入れ歯を使用するにあたっては、日々のメンテナンスが必要不可欠です。
またここでいうメンテナンスには、ブラッシングだけでなく浸け置き洗いも含まれます。
浸け置き洗いは、洗浄剤を溶かした水に入れ歯を浸し、洗浄や保管をするというものです。
今回は、入れ歯の浸け置き洗いにおける主なポイントを解説します。
入れ歯の浸け置き洗いにおけるポイント7選
夜間入れ歯を取り外し、浸け置き洗いを行う際は、以下のポイントを押さえておくべきです。
・浸け置き時間を守る
・水もしくはぬるま湯を使用する
・浸け置き後のすすぎを徹底する
・洗浄液はその都度交換する
・温度変化の少ない場所で保管する
・子どもの手の届かないところで保管する
・平らな場所で保管する
各項目について詳しく説明します。
浸け置き時間を守る
入れ歯の浸け置き洗いをする際は、必ず専用の洗浄液を使用します。
またこのとき注意したいのが、使用する商品によって、パッケージに記載された浸け置き時間が異なるということです。
浸け置き時間が短すぎると、十分な効果を得られず、入れ歯の汚れをしっかり除去できません。
逆に浸け置き時間が長すぎると、入れ歯への負担が増加し、劣化や着色を引き起こす原因になります。
そのため、パッケージをしっかり確認した上で使用しましょう。
水もしくはぬるま湯を使用する
入れ歯洗浄剤で付け置き洗いをする際は、水またはぬるま湯を使用しなければいけません。
熱湯を使用すると、入れ歯に不具合が生じます。
入れ歯は主に、レジンと呼ばれるプラスチックでできています。
レジンは高温に弱く、熱湯に浸すと変形するおそれがあります。
また変形した入れ歯を使い続けると、噛み合わせの悪化や痛み、違和感などさらなる問題にもつながります。
浸け置き後のすすぎを徹底する
付け置き洗いを行った後の入れ歯は、そのまま装着できるわけではありません。
浸け置き前と同じように、丁寧にすすぐ必要があります。
すすぎを怠ると、洗浄剤の成分が入れ歯に残ってしまい、口内に刺激や炎症を引き起こすことがあります。
特に抗菌成分が残った場合、口腔粘膜に影響することも考えられます。
ちなみにすすぎ方については、水もしくはぬるま湯で1~2分程度、入れ歯全体を洗い流せばOKです。
洗浄液はその都度交換する
入れ歯洗浄剤が入った洗浄液は、何度も繰り返し使用してはいけません。
なぜなら、洗浄液には雑菌が繁殖しているからです。
つまり毎日入れ歯のメンテナンスを行っていても、洗浄液が不潔だと入れ歯自体も不潔になってしまうということです。
そのため同じ洗浄液の使用については、最大でも1晩までを目安にしてください。
温度変化の少ない場所で保管する
入れ歯洗浄剤で付け置き洗いをする場合、洗浄液はコップに入れるケースが多いです。
こちらのコップについては、なるべく室内における温度変化の少ない場所で保管するようにしましょう。
温度変化が大きいと、入れ歯が変形してしまう原因になります。
また入れ歯を付け置き洗いする場所と聞いて、洗面所をイメージする方も多いかと思いますが、洗面所の温度変化が大きい場合は別の場所に移動させなければいけません。
このような場合は、就寝時に目の届くところ、例えば寝室などに保管することをおすすめします。
子どもの手の届かないところで保管する
子どものいる家庭では、入れ歯を浸け置き洗いするとき、保管する場所により気を付けなければいけません。
なぜなら子どもの手の届くところに置いてしまうと、入れ歯が破損したり、子どもが誤飲してしまったりするリスクが高まるからです。
洗面台が子どもの手の届かない高さである場合は構いませんが、洗面台が低めの場合は棚の上などに移動させましょう。
ちなみに子どもがいない世帯でも、ペットを飼っている場合は保管場所に注意すべきです。
扉付きの戸棚などに保管しておけば、ペットが誤ってコップを倒してしまうリスクなどを防げます。
平らな場所で保管する
入れ歯の浸け置き洗いをする際、コップはなるべく平らな場所で保管することも大切です。
不安定な場所に置いていると、コップが倒れて洗浄液がこぼれてしまい、十分に洗浄できなくなってしまいます。
また平らな場所であっても、高すぎる場所はNGです。
入れ歯は朝起きてすぐ洗浄するケースも多く、高すぎる位置から取り出したときに落下すると破損するおそれがあります。
ちなみにどうしても高い場所に置かなければいけない場合は、コップで衝撃を吸収できるように、プラスチック製ものなどを使用することをおすすめします。
まとめ
浸け置き洗いを行い、浮かび上がった汚れを丁寧にブラッシングすることで、ようやく入れ歯をキレイな状態で使用できます。
また常にこのような状態で使用していなければ、入れ歯の変色は起こりやすくなりますし、残ったプラークが固まって歯石を付着させてしまうこともあります。
歯石が付着した入れ歯は、作製直後と噛み合わせが変わってしまうため、そのまま使用し続けることはできません。