インビザラインはもっともポピュラーなマウスピース矯正装置として、世界中で選ばれています。
またデジタルスマイルデザインは、インビザラインの精度を高めるデジタル診断システムです。
今回は、通常のインビザラインとデジタルスマイルデザインを用いたインビザラインにおける、治療内容の違いを解説します。
インビザライン、デジタルスマイルデザインの治療内容における違い3選
通常のインビザライン、デジタルスマイルデザインを採用したインビザラインには、以下のような治療内容の違いがあります。
・治療開始までにかかる時間
・治療計画の説明
・使用する機器
各項目について詳しく説明します。
治療開始までにかかる時間
通常のインビザライン、デジタルスマイルデザインを用いたインビザラインは、治療開始までにかかる時間が異なります。
一般的には、デジタルスマイルデザインを用いる方が治療開始までの時間が長くなります。
通常のインビザラインは、まずカウンセリングを行うところから始まります。
歯並びの悩みや治療後に希望するイメージなどについて、歯科医師と細かく話し合います。
その後、さまざまな機器を用いた精密検査を行い、治療計画の説明が終了したらようやくマウスピースを発注します。
マウスピースが歯科クリニックに届いたら、矯正治療を開始します。
一方、デジタルスマイルデザインを用いたインビザラインは、より精密な検査や調整を行います。
まず患者さんの顔写真や歯の写真、顎周りのレントゲン写真や表情を撮影した動画、歯の詳細情報などをシステム内に登録します。
次に患者さんの希望をもとに、治療後の歯並びや大きさ、角度、長さなどを調整していきます。
これらの情報から、治療後の仕上がり画像を作成し、問題なければようやくマウスピースの発注に移ります。
いずれも精密な矯正治療を目指すために、多くの作業が行われることには違いありませんが、やはりより精密なデジタルスマイルデザインの方が、治療開始は遅れやすいです。
治療計画の説明
通常のインビザライン、デジタルスマイルデザインを採用したインビザラインのいずれも、当然歯科医師から患者さんに対する治療計画の説明は行われます。
こちらの内容については、それほど大きな違いはないと言えます。
通常のインビザラインでは、精密検査の結果をもとに歯科医師が治療計画を立てます。
3Dシミュレーションソフトを使用し、矯正治療によってどのように歯がキレイに並んでいくか、治療後の最終イメージを実際に患者さんと確認します。
もちろん、治療期間や治療費などの詳細についても説明が行われます。
またデジタルスマイルデザインを用いたインビザラインでも、シミュレーションを見ながら詳細な治療計画を説明することができます。
歯科医師からの提案だけでなく、画像を確認しながら、患者さんの希望をより細やかに汲み取ります。
ただし、デジタルスマイルデザインにおける仕上がり画像の方が、患者さんは治療後の歯並びをイメージしやすくなります。
使用する機器
通常のインビザラインとデジタルスマイルデザインを用いたインビザラインとでは、使用する機器にもそれほど大きな違いはありません。
細かく言えばもっと多くの機器を使用しますが、一般的にはどちらのケースでも以下のような機器が用いられます。
・歯科用CT
・口腔内カメラ
・iTero
歯科用CTは、歯科分野に特化したCT装置です。
CTとは、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography)の略であり、コンピュータを駆使してデータ処理と画像の再構築を行い、断層写真を得られる装置です。
インビザラインでは、主に顎の骨の厚みや状態を診査・診断する際に使用されます。
口腔内カメラは、口の中を撮影する歯科専用のカメラであり、一番の特徴は洞窟のように暗い口腔内でも明るく鮮明に撮影できるという点です。
一般的なカメラと同じような形のものもあれば、スティック状でそのまま口の中に入れられるタイプもあります。
スティックタイプは、口の中に入れてもそれほど違和感がなく、少し大きな歯ブラシを加えている程度です。
またiTero(アイテロ)は、歯型取りや歯間の虫歯の発見補助、矯正治療のシミュレーションが行える光学式口腔内スキャナーです。
インビザラインと同じく、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発しています。
iTeroは従来の歯型採取と比べて、患者さんの負担を大幅に軽減できる点が大きなメリットです。
さらに歯科医師がモニターを見ながらスキャンを行うため、歯型採取の失敗や取り直しも起こりにくいです。
従来の印象材を使用した方法と違い、固まるまで待つ必要もありません。
まとめ
通常のインビザラインも、デジタルスマイルデザインを用いたインビザラインも、優れた治療であることには変わりありません。
ただし治療内容や流れ、必要な時間などには微妙に異なる点があります。
また、どちらの方がおすすめとは一概に言えないため、気になる方はまず歯科クリニックに相談しましょう。
相談することで、自身に合っているのがどの治療なのかがわかります。