ホワイトニング治療は、黄ばんでしまった歯を白くキレイにするための治療ですが、永遠に効果が持続するわけではありません。
ある程度時間が経つと、後戻りという現象が起こることがあります。
ここからは、ホワイトニング治療後の後戻りにおける原因や対策などについて解説します。
ホワイトニングの効果が持続する期間
ホワイトニングには、主に歯科クリニックで行うオフィスホワイトニング、自宅で行うホームホワイトニング、これら両方を行うデュアルホワイトニングがあります。
また、どれを選択するかによって、効果が持続する期間は変わってきます。
一般的には、オフィスホワイトニングが長くて6ヶ月程度、早くて3ヶ月程度で後戻りが発生します。
ホームホワイトニングはもう少し長く、およそ1年から、長い方であれば2本ほど白さをキープできる方もいます。
そして、デュアルホワイトニングは両方のホワイトニングを採り入れているため、1~2年、もしくはそれ以上効果が続くこともあります。
ただし、これらの持続期間よりも、早く後戻りが起こる方も当然ながら存在します。
ホワイトニング治療後における後戻りの主な原因
ホワイトニング治療後の後戻りは、主に以下のような原因で発生します。
・食事
・再石灰化
・歯に水分が戻る
・白さに見慣れる
食事
歯は食事を摂ることにより、いつでも着色しやすい環境にさらされています。
そのため、ホワイトニングで歯を白くした後も、時間が経過するとともに、食事によって少しずつ歯の色が後戻りしていきます。
特に、カレーやケチャップ、ワインなどの色の濃い飲食物を頻繁に摂取していると、後戻りのスピードが早くなります。
再石灰化
ホワイトニングの後は、薬剤の働きによってエナメル質が曇りガラス状になります。
これにより、象牙質が透けにくくなり、歯が白く見える作用が働きますが、こちらも時間の経過とともに、元の表面状態に戻っていきます。
こちらは、エナメル質がミネラル分の消失と再形成を繰り返す再石灰化により、徐々に象牙質が見えるようになるという仕組みです。
歯に水分が戻る
ホワイトニングの後は、歯の表面の水分が失われているため、乾燥によって白っぽく見えます。
しかし、ホワイトニングから24時間以内には、歯に水分が戻り、ペリクルという歯の保護膜が再生され、1~2段階白さが戻ったように見えることがあります。
こちらは、ホワイトニング剤の濃度が高い方が起こりやすくなり、ホワイトニング直後の後戻りは、ほとんどこちらが原因です。
白さに見慣れる
実際はそれほど着色していなくても、歯の色が元に戻ったと感じることがあります。
こちらは、ホワイトニングによって白くなった歯に見慣れたことが原因です。
特に、治療から数ヶ月経過したときには、このような現象が起こりやすく、ほんのわずか着色が見られるだけで、大幅に審美性を失ったように感じることもあります。
ホワイトニング治療後の後戻りを抑えるには?
ホワイトニングを行った後、ある程度後戻りが出てしまうのは仕方のないことです。
しかし、ほんの数ヶ月程度で元の色に戻ってしまうと、歯科クリニックに通う頻度が増えてしまいますし、もちろん出費も多くなります。
そのため、以下のような対策を取ることにより、なるべく後戻りを抑えることが大切です。
・食生活を改善する
・禁煙する
・PMTCを受ける
・歯磨きを見直す
食生活を改善する
ホワイトニング後の生活では、極力着色性の高い飲食物を避けることが大切です。
特に、舌に色がついてしまうような食品は、歯にも着色するため、摂取しないかもしくは頻度を抑えるようにしましょう。
禁煙する
禁煙も、歯の色調悪化を予防するためには欠かせないことです。
自身一人での禁煙が難しいというのであれば、医療機関の禁煙外来を受診したり、禁煙グッズを活用したりする方法もあります。
PMTCを受ける
PMTCは、歯科クリニックの医師が行う専門的な歯のクリーニングです。
こちらを定期的に受診することにより、歯面の着色汚れを除去できますし、ホワイトニングの通院頻度を減らすにあたっても効果的です。
歯磨きを見直す
ホワイトニング後の歯磨きでは、なるべく研磨剤が含まれていない歯磨き粉を選ぶようにしましょう。
研磨剤が含まれていると、歯の表面をしっかり磨くことができますが、同時に歯の表面を傷付ける可能性もあります。
歯が傷つくと、着色成分や汚れがより入りやすくなるため、注意してください。
また、食事後の口内は、食べ物に含まれる細菌を分解する影響により、酸性の状態になっています。
口内が酸性になると、歯の表面が傷つきやすいため、食後の歯磨きは30~60分程度待ってから行うべきです。
まとめ
ここまで、ホワイトニング治療後の後戻りにおける原因、対策などを中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
さまざまな原因により、多少ホワイトニングの効果は薄れていきますが、歯科クリニックが関わるホワイトニングであれば、そう簡単には後戻りはしません。
また、対策さえ取っていれば、ある程度は後戻りを抑えることが可能です。