【広島市中区宝町の歯医者・矯正歯科】出っ歯はドライマウスのリスクを高める?

出っ歯は上顎前突とも呼ばれるもので、歯並びや噛み合わせの異常を指す不正咬合の一種です。

また出っ歯を治療せずに放置していると、食事や会話など生活に支障が出るだけでなく、ドライマウスを発症するリスクも高まります。

今回は、出っ歯とドライマウスの関係を中心に解説します。

目次

ドライマウスとは?

ドライマウスは口内が乾燥する疾患であり、さまざまな原因によって唾液の分泌量が減少することによって起こります。

一般的には中年期になると唾液の分泌量が減り、口が乾く傾向にありますが、ドライマウスは若年層でも発症します。

ちなみに歯科クリニックなどの検査では、ガムなどを咀嚼し、10分間にどれくらいの量の唾液が分泌されているかをチェックします。

20ml以上が正常であり、分泌量が10ml以下の場合はドライマウスと診断されます。

出っ歯がドライマウスのリスクを高める仕組み

出っ歯や開咬など、常に唇を閉じることが難しい不正咬合がある方は、口呼吸になりやすいです。

常に口呼吸をしていると、徐々に口内が乾燥し、ドライマウスにつながりやすくなります。

また出っ歯は上の前歯が前方に出ているため、口を閉じるときに上の前歯が唇に引っかかりやすいです。

さらに前に突出した歯が唇を押すため、口を閉じている状態をキープしようとすると疲れやすくなります。

そのため唇を閉じる筋肉が徐々に衰えていき、知らず知らずのうちに口が開いたままになることで、口内の唾液が減少します。

こちらも、出っ歯がドライマウスのリスクを高める原因です。

ドライマウスの症状

出っ歯が原因でドライマウスを発症した場合、以下のような症状が現れます。

・虫歯、歯周病のリスクが高くなる
・食事がしにくくなる
・舌の痛みやひび割れが発生する
・口臭が悪化する

唾液には、口内の汚れを洗い流す自浄作用というものがあるため、口内が乾燥すれば必然的に虫歯や歯周病のリスクが高まります。

また唾液には、味蕾と呼ばれる味を感じる組織に味物質を運ぶ役割もあるため、ドライマウスになると食べ物の味がわからなくなり、味覚障害に陥ります。

口内が乾燥するために、ものが飲み込みにくくなる嚥下障害が起こることも珍しくありません。

さらに口内の潤いが失われると、舌がひび割れて痛みを伴うこともありますし、口内に汚れが溜まりやすくなり、口臭が悪化することも考えられます。

出っ歯を治療すればドライマウスのリスクは軽減する

出っ歯を治療すれば、口内が乾きにくくなるため、ドライマウスのリスクは軽減されます。

また出っ歯の治療法と言えばやはり矯正治療が挙げられますが、程度に応じて治療法は少し変わってきます。

ワイヤーとブラケットを用いるワイヤー矯正は、出っ歯の症状が重度であるケースや、他の歯並びの問題とあわせて治療する場合に効果的です。

治療期間は通常2~3年程度です。

また軽度の出っ歯であれば、インビザラインなどのマウスピース矯正でも治療できます。

マウスピース矯正は緩やかに矯正していく方法であり、即効性は期待できませんが、治療していることが周りにバレにくいというメリットがあります。

ドライマウスの治療法

出っ歯が原因でドライマウスを発症してしまった場合、ドライマウス自体の治療をしなければいけません。

歯科クリニックでは、検査や診断の内容に基づき、治療または口腔ケアが行われます。

原因がわかれば、当然その除去が第一になります。

また痛みなどがある場合は、とりあえず先にそれを治療します。

ちなみに、ドライマウスを発症している場合、歯並びの問題だけでなく、シェーグレン症候群を患っている可能性もあります。

シェーグレン症候群は、免疫のバランスが崩れることで、涙や唾液をつくる臓器を中心に炎症が生じ、目や口などを中心に乾燥を引き起こす疾患です。

原因は今のところハッキリしていませんが、稀に遺伝と関与して発症することがあります。

その他、ウイルスへの感染や女性ホルモンの変動、喫煙習慣などが発症に関わっているとも考えられています。

検査の結果、シェーグレン症候群が認められる場合は、主に塩酸セベリメンやアネトールトリチオンなどの唾液分泌促進薬が処方されます。

これらの薬は、シェーグレン症候群以外の疾患には適用がありません。

歯科クリニックによっては、漢方薬が用いられることもあります。

さらに、傷ついた粘膜に対しては軟膏や含嗽薬(うがい薬)、カンジダ症に対しては抗真菌薬が用いられます。

ちなみに薬物療法以外で言うと、ガムなどを噛み、唾液腺を刺激する唾液腺刺激療法によってアプローチする方法もあります。

まとめ

出っ歯の放置は、生活の質を低下させる一つの要因になります。

またドライマウスを併発すると、さらに生活の質は低下し、虫歯や歯周病などによって別の疾患を引き起こすことも考えられます。

そのため、早めに歯科クリニックを受診し、自身の症状にあわせてワイヤー矯正やマウスピース矯正などの治療を受けるべきです。

もちろん、ドライマウスを発症したときは、こちらの治療も必須です。

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