インビザラインは、アメリカで開発されたマウスピース矯正の一つであり、世界100ヶ国以上の国々で提供されています。
また、近年はこちらをバージョンアップさせるデジタルスマイルデザインというものが注目されています。
今回はデジタルスマイルデザインの概要、インビザラインとの違いを解説します。
デジタルスマイルデザインの概要
デジタルスマイルデザイン(DSD)は、治療前と治療後の顔や口元のシミュレーションを行うことができる、デジタル分析システムです。
歯科治療を行うことで、どのような状態になるのか、視覚的に結果を見ることができ、患者さんは仕上がりをイメージしやすくなります。
主に顔や口元のバランス、歯並びなどについて客観的な基準に基づき、コンピューターで分析します。
患者さんは、シミュレーションしたイメージの中から、好みの口元や顔全体の様子を選択することが可能です。
ちなみに、デジタルスマイルデザインはインビザラインなどの矯正治療だけでなく、インプラント治療やその他の歯科治療でも用いられることがあります。
デジタルスマイルデザインの一般的な流れ
デジタルスマイルデザインは、一般的に以下のような流れで行われます。
・写真、動画、詳細情報の登録
・システム上での歯のバランス調整
・色の調整
・治療後のシミュレーションの完成
各項目について詳しく説明します。
写真、動画、詳細情報の登録
まず患者さんの顔写真や歯の写真、顔・顎周りのレントゲン写真、表情をうつした動画などの情報をシステムに登録します。
また、患者さんの歯の情報についても細かく入力します。
システム上での歯のバランス調整
患者さんの要望をもとに、治療後の歯並びや大きさ、角度や長さといった審美的なバランスについて、システム上で調整していきます。
インビザラインで採り入れる際は、こちらのデータをもとに歯を動かす位置や治療法などの計画を立てていきます。
色の調整
歯の色のバランスを整え、治療によって入る歯の映像を患者さんの顔の映像に入れ込みます。
インビザラインなどの矯正治療においても、歯の色はしっかりと考慮されます。
治療後のシミュレーションの完成
ここまで取り入れたさまざまなデータにより、患者さんにおける治療後のシミュレーション画像が出来上がります。
患者さんはインビザラインによる矯正治療に入る前に、歯科医師と一緒に画像を確認することができます。
また歯の形やバランスなど、気になる部分があれば再度歯科医師に相談し、調整を行ってもらうことも可能です。
デジタルスマイルデザインと通常のインビザラインとの違い
デジタルスマイルデザインを活用するケースと通常のインビザラインには、主に以下のような違いがあります。
・一人ひとりに合ったカスタマイズができる
・全体美を獲得できる
・治療精度が向上する
・治療期間が短縮する
各項目について詳しく説明します。
一人ひとりに合ったカスタマイズができる
デジタルスマイルデザインを採り入れたインビザラインは、カスタマイズの自由度が非常に高いです。
通常のインビザラインでは、過去のデータをもとに患者さんの特徴を分析し、どのように歯が動くかなどのシミュレーションを行っています。
こちらも信頼性はありますが、過去の症例をカスタマイズした矯正治療に過ぎません。
一方デジタルスマイルデザインは、さまざまなデータを重ね合わせ、分析と微調整を繰り返しながら、一人ひとりに合ったカスタマイズを実現できます。
全体美を獲得できる
デジタルスマイルデザインを活用すれば、インビザラインによって全体美を獲得できます。
こちらも通常のインビザラインとは異なる点です。
全体美とは、顔全体の美しさのことを指しています。
従来のインビザラインでは、歯並びを改善できたとしても、顔貌全体を見たときの歯や歯茎のバランスが悪くなることがありました。
デジタルスマイルデザインでは、顔貌全体を考慮した治療計画を立案できるため、このような心配はありません。
治療精度が向上する
デジタルスマイルデザインを活用したインビザラインは、当然治療の精度も向上します。
こちらは、最新のデジタル技術がなせる業です。
従来法ではきちんと分析できない部分についても、デジタル技術を利用すれば分析するのは難しくありません。
治療期間が短縮する
治療期間が短縮するという点も、デジタルスマイルデザインを採り入れたインビザラインのメリットです。
これまでアナログで行ってきたさまざまな工程をデジタルに置き換えることができるため、効率が上がり、結果的に治療期間が短縮されます。
まとめ
デジタルスマイルデザインはインビザラインを含む矯正治療の他、インプラント治療や各種審美歯科治療など、幅広い歯科分野で採用されています。
そこまでまだ知名度はありませんが、今後はインビザラインなどの治療とセットになるシステムとして、大きく発展することが期待されます。
ただ歯の機能を回復させるだけでなく、見た目にも徹底的にこだわりたい方は、デジタルスマイルデザインを利用してみましょう。