歯科クリニックで治療を受ける場合、保険診療か自費診療のいずれかを選択することになります。
これらの違いは保険が適用されるかされないかであり、自費診療には保険診療にはないメリットがいくつかあります。
今回は、具体的にどのようなメリットがあるのかについて解説します。
自費診療の概要
自費診療は、治療費のすべてを患者さんが負担する歯科治療です。
例えば10,000円かかる治療の場合、患者さんがその10割である10,000円をすべて支払います。
また自費診療には、歯科クリニックによって金額が変動するという特徴があります。
そのため、Aクリニックでは10,000円だった治療が、Bクリニックでは15,000円かかるというケースもあります。
一方保険診療は、患者さんが金額の1~3割を負担する歯科治療です。
診療報酬点数は全国一律であり、どの歯科クリニックで治療を受けたとしても、内容が同じであれば金額も同じです。
自費診療のメリット5選
歯科クリニックの自費診療には、主に以下のようなメリットがあります。
・治療の選択肢が豊富
・ライフスタイルに合わせた治療が受けられる
・審美性を重視した治療が受けられる
・治療内容や価格を比較できる
・医療費控除で実質的な負担を減らせる
各メリットについて詳しく説明します。
治療の選択肢が豊富
歯科クリニックの自費診療は、治療の選択肢がとても豊富です。
例えば、歯を失ったときに考えられる治療法としては、入れ歯やブリッジなどが挙げられます。
これらは保険診療で受けられるものですが、支えとなる歯がなければ適用できないことがあります。
一方自由診療の場合、インプラント治療で失った歯をカバーすることができます。
インプラント治療は顎の骨に人工歯根を埋め込む治療であり、入れ歯やブリッジのように支えとなる歯は必要ありません。
そのため、入れ歯やブリッジが適用できない方でも受けられる可能性があります。
ライフスタイルに合わせた治療が受けられる
ライフスタイルに合わせた治療が受けられるという点も、自費診療の大きなメリットです。
自費診療の場合、1回の治療時間を長くし、集中的に治療できる可能性があります。
そのため、患者さんのライフスタイルに合わせた幅広い治療計画を立てられます。
保険診療は、1回の治療で行える範囲が決まっているため、日頃忙しい方などには自費診療の歯科治療がおすすめです。
審美性を重視した治療が受けられる
歯科クリニックの自費診療を選択すれば、審美性を重視した治療を受けることもできます。
保険診療は、あくまで最低限の機能を回復させることを目的にしています。
そのため、病気やケガの回復以外の効果を求めることはできません。
一方自費診療であれば、セラミックなど審美性や耐久性に優れた素材を選択できるため、症状の回復だけでなく、治療後の歯の美しさやより快適な使用感を追求できます。
また自費診療の場合、単純に歯の見た目をキレイにすることが目的の治療も受けられます。
具体的にはホワイトニングや矯正治療などです。
治療内容や価格を比較できる
歯科クリニックの自費診療には、各院によって設定されている金額が異なるという特徴があります。
そのため、金額が高くなったり安くなったりすることがありますが、こちらは治療内容や価格を比較できると言い換えることができます。
自費診療を取り扱う多くの歯科クリニックの中から、自身の条件にもっとも合う歯科クリニックを選ぶことで、さらに自費診療の価値は高まります。
複数の家電量販店を比較し、もっとも状態や価格の条件が良い家電製品を購入するようなイメージです。
保険診療はすべての歯科クリニックで治療内容、金額が一律になっているため、このような比較ができるのは自費診療の特権です。
医療費控除で実質的な負担を減らせる
歯科クリニックの自費診療には、費用が高額になりやすいという大きなデメリットがあります。
しかし、医療費控除を活用すれば、実質的な費用負担を減らすことが可能です。
医療費控除は、年間に支払った医療費が一定金額を上回ったとき、その医療費をもとに計算された金額の所得控除が受けられるという制度です。
医療費控除が適用されると、申請後1年間は所得税や住民税が安くなります。
歯科クリニックの自費診療には、医療費控除の対象になるものがあり、後々所得控除を受けることができれば、実質お得に治療できます。
もちろん本人の代わりに治療費が支払われるわけではないため、一旦は治療費を支払わなければいけませんが、返還される分を考えると使わない手はありません。
審美目的の治療でなければ、基本的には医療費控除の対象になります。
まとめ
歯科クリニックで自費診療を受けるのは、とても勇気のいることです。
なぜなら、金額は高くなりますし、失敗したときのリスクも大きくなるからです。
しかし、実際はメリットも多く、きちんと歯科クリニックを比較すればリーズナブルに受けられることもあります。
また患者さんの希望に幅広く応えてくれるという点も、自費診療ならではのメリットだと言えます。