オフィスホワイトニングやホームホワイトニングは、決して危険な治療ではありません。
いずれにしても、安全性を最優先に行われるものですが、場合によっては、少し厄介な症状が出ることもあります。
ここからは、ホワイトニング治療における主な副作用について解説したいと思います。
ホワイトニング治療における主な副作用7選
ホワイトニング治療を受けることで起こり得る副作用には、主に以下のものが挙げられます。
・知覚過敏
・色ムラ
・後戻り
・歯髄炎
・口腔粘膜炎
・歯茎の灼熱感
・吐き気
知覚過敏
知覚過敏とは、虫歯ではないにもかかわらず、冷たいものや歯ブラシなどの刺激によって、歯がしみたり、キーンとした痛みを感じたりする症状のことを指します。
ホワイトニングでは、過酸化水素や過酸化尿素という薬剤を使って、歯を漂白していきますが、こちらの薬剤が場合によっては知覚過敏を引き起こす可能性があります。
また、以下に該当する方は、特に知覚過敏を起こしやすいです。
・元々知覚過敏の症状が出やすい
・歯にヒビが入っている
・歯が欠けている など
ただし、こちらの知覚過敏は、治療から24時間経過後、徐々に治まってくることが多く、長い場合でも1週間程度で落ち着きます。
色ムラ
色ムラは、どちらかというとホームホワイトニングで比較的起こりやすい副作用です。
ホームホワイトニングは、患者さん自身でマウスピースに薬剤を注入し、それを装着することで歯を白くしていきます。
その際、薬剤の注入量が足りなかったり、そもそもマウスピースが自分の歯にフィットしていなかったりすると、薬剤が十分に行き渡らず、色ムラの原因になることがあります。
また、オフィスホワイトニングの場合も、歯並びが悪いことで光の照射が十分に行き渡らず、色ムラが発生する可能性があります。
後戻り
一度白くした歯でも、時間が経つと色はホワイトニングをする前に戻ってしまいます。
こちらを後戻りといいます。
持続期間は一般的なケースですとオフィスホワイトニングは長くて6ヶ月、早い方は3ヶ月で戻ってきます。
ホームホワイトニングはおよそ1年、長い方だと2年程白さを維持できる方もいます。
しかし、タバコを吸う方や、コーヒーやワインなどが好きな方は、歯にヤニや着色汚れがつきやすくなるため、通常よりも早く色戻りが起きてしまいます。
歯髄炎
歯の表面に亀裂がある場合に、歯科クリニックでホワイトニング治療を行うと、知覚過敏が起こるのはもちろんのこと、ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素が歯の神経にまで到達し、歯髄炎を引き起こすこともあります。
このような場合、最悪のケースでは神経を抜かなければいけなくなる場合もあります。
また、虫歯がある歯に対してホワイトニング治療を施した場合も、同様に過酸化水素が歯の神経を傷つけるおそれがあります。
ホワイトニング自体が虫歯を悪化させる要因になるため、虫歯に対しては絶対にホワイトニングを控えるべきです。
口腔粘膜炎
ホワイトニングで使用する濃度の過酸化水素は、口唇や歯肉など口腔粘膜に触れると糜爛(びらん)を形成するリスクがあります。
こちらを口腔粘膜炎といいます。
ちなみに、あらかじめ保護剤を塗布し、薬剤と粘膜表面の接触を防止することで、口腔粘膜炎の発症は予防できます。
歯茎の灼熱感
ホワイトニング治療における副作用としては、歯茎の灼熱感も挙げられます。
灼熱感とは、ヒリヒリ、チクチクした痛みや、焼けるような痛みのことをいいます。
こちらは、ホームホワイトニングで起こりやすい副作用であり、比較的濃度が低いとされるホームホワイトニングの薬剤であっても起こり得るものです。
また、こちらと前述した口腔粘膜炎は併発することもありますが、ほとんどは一時的なものであり、数日で治癒するケースが多いです。
吐き気
ホームホワイトニングをする際には、一定時間マウスピースを装着し続けなければいけません。
しかし、こちらは吐き気につながることがあり、人によっては装着が困難になることもあります。
このような吐き気は、嘔吐反射と呼ばれるものです。
人は口内に異物が入ると、本能的に排除するために吐き出そうとする生理的反射があります。
もちろん、ホームホワイトニングで使用されるマウスピースは薄い素材のものが多く、嘔吐反射は起きにくくなっていますが、あまりにもひどい場合には、オフィスホワイトニングなど他の治療法を検討するか、マウスピースの再製作を検討してください。
ちなみに、少しずつ装着時間を伸ばしていくことで、徐々にマウスピースに慣れるケースもあります。
まとめ
ここまで、ホワイトニング治療で起こり得る主な副作用について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
冒頭でも言いましたが、ホワイトニング治療はあくまで安全性の高い治療です。
そのため、事前に歯や病気の問題などを解決し、ホームホワイトニングであれば、医師の指示通りにきちんと治療を進めることにより、前述したような副作用が起こる可能性は低くなります。