歯を失った方にとってもっとも代表的な治療法と言えば、やはり入れ歯が挙げられます。
近年はブリッジやインプラントを選択する方も多いですが、いまだに入れ歯を愛用する方は多く、その種類も多種多様です。
今回は、自費診療の入れ歯における主なメリットについて解説します。
自費診療の入れ歯における主なメリット7選
自費診療で作製した入れ歯には、主に以下のようなメリットがあります。
・天然歯と変わらない見た目になる
・装着時の違和感が少ない
・インプラントより費用が安い可能性がある
・耐久性が高い
・劣化しにくい
・さまざまな素材から選択できる
・食事を楽しめる
各メリットについて詳しく説明します。
天然歯と変わらない見た目になる
自費診療の入れ歯を装着することで、天然歯とほとんど変わらない見た目を実現できます。
自費診療の場合、入れ歯に使用する素材は自由です。
保険診療では、素材や1日に可能な治療の工数などに限りがありますが、自費診療にはこのようなルールが存在しません。
そのため、天然歯の色合いに近いセラミックなどでつくられた入れ歯も適用できます。
入れ歯を装着することにより、歯の見た目が変わってしまうのを危惧している方は、このような入れ歯がおすすめです。
装着時の違和感が少ない
自費診療で作製する入れ歯は、装着時の違和感が少ないです。
こちらは入れ歯本体だけでなく、クラスプにもさまざまな素材が使用できるからです。
入れ歯を初めて装着した方のほとんどは、その違和感に悩まされます。
違和感には少しずつ慣れていきますが、クラスプと呼ばれる留め具による違和感は簡単には慣れません。
また保険診療の入れ歯では、クラスプの素材に金属が使用されていますが、自費診療の場合は樹脂などを選んで作製できます。
そのため、違和感は最小限に抑えられるでしょう。
インプラントより費用が安い可能性がある
歯を失ったときの治療法としてインプラントが挙げられますが、自費診療の入れ歯の方がインプラントより費用が安い可能性があります。
インプラントの費用相場は、1本あたり30~40万円程度です。
そのため、例えば上の歯をすべてインプラントにする場合、1,000万円近くかかることもあります。
一方自費診療の入れ歯は、総入れ歯であっても20~50万円が相場のため、失った歯の本数によっては自費診療の入れ歯の方が安くなります。
耐久性が高い
耐久性が高いというところも、自費診療の入れ歯の魅力です。
自費診療の入れ歯では、本体にプラスチック以外の素材を使用できるため、保険診療の入れ歯よりも薄くフィット感を高めて仕上げられます。
また金属を使用すれば耐久性も上がり、日頃入れ歯の存在をそれほど気にせずに生活できます。
劣化しにくい
自費診療の入れ歯には、劣化しにくいというメリットもあります。
自費診療の入れ歯には、保険診療の入れ歯よりも質の良い素材が使用されます。
こちらは強度をアップさせるだけでなく、汚れや変色に強くなる効果もあります。
また入れ歯に汚れがつきにくいということは、歯が残存している部分の虫歯や歯周病、口内炎などのリスクも軽減できるということでもあります。
もちろん、虫歯や歯周病などの症状に気付かないでいると、症状が重篤化してすべての歯を失ってしまうことも考えられます。
さまざまな素材から選択できる
さまざまな素材が選択でき、患者さんの希望に合わせた治療ができることも、自費診療の入れ歯のメリットです。
例えば、口を開けたときに目立ちやすい金属を避けたい方や、金属アレルギーがある方は、金属を一切使用しない入れ歯を作製できます。
さらに、患者さんの健康状態や好みに応じたカスタマイズが可能であるため、快適に使用できる可能性が高いです。
食事を楽しめる
食事を楽しめるという点も、自費診療の入れ歯の大きなメリットです。
こちらは自費診療の入れ歯が薄く、温度を感じやすいようにつくられているからです。
食事における満足度は、食べ物の味だけで決まるわけではありません。
食べ物の硬さ・やわらかさ、温度の違いなども重要な要素です。
またこれらの要素については、保険診療の分厚い入れ歯ではなかなか感じ取ることができません。
そのため、保険診療の入れ歯では、必然的に食事の満足度が低下しやすい傾向にあります。
一方、義歯床が金属でつくられた薄型の入れ歯であれば、食感は比較的感じやすくなります。
さらに熱伝導率も高いため、食べ物の熱さや冷たさを楽しめるようになります。
ちなみに義歯床に金属の薄い膜があり、なおかつ生体用シリコーンという生体親和性の高い素材が用いられたコンフォート義歯は、自由診療の入れ歯の中でも特におすすめです。
まとめ
自費診療の入れ歯では、保険診療では使用できない数々の素材を採用することが可能です。
また自費診療のため金額が高いイメージがあるかと思いますが、総入れ歯であればインプラントよりは費用を抑えられる可能性があります。
さらに、耐久性や劣化のしにくさなどのメリットもあるため、保険診療の入れ歯より長期間の使用が期待できます。