられるのかというと、決してそういうわけではありません。
今回は、ホワイトニングの効果が出にくい歯の特徴について解説します。
ホワイトニングの効果が出にくい歯の特徴7選
以下のような歯がある方は、その部分だけが他の天然歯に比べ、あまり白くならないことが考えられます。
・テトラサイクリンが作用している
・被せ物をしている
・加齢によって着色している
・エナメル質が薄い
・ホワイトスポットがある
・フッ素コーティングをしている
・歯冠部歯髄退縮が起きている
テトラサイクリンが作用している
テトラサイクリンとは、テトラサイクリン系抗生物質の総称であり、出生時~幼少期に服用すると、歯の象牙質や骨に沈着します。
以前は、風邪薬のシロップとして一般的に使用されていましたが、歯に対する副作用が1962年に初めて報告されてから、妊婦や幼児への使用が控えられています。
しかし、現在の20代後半~40代の方までは、幼少期に服用した方が多く、歯に薄い黄色の縞模様が認められる方が多いのが現状です。
また、このようなテトラサイクリンの影響を受け、色濃く着色してしまった歯は、ホワイトニングで白くするのが難しいです。
被せ物をしている
ホワイトニングの効果が作用するのは、あくまで天然歯のみです。
そのため、人工的な被せ物をしている歯を白くするのは困難です。
特に、両側の歯間や根本に詰め物があると、1ヶ所の詰め物は小さくても、トータルでは歯の1/3程度が変色した人工物の場合があり、こちらはよりホワイトニングの効果を得にくくなります。
また、歯の裏に金属が詰まっている場合、金属イオンが歯に溶け出し、金属アレルギーの原因になったり、歯質が黒っぽくなったりしますが、このような被せ物に含まれる金属による黒ずみも、ホワイトニングで白くすることはできません。
加齢によって着色している
歯の内側には黄色い象牙質、外側には半透明のエナメル質があります。
加齢によって外側のエナメル質が減ってくると、内側にある黄色い象牙質の色が少しずつ見えてくるようになります。
また、通常であれば、表面のエナメル質はさまざまな刺激により、凸凹した形になっているため、こちらを平らにするためにキレイに研磨し、ホワイトニングを施しますが、加齢による着色の場合、元々擦り減っていた場所を削ってしまうため、この後にホワイトニングをしても、象牙質の色が見えてしまいます。
つまり、ホワイトニングをした後も、見た目が黄色いままになりやすいということです。
エナメル質が薄い
酸性の飲み物などにより、エナメル質が溶けてしまうことを酸蝕といいますが、このような状態になると、歯が透けて見え、象牙質の色が反映されて黄色みを帯びることがあります。
仕組みとしては、加齢による黄ばみとほぼ同じです。
ホワイトニングは、エナメル質より上にあるペリクルという層を白くするため、酸蝕歯ではホワイトニング効果を得ることができません。
ホワイトスポットがある
ホワイトスポットと呼ばれる白い斑点のある歯は、ホワイトニングが有効ではありますが、1~2回程度の少ない回数のホワイトニングでは、なかなか効果が現れません。
こちらは、ホワイトニングによって白斑をなくすのではなく、他のベース部分の色が白くなることにより、初めて目立たなくなることが理由です。
つまり、ホワイトニングを重ねると効果が表れやすくなるということですが、最終的にムラが残るケースもあります。
フッ素コーティングをしている
フッ素が含まれている歯磨き粉は人気が高く、数多くの商品が販売されています。
フッ素は虫歯菌の出す酸に対し、エナメル質が溶けにくい質にしてくれる働きがあり、歯に塗布することで新たな虫歯をつくりにくくする効果も期待できます。
しかし、フッ素にはホワイトニング剤が歯に浸透するのを阻害してしまうという作用があるため、フッ素コーティングをしている歯はホワイトニングの効果が十分得られないことがあります。
歯冠部歯髄退縮が起きている
打撲などの外傷により、歯冠部の神経が退縮し、石灰化してしまうことがあります。
こちらは、上顎の前歯に多く見られるもので、このような場合、他の歯に比べて若干色が濃くなり、他の歯と同様にホワイトニングを行うと、あまり白くならないことがあります。
また、外傷などの理由により、歯の神経を失った失活歯を長期間放置すると、歯が次第に変色し、ホワイトニングでは満足のいく結果を得られなくなります。
まとめ
ここまで、ホワイトニングの効果が出にくい歯の特徴について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
ホワイトニングを行おうとする方は、すべての歯を均等に白くしたいと考えるケースがほとんどです。
しかし、前もって歯科クリニックに相談したり、別の治療を受けたりしなければ、色のバランスが悪くなり、不自然な仕上がりになることも考えられるため、注意してください。