インビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が提供するマウスピース矯正です。
世界でもっとも利用されている矯正治療システムとして知られています。
またマウスピース矯正には、インビザラインの他にもアソアライナーというものがあります。
今回はインビザラインとアソアライナーの主な違いを解説します。
アソアライナーの概要
アソアライナーは、国内15,000件、世界65ヶ国に流通する矯正専門の歯科技工所であるアソインターナショナルジャパンが提供するマウスピース矯正です。
厚みの異なるソフト・ミディアム・ハードという3タイプのマウスピースを使用し、歯並びを整えていくという独自の仕組みを持っています。
またアソアライナーのマウスピースは、どれか1つを選んで使用するのではなく、矯正治療の段階によって3タイプのマウスピースを使い分けます。
インビザラインとアソアライナーの主な違い7選
同じマウスピース矯正であるインビザラインとアソアライナーには、主に以下のような違いがあります。
・適応症例
・費用
・装着時間
・形状
・製作国
・型取り
・矯正期間
各項目について詳しく説明します。
適応症例
インビザラインとアソアライナーとでは、適応する症例が異なります。
インビザラインが適応できる症例は、開咬や叢生、上顎前突や上下顎前突などです。
また反対咬合や過蓋咬合などの不正咬合にも対応しています。
その他、歯の間の隙間が通常よりも広い空隙歯列にも対応可能で、歯の角度を細かく調整したい場合などにも向いています。
一方アソアライナーは、主に部分矯正に対応しています。
1本の歯だけあるいは一部だけが歯列からずれていたり、ねじれて生えてきたりしているときの矯正治療には、アソアライナーが適しています。
一方、アソアライナーはインビザラインとは違い、重度の叢生などには適応できません。
費用
インビザラインとアソアライナーは、費用にも違いがあります。
インビザラインの費用は、治療期間が短くて済むようであればトータルで20万円前後かかります。
ただし歯並びなどの問題により、治療にかかる時間が場合は100万円前後かかることもあります。
これに対しアソアライナーは、簡単に終わる治療であれば10万円程度、多少時間がかかる場合でも40万円程度で収まります。
適応できる症例が少ない分、アソアライナーの方が治療費は安くなる傾向にあります。
装着時間
インビザラインとアソアライナーとでは、マウスピースを装着する時間も異なります。
インビザラインの装着時間の目安は、1日20時間以上です。
つまり、食事とブラッシングのとき以外は、基本的に装着し続けなければいけないということになります。
一方アソアライナーの装着時間はインビザラインより少し短く、1日17時間が目安です。
食事やブラッシングのとき以外でも、1日7時間程度であれば外しても問題ありません。
形状
インビザラインとアソアライナーとでは、それぞれ形状の異なるマウスピースを使用します。
インビザラインのマウスピースは、アソアライナーよりも小さく、歯だけを覆うような形状をしています。
また厚みは0.05mmと非常に薄く、装着したときの異物感は極めて少ないです。
対するアソアライナーは、歯だけでなく歯茎と上顎の一部まで覆うような形状になっています。
厚みに関してもソフトで0.5mm、ミディアムで0.6mm、ハードで0.8mmとインビザラインよりもかなり厚い仕様です。
製作国
インビザラインとアソアライナーとでは、製作国や納期にも違いがあります。
インビザラインは、型取りを行った後アメリカで矯正装置が製作されるのに対し、アソアライナーは日本で製作されます。
そのため、基本的にはアソアライナーの方が製作期間は短いです。
治療計画によって個人差はありますが、型取りを行ってから矯正装置が歯科クリニックに届くまでの期間は、アソアライナーの方が1ヶ月以上早くなることもあります。
型取り
インビザラインとアソアライナーは、どちらのマウスピースを製作するにあたり、患者さんの歯の型取りを行います。
インビザラインの場合、コンピューターによってシミュレーションを行うことができるため、基本的に型取りは1回しか行いません。
一方、アソアライナーは30日ごとに型取りし、矯正の進捗を見ながら調整していきます。
矯正期間
インビザラインの矯正にかかる期間は、1年半~3年程度とされています。
軽度の症状であれば、1年程度で歯並びが治ることもあります。
またアソアライナーの矯正期間は、4ヶ月~1年半ほどであり、インビザラインよりも早期に治療が完了します。
こちらは、対応している症状がインビザラインに比べて限られているからです。
まとめ
インビザラインとアソアライナーは、いずれも同じマウスピース矯正の一種です。
マウスピースを歯に取り付けて歯に圧をかけ、定期的に新しいマウスピースに交換しながら、歯並びを整えていくという作用も同じです。
ただしそれぞれメリットやデメリットはあるため、治療を受ける際は歯並びや予算などの状況に合わせて、慎重に選ぶことをおすすめします。