歯科クリニックのホワイトニングでは、患者さんが希望する白さになるまで、何度か治療を受ける必要があります。
また後戻りを防ぐために、治療後も何度か通院する必要がありますが、中にはホワイトニングを中断した方が良いケースもあります。
今回はこちらの点について解説します。
ホワイトニングを中断すべきケース6選
ホワイトニング治療中、以下のような状況に陥った際には、一度治療を中断すべきだと言えます。
・痛みを感じる
・妊娠が発覚した
・虫歯が見つかった
・歯茎が下がった
・知覚過敏の症状が出た
・歯にヒビが入った
各項目について詳しく説明します。
痛みを感じる
ホワイトニングの薬剤を塗布し、数日経過しても痛みが引かない場合や、痛みがどんどん強くなっている場合は、ホワイトニングを中断すべきです。
ホワイトニング治療の開始直後は、薬剤の刺激によってある程度の痛みが出ることがありますが、こちらは通常2~3日程度で慣れてきます。
しかしいつまで経っても痛みがある場合、薬剤の濃度が濃すぎたり、自身の身体に合っていなかったりする可能性があります。
また長期間痛みが継続すると、体調にも悪影響を及ぼす可能性があるため、すぐにホワイトニングを中断して歯科医師に相談すべきです。
妊娠が発覚した
ホワイトニング治療中に妊娠が発覚した場合も、中断することをおすすめします。
こちらは、ホワイトニングの薬剤が胎児に悪影響を与える可能性があるからです。
歯科クリニックのホワイトニングで使用される薬剤は、主に過酸化水素で構成されていますが、こちらは胎児との相性が良くありません。
過酸化水素は、気体になってお母さんの鼻や口から入ることで、血液中のタンパクと反応し、小さな気泡が形成されます。
この気泡が母乳や胎盤を通った血液などから胎児の中に入ると、細い血管を詰まらせるおそれがあります。
そのため、母子ともに安全を確保するためにも、妊娠している方はホワイトニングを中断すべきです。
虫歯が見つかった
ホワイトニング治療中に虫歯が見つかった場合も、原則ホワイトニングを中断しなければいけません。
そのままホワイトニングを継続すると、虫歯はどんどん進行してしまいます。
またホワイトニングの薬剤は、虫歯がある状態だと余計にしみやすく、こちらは健常なホワイトニングの阻害につながります。
ちなみに、ホワイトニングと虫歯治療を並行して行うことはできません。
なぜなら、虫歯治療時に装着する被せ物が、ホワイトニングの薬剤の影響で剥がれる可能性があるからです。
そのため、一度ホワイトニングを中断し、先に虫歯治療を終わらせてから再びホワイトニングに復帰する必要があります。
歯茎が下がった
ホワイトニング治療中、歯茎が下がってきたという方も、一度ホワイトニングを中断することをおすすめします。
歯茎が下がった部分は、象牙質がそのまま露出している状態であるため、ホワイトニングの薬剤がしみて痛みを感じやすくなります。
また歯茎が下がる主な原因は加齢ですが、中には歯周病を発症していることにより、歯茎が下がってきている方もいます。
歯周病についても虫歯同様、そのまま放置することはできないため、先に治療を行ってからホワイトニングを再開する流れになるのが一般的です。
知覚過敏の症状が出た
ホワイトニング治療中、知覚過敏の症状が出た場合も、基本的には中断しなければいけません。
知覚過敏の方は、歯茎が下がっている方と同じように、ホワイトニングの薬剤による痛みが出やすくなります。
仕組みもほとんど同じで、歯の外側を守るエナメル質が欠けたり削れたりすることで、神経に近い象牙質が剥き出しの状態になります。
ちなみに、知覚過敏を発症する最大の原因としては、歯ぎしりや食いしばりが挙げられます。
こちらは就寝時、無意識に行っている方が多く、自身に症状が出ていることに気付いていない方も少なくありません。
歯にヒビが入った
ホワイトニング治療中、歯にヒビが入った場合も、そのままホワイトニングを継続するのは難しくなります。
歯の表面にヒビが入っていると、その部位からホワイトニングの薬剤が染み込み、神経を刺激します。
その結果、知覚過敏の症状が現れたり、歯の神経に炎症を起こしたりします。
そのため、外傷などによって歯にヒビが入っている方は、修復してからホワイトニングを再開する必要があります。
また、先ほども少し触れた歯ぎしりや食いしばりですが、こちらも歯を破損させる原因の一つです。
歯ぎしりや食いしばりの場合、単なる破損ではなく、歯と歯茎の境目の歯質がえぐられたようなくさび状欠損が見られることもあります。
まとめ
ホワイトニングは、白く美しい歯を手に入れたい方にとって、非常におすすめの治療法です。
しかし、歯周組織や身体の状態が万全ではない限り、治療中にトラブルが起こる可能性があります。
またトラブルの発生によって中断することになると、予定通り歯を白くするのは難しくなりますし、余計なコストも発生します。
そのため、最後まで治療できるタイミングを見計らって開始しなければいけません。