矯正治療を受けようと考える方は、まずどの矯正方法を選択するかを決定しなければいけません。
しかし実際選択するとなると、種類が多すぎて迷ってしまうという方もいるでしょう。
そのような場合におすすめの方法としては、ハイブリッド矯正が挙げられます。
今回は、ハイブリッド矯正の概要や主なメリットなどを解説します。
ハイブリッド矯正の概要
ハイブリッド矯正は、矯正治療の中でも一般的な方法であるワイヤー矯正、マウスピース矯正の2つを組み合わせた方法です。
ワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる器具を歯に装着し、ワイヤーを通して歯を移動させる矯正方法です。
動かしたい方向に力を加えることで、歪んだ歯並びを改善します。
一方マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着して歯並びを整える方法です。
取り外し可能なマウスピースを1日20時間以上装着し、1~2週間ごとに患者さん自身で交換して治療を進めます。
ハイブリッド矯正は、これら2つの矯正方法のメリットがあるだけでなく、それぞれのデメリットをカバーしてくれます。
つまり、良い所取りの矯正方法だということです。
ハイブリッド矯正のメリット
ハイブリッド矯正のメリットは、前述の通りそれぞれのメリットを得られる点、デメリットを補い合える点です。
具体的には、以下のようなメリットが挙げられます。
・審美性を維持しやすい
・矯正器具にものが詰まりにくい
・ブラッシングがしやすい
・口内の違和感が少ない
・しっかり歯を移動させることができる
各メリットについて詳しく説明します。
審美性を維持しやすい
ワイヤー矯正には、審美性を維持しにくいというデメリットがあります。
こちらはワイヤーとブラケットの部分が目立ちやすく、なおかつ取り外しができない固定式の器具だからです。
一方ハイブリッド矯正であれば、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を併用するため、ワイヤー矯正単独の場合よりは審美性を維持しやすいです。
マウスピース矯正の場合、薄くて透明なマウスピースを装着して治療するため、矯正器具が目立ちにくいです。
そのため営業職やサービス業など、人前に出て仕事をしている方でも、人目を気にせずに働くことができます。
矯正器具にものが詰まりにくい
ハイブリッド矯正は、ワイヤー矯正のものが詰まりやすいというデメリットもカバーしてくれます。
前述の通り、ワイヤー矯正は固定式の矯正器具です。
一度装着すると、基本的には治療が完了するまで取り外すことができません。
またこちらは食事のときも例外ではなく、ワイヤー矯正の場合は矯正器具を装着したまま食事を摂ることになるため、どうしても器具の間にものが挟まりやすいです。
その点ハイブリッド矯正であれば、マウスピースを装着している期間は、食事のときマウスピースを外すことができます。
そのため、食事におけるストレスや虫歯、歯周病のリスクなどは軽減されます。
ブラッシングがしやすい
ブラッシングがしやすいという点も、ハイブリッド矯正のメリットです。
ワイヤー矯正の場合、固定式の器具を装着した状態でブラッシングを行います。
そのため、ワイヤーとブラケットの重なっている部分の歯などは、なかなか食べカスやプラークをかき出すのが難しいです。
しっかりとキレイにするには、歯ブラシを縦にするなどして工夫し、時間をかけて磨く必要があります。
一方、ハイブリッド矯正は、マウスピースをしている期間のブラッシングがとても楽になります。
マウスピースは食事のときだけでなく、ブラッシングをするときも取り外すことができるからです。
口内の違和感が少ない
ワイヤー矯正による口内の違和感も、マウスピース矯正でカバーすることが可能です。
ワイヤー矯正は違和感が出やすいため、治療中にストレスを感じる方も多いです。
特に装着し始めてすぐのときや、装置を調整したときには痛みも感じやすいため、食事などがしにくくなることもあります。
ハイブリッド矯正は、マウスピース矯正を併用する方法のため、このような違和感や痛みも軽減してくれます。
しっかり歯を移動させることができる
ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせるハイブリッド矯正では、しっかりと歯を動かすことが可能です。
マウスピース矯正は、歯を内側から外側に動かすのは得意ですが、前や後ろに歯を平行移動させるのは不得意です。
ハイブリッド矯正であれば、マウスピース矯正が苦手な動きをワイヤー矯正でカバーできます。
また口全体の歯並びの調整はマウスピース矯正で行うため、歯を大きく動かすことも細かく動かすことも可能です。
まとめ
ハイブリッド矯正は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正における良い所取りの矯正方法です。
そのため、向いている方が非常に多い矯正方法だと言えます。
また2つの方法を組み合わせる治療ということもあり、費用が気になる方も多いかと思いますが、心配は無用です。
多少金額は上がる可能性がありますが、ハイブリッド矯正だからといって、単独の矯正と比べて何倍も費用が高くなるということはありません。