ラミネートベニアは、変色した歯や形、位置が不正な歯の見た目を改善する治療です。
具体的には専用の接着剤を使用し、歯の表面にセラミックでできたチップを貼り付けるものですが、こちらは絶対に外れないとは限りません。
今回は、ラミネートベニアが外れないようにするための食事におけるポイントを解説します。
ラミネートベニアが外れやすくなる理由
適切なメンテナンスさえできていれば、ラミネートベニアは装着から10~20年ほど使用し続けることができます。
しかしラミネートベニアの接着剤は、適切な処理の上使用しなければ、劣化が早まるおそれがあります。
また稀なケースですが、施術の際にしっかりと歯の表面をブラッシングできていないなど、接着力が弱まる原因があると、治療後すぐに外れることもあります。
そのため、ラミネートベニアを装着した状態で食事を摂る際は、なるべく外れないことを意識しなければいけません。
ラミネートベニアでの食事のポイント4選
ラミネートベニアでの食事のポイントとしては、主に以下のことが挙げられます。
・硬い食べ物を避ける
・前歯でかじり取る食べ物を避ける
・粘着性のある食べ物を避ける
・奥歯ですり潰す
各項目について詳しく説明します。
硬い食べ物を避ける
ラミネートベニアが剥がれるリスクを下げるには、まず硬い食べ物をなるべく避けることが大切です。
もちろん硬いものが食べられないというわけではありませんが、頻繁に食べすぎるとチップの寿命が短くなってしまうおそれがあります。
またここでいう硬い食べ物とは、硬度のあるものだけでなく、弾力性の強いものも含まれています。
つまりよく噛まなければ飲み込めないもの全般を指しているということです。
例えば煎餅や乾パン、タコやイカ、硬い肉やフランスパンなどは食べすぎないように注意しましょう。
前歯でかじり取る食べ物を避ける
ラミネートベニアが外れるのを防ぐためには、食事を摂る際、前歯でかじり取らなければいけないものをなるべく避けましょう。
審美歯科治療として提供されるラミネートベニアの適用部位は、もっとも外から見たとき目立ちやすい前歯です。
そのため、前歯でかじり取るようにものを食べると、チップにダメージが蓄積してしまいます。
また前歯でかじり取る食べ物としては、具体的にはリンゴやトウモロコシ、丸ごとのキュウリやトマトなどが挙げられます。
ちなみに、サンドイッチの耳や海苔で包んだおにぎりなど、やわらかくても前歯でかじり取らなければいけないものはあるため、注意してください。
粘着性のある食べ物を避ける
粘着性のある食べ物をなるべく避けることも、ラミネートベニアで食事を摂る場合のポイントです。
ラミネートベニアの寿命は10~20年以上ですが、接着剤の劣化は施術から数年後には始まります。
そのため、ある程度装着した後は、歯にくっつきやすいものを積極的に摂らないようにするのが無難です。
前歯で噛んだ拍子に、チップが引っ張られて外れる可能性があります。
また粘着性のある食べ物としては、キャラメルやガム、グミやキャラメル、ドライフルーツや水あめなどが挙げられます。
これらはラミネートベニアだけでなく、保険診療の一般的な詰め物が外れる原因にもなります。
奥歯ですり潰す
ラミネートベニアを装着した状態で食事を摂る場合、食べ物は奥歯ですり潰すことを意識してください。
前歯は本来、食べ物を噛みちぎる役割を持つ歯です。
一方奥歯は、前歯で噛みちぎったものをすり潰す役割があります。
しかし奥歯の噛み合わせが悪かったり、奥歯に虫歯があったりする方は、無意識に前歯で噛みちぎる・すり潰すという両方の作業を行っていることがあります。
このような状況が続くと、本来奥歯にかかるはずの負担までが前歯に蓄積され、当然ラミネートベニアが外れる可能性は高くなります。
ラミネートベニア外れたらどうする?
食事をしていて、急にラミネートベニアが外れてしまった場合は、外れたチップを持参して歯科クリニックを受診しましょう。
チップに著しい劣化がなければ、再装着ができる可能性があります。
また再装着の場合、一からつくり直す必要がないため、治療時間は短くなる上に費用もある程度節約できます。
ただし、外れたラミネートベニアが破損している場合、そのまま再装着することはできません。
さらに以前より歯茎が下がってしまい、チップのサイズが合わない場合なども、一からつくり直す必要があります。
ちなみにラミネートベニアが外れた状態で長時間過ごすと、削った歯を保護せずに過ごすことになるため、外れた後はなるべく早く受診しなければいけません。
まとめ
審美歯科治療でキレイな歯を手に入れた方は、誰もがその審美性の高さを維持したいと考えるでしょう。
しかし天然歯ですら永遠に状態を維持するのは難しいわけですから、当然人工歯をキレイに使い続けるのは至難の業です。
とはいえ、今回解説したように、食事の工夫をすることで外れるリスクを下げたり、寿命をできるだけ延ばしたりすることはできます。