【広島市中区宝町の矯正歯科・歯医者】MTM(部分矯正)で後戻りが起こる原因

MTM(部分矯正)は、1本もしくは数本の歯だけに矯正治療を行う治療法です。

通常の全体矯正と比較するとより短期間で矯正でき、取り付ける矯正装置が狭いため、違和感も少ないです。

しかし、MTMでは歯を動かした後に後戻りという現象が起こる可能性があります。

今回は後戻りの概要や発生する原因などを解説します。

目次

後戻りとは?

MTMにおける後戻りとは、一度矯正治療によって移動した歯が元に戻ろうとする働きのことをいいます。

人の身体は傷を負えば自分の力で修復しようとしますし、風邪を引けば自身の身体でウイルスを退治すべく、さまざまな免疫能力が働きます。

このような働きを治癒能力といい、通常は悪いものに対して作用することで良い影響をもたらします。

しかし、MTMなどの矯正治療における後戻りは、人間が持つ治癒能力の中でも良くない影響が出るものだと言えます。

MTMは後戻りが起こりやすい?

MTMは、全体矯正と比べて後戻りが起こりやすいとされています。

なぜなら、動かせない範囲が多いからです。

MTMは部分的な矯正治療であるため、簡単な治療だと考えている方も多いでしょう。

しかし実際は動かせない部分が多いため、全体のバランスを崩しやすく、難易度が高い治療法です。

そのため、単純に見える部分だけを動かして終わってしまうと、後戻りが発生しやすくなります。

MTMで後戻りが起こる主な原因

MTMでは、以下の原因でも後戻りが起こりやすくなります。

・保定が足りない
・悪癖が残っている
・親知らずの影響
・MTMでは治せない歯並びだった

各項目について詳しく説明します。

保定が足りない

MTMの後戻りでよくある原因としては、保定期間が足りないということが挙げられます。

MTMでは、歯を理想的な位置に並べ終わった後、動かした歯を固定する処置を行います。

こちらを保定といい、期間中はリテーナーと呼ばれる装置を決められた時間、一定の期間装着しなければいけません。

しかしリテーナーの装着時間が短かったり、自己判断で勝手に外したりすると、治療直後で不安定な歯には元に戻ろうとする力が働き、後戻りが起こります。

悪癖が残っている

悪癖が残っている場合も、MTMの治療後に後戻りが起こりやすくなります。

具体的には、舌で前歯を押す癖や、歯ぎしり・食いしばりなどの悪癖です。

舌で前歯を押す癖があると、出っ歯や受け口の原因になります。

そのため癖を治さない限り、MTMの後に再び出っ歯や受け口になってしまうリスクがあります。

また歯ぎしりや食いしばりなどの癖も、歯に強い力がかかり、歯並びが悪くなる原因です。

こちらも、MTMの後に行うことで、歯を元の位置に戻してしまうことが考えられます。

特に就寝中の歯ぎしりや食いしばりは、発生していることになかなか気付けないため厄介です。

親知らずの影響

MTMの治療後に起こる後戻りは、親知らずの影響で起こることもあります。

親知らずは、大臼歯の中でもっとも後ろに位置する歯です。

親知らずが残っていると、他の歯を圧迫することがあり、後戻りの原因になります。

また年月が経過するとともに、人によっては親知らずが動くことがあります。

最初は他の歯を圧迫するような状況でなかったとしても、矯正から数年が経過する頃には、両サイドの親知らずが歯を圧迫することが考えられます。

そのためMTMを受ける際には、前もって親知らずを抜歯するのが望ましいです。

MTMでは治せない歯並びだった

MTMで後戻りが発生した場合、そもそもMTMでは治せない歯並びだった可能性もあります。

先ほども触れたように、MTMはある意味で全体矯正よりも高度な知識と技術を要します。

一部の歯にしか処置を加えられないため、全体の歯並びや噛み合わせを改善することができないからです。

また歯並びの乱れが軽度であればMTMでも治しやすいですが、中程度~重度のケースで強引にMTMを行うと、後戻りが起こりやすくなります。

最悪治療前より噛み合わせが悪くなることも考えられるため、正しい判断を下せる歯科医師に任せることが大前提です。

MTMで後戻りが起こったときの対処法

実際MTMで後戻りが起こってしまった場合、軽度であればリテーナーを装着することですぐに改善する可能性があります。

しかし、装置が入らないほどの後戻りが起きた場合、矯正治療以外では治すことができません。

セラミックを被せたり、プラスチックで形だけ修正したりして、見栄えを良くすることはできますが、根本的な解決のためにはあくまで矯正治療が必要です。

また矯正治療を行う際、ワイヤー矯正であれば後戻りを2~3ヶ月程度で解消できるケースが多いです。

一方、マウスピース矯正は目立ちにくいものの、ワイヤー矯正と比べると後戻りを治すのには時間がかかります。

まとめ

MTMは気軽に受けられる矯正治療ではありますが、全体矯正よりも難易度が低いというわけではありません。

むしろ全体矯正より難しく、治療後に後戻りが起こって再度矯正治療を受けなければいけない可能性も高いです。

ただししっかりMTMのルールを守ったり、事前に歯並びなどの問題を改善したりしていれば、後戻りのリスクは軽減されます。

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