【広島の歯医者】子どもの空隙歯列におけるデメリットと治療法

子どもの歯やその周辺組織は成長段階であり、さまざまな問題が起こります。

また、子どもによく見られる不正咬合の一つに、“空隙歯列”というものがあります。

あまり聞き慣れないかもしれませんが、こちらは多くの方がご存知の症状です。

今回は、子どもの空隙歯列におけるデメリットと治療法について解説します。

目次

空隙歯列の概要

空隙歯列(くうげきしれつ)とは、歯と歯の間に隙間がある状態の歯並びのことをいいます。

すきっ歯と呼ばれることもあります。

小児期の空隙歯列には、先天的・後天的な要因によって歯列が乱れるケースと、成長過程で生じる発育空隙(はついくくうげき)と呼ばれるケースがあります。

発育空隙は、乳歯が生え揃った後に顎骨の成長により、一時的に歯列に隙間ができる状態です。

前歯がスカスカであるため、みにくいアヒルの子の時期(ugly duckling stage)とも呼ばれます。

発育空隙は、乳歯が永久歯へスムーズに生え変わるために必要なスペースであり、永久歯が生え揃うことによって、少しずつ隙間は埋まっていきます。

しかし、歯の本数が少ないまたは多い、歯のサイズが小さい、上唇小帯の異常といった問題で生じる空隙歯列に関しては、混合歯列期になっても一向に症状が改善しないことがあります。

ちなみに、海外では、空隙歯列は好印象を与えると認識されている場合もあります。

例えばフランスでは、空隙歯列は幸福の歯と呼ばれ、歯と歯の間から幸運が舞い込み、幸せになれると思われています。

海外のモデルや芸能人の方は、あえて歯列矯正をしないという方も少なくありません。

それでも、歯科の観点から言うと、やはり空隙歯列は放置しておくべきものではないと言えます。

子どもの空隙歯列を放置するデメリット

子どもの空隙歯列がなかなか改善しないにもかかわらず、そのまま放置していると、以下のようなデメリットが生じます。

・虫歯や歯周病のリスクが上がる
・食事の負担が大きくなる
・発音に問題が出る
・見た目に問題が出る

虫歯や歯周病のリスクが上がる

子どもの歯と歯の間の隙間が広いと、その分その隙間に汚れが溜まりやすくなります。

一人でしっかりケアできれば良いですが、子どもは歯磨きの技術が不十分なケースが多く、多くの場合、歯と歯の間は歯ブラシの毛が届きにくいため、プラークや歯石が溜まりやすいです。

そのため、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。

食事の負担が大きくなる

長くすきっ歯であるとなかなか気づけませんが、食べ物が詰まる、噛み切りにくい、すり潰しにくいなど、食事がしにくい状況が続きます。

また、十分に細かくできないまま飲み込むことで、胃腸への負担が大きくなり、こちらが体調の悪化につながることも考えられます。

発音に問題が出る

空隙歯列の子どもは、歯と歯の隙間が開いていることにより、そこから空気が漏れてしまいます。

そのため、発音に問題が出ることがあります。

特に、空隙歯列の子どもは、サ行の発音が苦手です。

サ行は別名“歯擦音”と呼ばれているように、前歯を擦り合わせて音を出す必要があるため、空気が漏れてしまうことで、正しい発音にならないおそれがあります。

また、サ行と同様に、タ行やナ行、ラ行も歯の隙間に影響されやすい発音と言われています。

ちなみに、英語の発音では、“TH”や“S”などサ行と同じような音の出し方をする単語があります。

それらの言葉も、やはり歯と歯の隙間が開いていると、上手く発音できないことがあると考えられます。

見た目に問題が出る

空隙歯列は、年齢を重ねるごとに悪化するケースも多くあり、年々歯と歯の間が大きく開いていくと、見た目が悪くなり、コンプレックスに感じる子どももいます。

先ほど、海外では空隙歯列が良い印象を与えることもあると解説しましたが、日本では古くから、“歯の隙間から幸せが逃げる”と言われていて、実際に当事者もネガティブな印象を持っているケースが多いです。

子どもの空隙歯列の主な治療法について

子どもの空隙歯列は、主に以下の矯正治療で改善させるケースが多いです。

・ワイヤー矯正
・マウスピース矯正

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、ブラケットという器具を歯の表面に付着させ、ブラケットの間にワイヤーを通します。

矯正治療として一般的にイメージされることが多い方法で、少しずつ歯を移動させて隙間を埋めていく方法のため、健康な歯を傷つけることが少なく、自身の本来の歯を最大限に活かすことができます。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピース型矯正装置を用いて歯科矯正を行います。

ワイヤー矯正と同様に、歯を少しずつ移動させることで、前歯の隙間を埋めていきます。

また、透明な器具は、子ども自身での着脱も可能です。

まとめ

ここまで、子どもの空隙歯列におけるデメリットと主な治療法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

一時的な空隙歯列は、ほとんどの子どもが経験するものであるため、特に問題はありません。

しかし、なかなか改善されない場合や、すでに子どもの食事や発音などに不具合が出ている場合などは、早めに歯科クリニックに相談することをおすすめします。

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