マウスピース矯正は、プラスチック製の透明な器具を使用し、歯を矯正する方法です。
近年では、従来から使用されてきたワイヤー矯正と並び、代表的な小児矯正の方法として用いられています。
ここからは、子どものマウスピース矯正におけるメリット・デメリットについて解説したいと思います。
子どものマウスピース矯正におけるメリット
子どもの矯正治療を検討している親御さんは、どの矯正方法が良いのか迷うこともあるかと思います。
数ある中からマウスピース矯正を選ぶ場合、以下のようなメリットがあります。
・器具が透明で目立たない
・装着が簡単
・取り外しができる
・金属アレルギーでも使用できる
器具が透明で目立たない
マウスピース矯正で使用する器具は、かなりの長時間装着しなければいけませんが、透明であるため、外から見ても目立ちません。
従来のワイヤー矯正は、ワイヤー部分が見えることにより、無意識に口元を隠したり、笑いづらくなったりと、子どもにとってコンプレックスに感じるケースも珍しくありませんでした。
そのため、目立たないことは学校などで周りの目を気にしやすい子どもにとって、大きなメリットだと言えます。
また、矯正治療を行っていることについて、周りの友達にからかわれるような心配も少ないです。
装着が簡単
ワイヤー矯正は、金属のブラケットワイヤーが付いているため、装着時に痛みや違和感を覚えることがあります。
一方、マウスピース矯正は、フィット感が高く、簡単に装着できる上に、違和感や痛みを最小限に抑えることができます。
取り外しができる
マウスピース型の矯正器具は、取り外しが可能です。
ワイヤー矯正の場合、食事のときなどにも器具を装着したままになるため、食べにくさを感じたり、食後のブラッシングで磨き残しが出やすくなったりしますが、マウスピース矯正はそのような心配がありません。
金属アレルギーでも使用できる
ワイヤー矯正の場合、使用する器具が金属製であることから、金属アレルギーのある子どもには適用できません。
その点、マウスピース矯正はプラスチック製であるため、金属アレルギーの子どもでも安心して矯正治療を受けることができます。
子どものマウスピース矯正におけるデメリット
子どものマウスピース矯正には、快適性や安全性などのメリットがありますが、以下のようなデメリットもあるため、注意が必要です。
・装着時間が長い
・装着時間を守らないと成果が得られない
・適応できない症例がある
・紛失や破損、変形の可能性がある
装着時間が長い
マウスピース矯正で使用する矯正器具は、1日のうち20~22時間と、かなりの長時間装着しなければいけません。
基本的には、食事や歯磨きのとき以外は外すことができず、もちろん就寝中も装着しなければいけないため、最初は子どもがストレスを感じるケースも多いです。
装着時間を守らないと成果が得られない
マウスピース矯正は、矯正器具の装着時間を守らなければ、成果を得ることができない治療法です。
具体的には、1日20時間以上装着しないことにより、顎の成長や歯並びのコントロールが不十分で、治療計画通りに進まない可能性があります。
ワイヤー矯正など、固定式の矯正方法であれば、嫌でも装着し続けることになりますが、マウスピース矯正は子ども自身で取り外すことができる反面、子どもの意思や我慢が大きく治療結果に影響します。
適応できない症例がある
子どものマウスピース矯正は、残念ながら誰でも受けられるというわけではありません。
マウスピース矯正は、歯を根元から大きく動かす移動を得意としていないため、抜歯を伴うような症例には適していません。
また、外科手術を伴う矯正治療も、マウスピース矯正では対応できないため、注意が必要です。
具体的には、以下のような症例の場合、別の矯正方法を選択する必要があります。
・重度の上顎前突
・重度の叢生
・重度の下顎前突
紛失や破損、変形の可能性がある
マウスピース矯正の器具は着脱ができるがゆえに、しっかり保管しなければ紛失してしまうことがあります。
こちらは、固定式のワイヤー矯正にはないデメリットです。
特に、外食時など自宅以外で取り外す際は、透明なマウスピースが視界に入らず、お店のテーブルに置き忘れることなどが考えられます。
もちろん、紛失してしまうと、再度マウスピースを作成しなければいけないため、費用も追加でかかります。
また、マウスピースの使い方が乱暴だったり、歯ブラシなどの取り外すタイミングで置いていたマウスピースが落ちたりすると、割れたり変形したりすることもあります。
まとめ
ここまで、子どものマウスピース矯正におけるメリット・デメリットについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
マウスピース矯正には、従来のワイヤー矯正などにはないメリットがたくさんあります。
しかし、きちんと成果を出すには、子どもの頑張りが不可欠であるため、途中でやめてしまわないためにも、親御さんは日々サポートしなければいけません。