一般的なハイブリッド矯正は、表側矯正や裏側矯正などのワイヤー矯正と、マウスピース矯正を組み合わせたものです。
またワイヤー矯正とマウスピース矯正とでは、それぞれ手入れの方法が異なるため、事前に把握しておく必要があります。
今回は、ハイブリッド矯正で使用するマウスピースの手入れ方法を解説します。
マウスピースの手入れが必要な理由
ハイブリッド矯正で使用するマウスピースの手入れが必要な理由は、マウスピースの機能を維持する必要があるからです。
矯正用のマウスピースは、長時間口内に入れている状態となり、そのたびに表面に細菌が付着します。
そのため日々のメンテナンスを怠ってしまうと細菌が繁殖し、着色や悪臭の原因になるだけでなく、カビが生えてしまうこともあります。
またこのような状態が続くと、虫歯や歯周病の悪化にもつながります。
虫歯や歯周病が悪化すると、一旦矯正を中止して治療にあたることになるため、治療期間が長期化するおそれもあります。
つまりマウスピースの機能を維持し、少しでも早くハイブリッド矯正を終えるためにも、手入れは必要だということです。
マウスピースの正しい手入れ方法
ハイブリッド矯正で使用するマウスピースの正しい手入れ方法は、主に以下の3つのポイントに分けられます。
・指、水でよく洗う
・2~3日に1回は洗浄剤に浸ける
・よく乾燥させる
マウスピースを歯から外したら、毎日水もしくはぬるま湯でよく洗います。
このときは基本的に指を使用し、歯磨き粉などはつけず丁寧に汚れを落としていきます。
また2~3日に1回は、マウスピース専用の洗浄剤に浸けて洗います。
こうすることで、指で洗っても取れないプラークや着色を落とすことができる可能性があります。
さらにマウスピース洗浄後は、よく乾燥させた上で専用のケースに入れて保管します。
マウスピースの手入れにおけるNG行動
ハイブリッド矯正で使用するマウスピースを手入れするにあたって、以下の行動を取るのはNGです。
・熱湯で洗う
・強力な洗剤や漂白剤を使用する
・研磨剤入りの歯磨き粉を使用する
・硬い歯ブラシで擦る
・温風を当てる
各項目について詳しく説明します。
熱湯で洗う
マウスピースを洗う際は、熱湯を使用してはいけません。
熱湯の使用はマウスピースの素材にダメージを与え、形状の変形や劣化を引き起こす可能性があります。
水やぬるま湯であっても、十分洗浄効果は得ることができます。
強力な洗剤や漂白剤を使用する
マウスピースを洗う際は、何もつけずに指で洗うのがポイントです。
少しでも汚れを落としたいからといって、強力な洗剤や漂白剤を使用してはいけません。
洗剤や漂白剤も熱湯と同様、マウスピースを傷付け、変色や劣化を引き起こす原因になり得ます。
研磨剤入りの歯磨き粉を使用する
天然歯をブラッシングするときと同じように、歯磨き粉を使用すれば汚れを落としやすくなると考える方もいるかと思いますが、歯磨き粉も使うべきではありません。
特に研磨剤入りの歯磨き粉を使用すると、マウスピースの表面に傷をつけてしまい、かえって汚れが付着しやすくなります。
硬い歯ブラシで擦る
マウスピースの表面を硬い歯ブラシで擦ることも、研磨剤と同様表面を傷付ける原因になるため、避けなければいけません。
もし指以外で表面を洗いたいのであれば、入れ歯用ブラシのように毛先がやわらかく、マウスピースに与える影響の少ないものを選びましょう。
温風を当てる
マウスピースを乾燥させるときは、素早く乾燥させたいからといって、ドライヤーの温風を当ててはいけません。
温風を当てる距離や時間によっては、こちらも変形の原因になります。
マウスピースの乾かし方について
ハイブリッド矯正で使用するマウスピースの乾かし方としては、まず専用のケースの中にティッシュもしくはキッチンペーパーを敷きます。
その上に洗浄したマウスピースを置き、まずは蓋を開けたままの状態で乾かします。
蓋を開けたままにするのは、マウスピースの生乾きを防ぐためです。
保管場所については、湿度の低い涼しい場所が適しています。
そのため、浴室でマウスピースを洗浄し、そのまま放置するといった行動は控えましょう。
浴室は湿度が高く、マウスピースにカビが生えるリスクが高くなります。
また外出中などで時間がない場合は、洗浄後にティッシュなどで水滴を拭き取り、ケースの蓋を閉めて保管します。
このとき傷がつくのを防ぐため、ティッシュは優しく押さえるように使用しましょう。
ちなみに、直射日光に当たる場所や、暑い車内に保管するのはNGです。
まとめ
ハイブリッド矯正で使用するマウスピースは、ワイヤー矯正で大部分を移動させた歯並びについて、キレイに仕上げるためのものです。
そのため正しく装着しなかったり、メンテナンスを怠ったりすると、ワイヤー矯正の効果がすべて水の泡になってしまいます。
ハイブリッド矯正の場合、マウスピース矯正単体と比べて装着期間はまだ短いため、こちらのメリットを無駄にしないようにしましょう。