デジタルスマイルデザインは、矯正治療のシミュレーションができるデジタル分析システムです。
インビザラインを単体で行う場合よりも、こちらを用いる方がより精密な矯正治療を実現できます。
またデジタルスマイルデザインには、インビザラインにはないオプションが存在します。
今回はこちらの内容について解説します。
デジタルスマイルデザインのオプションとは?
デジタルスマイルデザインでは、患者さんの顔や歯の写真、詳細情報をもとに、矯正治療のシミュレーションを作成します。
その内容を歯科医師と患者さんでチェックしながら、一人ひとりに合った理想の歯並びを実現します。
またデジタルスマイルデザインによって導き出されたデータを活用したオプションを、他の治療に役立てることも可能です。
こちらは通常のインビザラインにはないメリットです。
インビザラインでも、カウンセリングやCT精密検査、口腔内スキャンなどを行った上で、シミュレーションが作成されます。
しかしこちらはあくまでインビザライン、つまり矯正治療を行うために作成されるものです。
デジタルスマイルデザインのように、他の治療にオプションを役立てることはできません。
デジタルスマイルデザインのオプション4選
デジタルスマイルデザインでは、以下のオプションをさまざまな治療に活用することができます。
・DSDモックアップ
・歯冠長延長術のガイド
・ダイレクトボンディングのガイド
・インプラント治療のガイド
各項目について詳しく説明します。
DSDモックアップ
DSDモックアップは、治療後の歯並びや歯の形の模型を実際に作製し、それを歯の表面に貼って口元の状態を見るというものです。
患者さんは、シミュレーションの結果を画面で見るだけでなく、実際のその歯並びが自身の口に入ったときの状態を確認できます。
また口を小さく開けたとき、大きく開けたとき、横を向いたときなど、細かく普段の動作での歯の状態を確認できます。
そのため、より詳細なシミュレーションができ、矯正治療をはじめとする歯科治療の精度は大幅にアップします。
もちろん、DSDモックアップはインビザラインの施術にも適応できます。
歯冠長延長術のガイド
デジタルスマイルデザインでは、歯冠長延長術のガイドを作製することもできます。
歯冠長延長術はクラウンレングスニングとも呼ばれるもので、外科治療によって歯茎の位置を下げることにより、歯の縁を歯茎より上に出す処置です。
場合によっては部分矯正を応用し、歯を引っ張り上げることもあります。
これにより、歯茎より上に出てきた歯の縁に被せ物などの処置を施し、元の歯を残すことができます。
一般的には歯の大きさが小さかったり、歯が短かったりことでガミースマイルになっている方に適応されることが多いです。
ガミースマイルとは、笑ったときに歯茎が3mm以上見えている状態を指します。
また歯冠長延長術を行う際には、どの程度まで歯冠を延ばす必要があるのかを検討しますが、デジタルスマイルデザインではそのガイドを作製することができます。
ガイドを前もって歯に合わせれば、笑った感じがどのように見えるかなどを確認することが可能です。
ダイレクトボンディングのガイド
デジタルスマイルデザインのオプションとしては、ダイレクトボンディングのガイドも挙げられます。
ダイレクトボンディングは、色調や透明感の異なる多種のハイブリッドレジンを欠けたもしくは削った歯に盛り付け、審美性と機能性を取り戻す治療です。
すきっ歯の改善や歯の形、色の改善に使用されることもあります。
色調や透明感の異なるハイブリッドレジンを組み合わせた修復であるため、天然歯と見分けがつかないほどの美しさを取り戻すことができます。
またデジタルスマイルデザインでは、ダイレクトボンディングのような審美歯科治療で被せ物をする場合のガイドも作製可能です。
具体的には、デジタルスマイルデザインのシステムでシミュレーションしたままシリコンガイドを作成し、そこにコンポレットレジンを流し込んで治療します。
インプラント治療のガイド
インプラント治療のガイドも、デジタルスマイルデザインのオプションの一つです。
インプラント治療は、歯を失った箇所に人工歯根を埋め込み、歯を補う治療です。
従来は歯を失ったときの治療法として入れ歯やブリッジが一般的でしたが、近年はインプラント治療を希望する方が増えています。
またインプラント治療では、人工歯根を埋め込む位置が非常に大事になってきますが、正しく埋め込むためにデジタルスマイルデザインのガイドを活用することがあります。
まとめ
通常のインビザラインは、当然歯を移動させ、歯並びをキレイにすることを目的としています。
一方デジタルスマイルデザインは、インビザラインの精度を高めるだけでなく、細かいデータが必要な他の治療で活かすこともできます。
もちろん、インビザラインも精度が高い治療であることは間違いありませんが、適応症例や利便性という点ではデジタルスマイルデザインの方が上回っていると言えます。