ホワイトニングと聞くと、歯科クリニックの管理下で行うオフィスホワイトニング、ホームホワイトニングをイメージする方も多いでしょう。
しかし、実際は自身で行う方法も多くあります。
また、そのうちの一つがホワイトニング歯磨き粉の使用です。
今回は、ホワイトニング歯磨き粉の効果を中心に解説します。
ホワイトニング歯磨き粉で歯は白くなる?
結論からいうと、ホワイトニング歯磨き粉を使用しても歯そのものを白くすることはできません。
こちらは、ホワイトニング歯磨き粉に含まれている成分が関係しています。
ホワイトニング歯磨き粉には、ポリリン酸やポリエチレングリコール、ハイドロキシアパタイトなどの成分が含まれています。
これらの成分によって歯石を付きにくくしたり、着色汚れを除去したり、再石灰化を促したりすることが可能です。
しかし、あくまで可能なのは、自身の元々の歯の色に近づけることです。
歯自体を白くする効果はありません。
そのため、歯科クリニックで行うホワイトニングの代わりに、ホワイトニング歯磨き粉を使用するという考え方は間違っています。
歯科クリニックで行うホワイトニングとの違い
歯科クリニックで行うホワイトニングとホワイトニング歯磨き粉では、使用できる薬剤の種類が異なります。
ホワイトニング歯磨き粉の成分は前述の通りですが、歯科クリニックで使用するホワイトニング剤には、過酸化水素が配合されています。
過酸化水素は、歯の表面の汚れや色素を分解して無色化する作用があり、エナメル質の構造を変化させて歯を白く見せます。
しかし日本国内では、市販の歯磨き粉に対し、歯を白くする濃度の過酸化水素を使用することが禁止されています。
濃い過酸化水素を扱うには、歯科医師の免許が必要です。
つまり、歯科クリニックでは特別な薬剤が使用されていることから、歯そのものを白くできるということです。
海外製のホワイトニング歯磨き粉について
先ほど、日本国内のホワイトニング歯磨き粉には、濃い過酸化水素が使用できないという話をしました。
一方、海外製のホワイトニング歯磨き粉であれば、歯を白くすることが可能です。
海外の製品は、日本の薬事法の制限を受けないため、強いホワイトニング成分が配合されています。
そのため、歯を根本から白くしたい方にとってはメリットがあります。
ただし、海外製のホワイトニング歯磨き粉は危険性が高いです。
日本人の歯は、欧米人と比べて表面のエナメル質が薄い傾向にあり、痛みや知覚過敏が生じるリスクがあります。
また、海外製の製品は、他にも危険な成分が入っている可能性が否定できません。
つまり、日本の製品のように安全性が考慮されていないということであり、決しておすすめはできません。
ホワイトニング歯磨き粉のデメリット
ホワイトニング歯磨き粉は、歯科クリニックで行うホワイトニングのように歯を白くすることができません。
その上、事前に歯の問題を確認できないというデメリットもあります。
歯科クリニックでは、ホワイトニングの施術前に歯や歯茎の状態をチェックし、問題がある場合は治療をしてからホワイトニングに移行します。
先に口内の確認を行うのは、虫歯や歯周病がある状態でホワイトニングを行うと、患部の悪化や痛みにつながるからです。
一方ホワイトニング歯磨き粉の使用には、歯科医師が一切関わらないため、事前に虫歯や歯周病の検査が行えません。
もちろん、定期検診を受けていれば問題ありませんが、そうでない方は歯磨き粉の使用によって口内トラブルにつながる可能性があります。
ホワイトニング歯磨き粉の正しい使い方
ホワイトニング歯磨き粉は、歯科クリニックでのホワイトニングの代わりにはなりませんが、デンタルケアアイテムとしては優秀です。
使用する際は、まず通常の歯磨き粉で口内全体の汚れを落とします。
その後、歯ブラシにホワイトニング歯磨き粉を塗布しますが、このとき歯ブラシは極力濡らさないようにしましょう。
濡れている状態だと、せっかくのホワイトニング成分が水で薄まってしまいます。
また、ホワイトニング歯磨き粉を付ける量は、歯ブラシ全体の1/3程度です。
そして、通常の歯磨きと同じように全体を磨き終えたら、軽めにすすぎます。
強いうがいなどをしてしまうと、ホワイトニング成分の多くが流れてしまいます。
ちなみに、使用するホワイトニング歯磨き粉については、なるべく研磨剤が使用されていないものを選びましょう。
研磨剤の配合量が多かったり、粒子が硬かったりする場合、歯を傷付けてしまうリスクがあります。
歯が傷つくと、その傷に飲食物が入り込み、かえって歯が着色しやすくなります。
まとめ
ホワイトニング歯磨き粉は、歯をキレイに保つという目的で使用するものです。
黄ばんだ歯を白くすること、つまり歯科クリニックでのホワイトニングの代わりには使用できません。
また、こちらはサロンでのホワイトニングなど、他のセルフホワイトニング全般に言えることです。
やはり、安全性を確保しながら歯を白くするには、歯科クリニックでホワイトニングを受けるのが一番です。
