矯正治療は、歯を正しい位置へと動かす治療ですが、動かす際に痛みが伴います。
矯正治療中の痛みは、どのくらい続くのでしょうか？
また、痛みがあるときは食べられるものも限られてしまいます。
痛みが続く期間と、痛みがある時に適した食べ物を解説します。
矯正治療の痛みの原因は？
歯並びをよくしたいものの、矯正治療は痛みがあると聞いたため避けたいという人もいるでしょう。
矯正治療は一度始めると、長ければ数年間治療を続けることになるため、治療期間中ずっと痛むのではないかと不安になるかもしれません。
しかし、矯正治療で痛みがあるかどうかは人によって異なり、痛みが治療中ずっと続くわけではないのです。
矯正治療の痛みの原因は、歯を動かす際に歯を支える組織を破壊しているのが原因といわれています。
歯の位置を動かすということは、雪をかき分けるように歯茎を移動していくことになりますが、雪とは違い、歯茎には痛みがあります。
少し動かすくらいならほとんど痛みはありませんが、移動させる距離が長ければ長いほど痛みは強くなってしまうでしょう。
矯正治療で痛みが出るのは、歯を動かす矯正装置を装着してから、3～6時間ほど経過した後です。
しばらく痛みは続き、翌日から痛みは強くなるのですが、1週間ほどで痛みは治まってきます。
矯正治療の種類によって痛みの大きさは異なり、特に傷みやすいのがワイヤー矯正、痛みが少ないのがインビザラインです。
ワイヤー矯正で矯正治療をしている場合は、口内に矯正装置が当たって痛くなるケースもあるでしょう。
矯正装置が舌や頬に当たると口内炎の原因になり、口内炎が治るまでは痛みが続くかもしれません。
ワイヤー矯正による痛みは人によって異なりますが、我慢できないほど痛いときは歯科医院で相談してみましょう。
痛みが軽減されるよう、ワイヤーの締め付けを調整してもらえることがあるからです。
また、ワイヤー矯正の場合、食べ物を噛んだときに痛みが生じることもあります。
特にワイヤーを調整した後は歯が動こうとするため、痛みが発生しやすい傾向があるのです。
硬いものを噛んだときに強く痛みやすいため、ワイヤーを調整した後は1週間ほど食べるものに気をつけましょう。
ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正の方が痛みは少ないことが多いのですが、人によって痛みの感じ方は違うため、マウスピース矯正の方が痛いという人もいます。
しかし、インビザラインの場合は全ての歯に圧力を分散してかけているため、ワイヤー矯正よりも痛みを感じにくいことが多いでしょう。
痛みがあるときにおすすめの食べ物
矯正治療中は歯を動かすために圧力をかけているため、ものを噛んだ時に痛みが生じてしまいます。
しかし、噛むと痛いからといって食事をしないのは不健康です。
食べ物を噛んだ時に痛みがある場合でも、痛みが出にくい食べ物はあります。
どのような食べ物であれば、矯正治療中でも痛みを感じずに食べられるのか、主な食べ物を解説します。
まず挙げられるのが、柔らかい食べ物です。
歯にあまり力が加わらないため、痛みを感じにくいでしょう。
噛むときに力を入れる必要がなければ痛がは出にくいため、軽く噛むだけで細かくできる食べ物であれば問題なく食べられます。
柔らかい食べ物として、柔らかいパンやハンバーグ、ミートボールなどのひき肉で作った料理がおすすめです。
また、マッシュポテトやオムレツ、卵焼きなどもおすすめします。
魚や野菜などは柔らかく煮たものであれば問題ありません。
肉を食べたい場合は、圧力鍋で煮込んだものであれば食べられるかもしれませんが、いくら煮ても硬い部分が残るようならやめた方がよいでしょう。
繊維が多い食べ物はワイヤー矯正の場合に挟まることが多いため、繊維が少ない食べ物がおすすめです。
また、多少硬いものでも、あまり噛まずに食べられるようにしたものなら食べやすくなるでしょう。
なるべく噛む必要がないように、細かく刻んだりすり下ろしたりしておけば、歯に負担はかかりにくくなります。
根菜などの硬く、繊維質が多い野菜は小さく刻んでしまうか、ミキサーで野菜ジュースやスープにしてしまうのがおすすめです。
大根やリンゴなどは、すり下ろせば硬さもなくなるため、問題なく食べられます。
食べられるものが限られると栄養が偏りやすいため、栄養が偏らないように工夫をする必要があるのです。
同じ栄養分が含まれている食べ物であれば、水分量が多いものを選んだ方が噛むときに柔らかくなります。
肉類も、代わりに豆腐や豆乳であればたんぱく質も摂取でき、痛みがないまま食べられるでしょう。
痛みが強いときは、普通のご飯ではなく柔らかく煮込んだうどんやおかゆなどを食べましょう。
また、矯正治療中は口内炎になることも多いため、ビタミンB類を豊富に含むわかめや卵、ジャガイモ、バナナなどを積極的に摂取するのがおすすめです。
まとめ
矯正治療は痛みがあるからと治療をためらっている人もいますが、治療中ずっと痛みがあるわけではなく、主に最初の1週間前後だけ痛みがあります。
特にワイヤー矯正は痛むことが多いのですが、マウスピース矯正、特にインビザラインであれば痛みは少ないでしょう。
矯正治療中に痛みがある時は、柔らかいものや細かく刻んだものなど、歯にあまり負担がかからないものを食べるようにしましょう。
