歯科クリニックの自費診療におけるメリットと言えば、治療の選択肢が多いことや、審美性を重視した治療が受けられることなどがあります。
また近年はこれら以外にも、さまざまな理由によって自費診療に人気が集まっています。
今回は、自費診療が注目されている意外な背景について解説します。
自費診療が注目されている意外な背景5選
歯科クリニックの自費診療は、以下のような意外な背景からも人気を集めています。
・高度な治療
・コストパフォーマンスの良さ
・充実したアフターケア
・予防歯科との連携
・多忙な現代人との相性
各項目について詳しく説明します。
高度な治療
歯科クリニックの自費診療では、保険診療と比べて専門性の高い高度な治療が受けられます。
具体的には、経験豊富な歯科医師によってカスタマイズされた治療計画により、患者さんのニーズに応じた最適な治療が提供されるのがメリットです。
例えば、インプラント治療であれば、専門医の技術によって成功率がアップします。
歯科クリニックに通う患者さんの中には、治療の安全性や成否に不安を抱く方も多いため、このような高度な治療が人気を集めています。
コストパフォーマンスの良さ
多くの患者さんが自費診療に対し抱いているイメージとして、“費用が高額になる”ということが挙げられます。
確かに自費診療は保険適用外であるため、保険診療よりは費用が高くなりがちです。
しかし長期的なコストパフォーマンスという意味では、決して低いわけではなく、むしろ高水準だと言えます。
例えば、虫歯治療を行った際に装着する詰め物や被せ物について、自費診療ではセラミックが採用されることがあります。
セラミックは審美性が高いだけでなく、銀歯よりも汚れがつきにくく、状態を長い間維持できます。
つまり保険診療の銀歯などと比べて、コストパフォーマンスは良いということです。
また失った歯を補う治療としては、保険診療の入れ歯やブリッジの寿命が5~15年なのに対し、自費診療のインプラントは長ければ20年以上持つこともあります。
充実したアフターケア
自費診療が注目されている背景としては、充実したアフターケアも欠かせません。
自費診療では、アフターケアも治療内容と同じくカスタマイズされているケースが多く、患者さんの需要に応じたきめ細やかなサポートが実施されます。
前述したセラミックやインプラントについては、治療が完了した後でもその状態を維持するために、定期的なメンテナンスを行ってくれます。
また自費診療には保証がついていることも多く、たとえ高額な治療費がかかったとしても、治療後のトラブルについては一切費用を負担せずに受けられる可能性があります。
このような充実したアフターケアがあることを考えても、先ほど解説したコストパフォーマンスの良さは明確です。
予防歯科との連携
歯科検診の義務化が一時話題になりましたが、近年は予防歯科に対する意識が高まりつつあります。
歯科クリニックの自費診療は、予防歯科との連携も意識されていることから、注目を集めています。
保険診療の場合、治療を中心に行われることが多く、そこまで予防歯科との関連性は高くありません。
こちらは使用できる素材が限られることや、複数の患者さんに平等な治療を提供しなければいけないことなどが理由です。
一方、自費診療は多くの素材を使用できますし、一人の患者さんの治療にかける時間も確保しやすいです。
このことから、単なる治療ではなく、予防歯科としての役割も果たすことができます。
多忙な現代人との相性
自費診療が注目されている背景には、多忙な現代人との相性が良いことも挙げられます。
具体的には、短期間で集中して治療を受けられるという点です。
現代人は仕事量が多く、どの業種でも慢性的な人手不足が叫ばれています。
このことから、日本は世界的に見ても、まだまだワークライフバランスが確立されていません。
ワークライフバランスとは、仕事と生活を調和させ、両者で好循環を生み出している状態をいいます。
このような多忙な現代人は、歯科クリニックでの定期検診はおろか、歯科治療にさえ通わない傾向が強いです。
過去に行われた調査では、治療しなければいけない状態だとわかっていながら、治療を放置している患者さんの割合が、全体の1/3を超えるというデータも発表されています。
また保険診療の場合、治療の制限から複数回に分けて何度も治療しなければいけないため、多忙な方との相性は良くありません。
一方自費診療の場合、わずかな合間を縫って短期間で必要な治療を受けられるため、選択する方も増えています。
まとめ
自費診療には魅力的な治療が多く、多角的に歯科治療の完成度を高めていることから、近年は選ばれる機会が増えています。
また今後さらに自費診療が普遍的なものとなれば、費用の負担が気になる患者さんでも気軽に選択できるようになる可能性があります。
もちろん自費診療を選ぶ際には、前もって保険診療についても理解しておき、双方を比較することが大切です。