【広島市中区宝町の歯医者・審美歯科】CAD/CAM冠を装着する場合の注意点について

審美歯科と聞くと、自由診療のセラミックやジルコニアのインレー、クラウンを想像する方も多いかと思いますが、実際には保険診療のものもあります。

また保険診療の補綴物として、代表的なものの一つにCAD/CAM冠が挙げられますが、こちらを装着する場合はいくつか注意することがあります。

今回はこちらの内容について解説します。

目次

CAD/CAM冠の概要

CAD/CAM冠は、歯科用のコンピューター支援設計・製造ユニット装置を用いて製作された補綴物です。

ハイブリッドレジンと呼ばれる、白色の歯科用掘削加工用レジン材料のブロックから削り出して作製します。

セラミックのように、天然歯に近い透明感があるわけではありませんが、保険診療で白い歯を手に入れられるものとして注目されています。

また治療費に関しても、セラミックやジルコニアといった自由診療のものと比べるとリーズナブルです。

CAD/CAM冠を装着する場合の注意点6選

保険診療の補綴物の中では優れた特徴を持つCAD/CAM冠ですが、こちらには以下のような注意点があります。

・耐久性が低い
・劣化しやすい
・汚れがつきやすい
・治療を受けられる歯科クリニックが少ない
・銀歯より費用が高い
・銀歯より歯を削る

各項目について詳しく説明します。

耐久性が低い

CAD/CAM冠は、セラミックなど自由診療の補綴物と比べて、あまり耐久性が高くありません。

こちらはハイブリッドレジンを加工して作製していることが原因です。

また耐久性が低いことから、硬いものを食べてしまったり、歯ぎしりや食いしばりがあったりする場合は割れるリスクもあります。

さらに強い力が加わることで歪んでしまい、口内で違和感を覚えることも考えられます。

ちなみに破損やズレなどで合わなくなったCAD/CAM冠は、基本的にそのまま使い続けることができず、歯科クリニックで修正してもらう必要があります。

劣化しやすい

劣化のしやすさも、CAD/CAM冠を装着する場合の注意点です。

自由診療のセラミックなどとは違い、CAD/CAM冠では色調の劣化が早く出ます。

つまり最初は白いものの、早めに黄色みを帯びてしまうということです。

またCAD/CAM冠を作製する際は、歯科医師と患者さんが話し合って色調を決定しますが、このとき選択できる色調は5色程度しかありません。

そのため、患者さんの理想とする色に近づけるかどうかは微妙なところです。

汚れがつきやすい

自由診療の材料と比べて汚れがつきやすいという点も、CAD/CAM冠における注意点の一つです。

こちらは表面にキズがつきやすいことが理由です。

セラミックの場合、材質が硬いため簡単に表面が傷つくことはありません。

一方、CAD/CAM冠は自由診療の材料よりもやわらかいため、食事やブラッシングなどのきっかけでキズがついてしまう可能性が高いです。

またキズがつきやすいということは、表面に凹凸が見られやすいということであり、こちらの凹凸には食べカスやプラークが蓄積されます。

その結果、見た目は悪くなり、二次虫歯のリスクを高めてしまうことにもつながります。

治療を受けられる歯科クリニックが少ない

CAD/CAM冠は、保険診療で受けられる白い補綴物として有名ですが、治療を受けられる歯科クリニックは決して多いとは言えません。

なぜなら、治療を行うには専用の機器が必要になるからです。

そのため、患者さんが住んでいるエリアなどによっては、CAD/CAM冠を取り扱っている歯科クリニックを探すのに苦労する可能性があります。

またどこでも取り扱っている施術とは違い、歯科クリニックごとの違いを比較するのも難しいです。

費用については、保険診療であることからどの歯科クリニックで治療を受けても同じですが、技術や評判などを比較できないことはデメリットです。

銀歯より費用が高い

保険が適用されることにより、セラミックやジルコニアと比べて費用を節約できるのがCAD/CAM冠の良さの一つです。

しかし同じく保険診療の補綴物である銀歯と比べると、やはり多少は治療費が高くなります。

具体的には3割負担の場合、銀歯が1本につき3,500円前後であるのに対し、CAD/CAM冠は6,000円前後かかるケースが多いです。

もちろんこちらは1本にかかる費用であるため、複数本を治療する場合、保険診療でも数万円単位の費用がかかる可能性があります。

そのため、患者さんの口内状況によっては、ある程度費用の負担が大きくなることを考えておきましょう。

銀歯より歯を削る

CAD/CAM冠を装着する場合、銀歯よりも多く歯を削らなければいけません。

こちらは金属の銀歯と比べて耐久性が低く、その分厚みを出さなければいけないからです。

また歯を深く削りすぎると、健康な天然歯の耐久性が下がったり、神経を刺激して痛みが出たりといったリスクも生じます。

まとめ

「銀歯は避けたいけど、セラミックやジルコニアを選ぶお金はない…」

CAD/CAM冠は、まさにこのような悩みを持つ方にはピッタリの補綴物です。

ただし、セラミックやジルコニアほどの審美性や機能性を手に入れられるかというと、決してそういうわけではありません。

また費用や治療時のリスクについては、銀歯よりも劣っている部分があるため、装着するかどうかは慎重に決定してください。

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