普段、趣味で野球やサッカーといったスポーツに興じているという方は少なくないでしょう。
また、中には健康のために意識して身体を動かしている方もいるかと思います。
しかし、スポーツは虫歯のリスクを高めることがあるため、注意が必要です。
今回は、なぜスポーツをする方は虫歯になりやすいのかについて解説します。
スポーツをする方が虫歯になりやすい理由6選
スポーツは健康維持に大きなメリットをもたらしますが、以下の理由で虫歯のリスクが高まりやすいです。
・口内が乾く
・汗をかく
・スポーツドリンクを飲む
・糖分を摂りがちになる
・歯を食いしばる
・治療が後回しになりやすい
各項目について詳しく説明します。
口内が乾く
日頃頻繁にスポーツを行う方は、激しく身体を動かすことになります。
また身体を動かしている最中は、普段よりも口呼吸をする機会が多くなり、唾液の量が減少します。
こちらが虫歯を発症しやすい理由です。
唾液は単純に口内に存在するだけでなく、分泌されることで食べカスやプラークを洗い流したり、殺菌したりしてくれる効果があります。
つまり唾液の分泌量が減少すれば、プラークが残りやすく、菌の動きも活発になるということです。
プラークは、虫歯を発症させる直接的な原因になるものですから、当然少しでも口内に滞在する時間は短くすることが望ましいです。
ちなみにプラークが石化すると歯石になり、さらに虫歯のリスクを高めるほか、歯周病も発症しやすくなります。
汗をかく
スポーツをする方は、汗をかきやすいことによって虫歯のリスクも高まります。
激しく身体を動かすと汗をかきますが、こちらは全身の水分が失われていくことを意味しています。
また汗として身体から水分が放出されると、唾液として分泌される水分量が不足し、口呼吸と同じように口内が乾きやすくなります。
ちなみに、少し身体を動かす程度であれば、季節などによってはそこまで汗をかかないこともあります。
しかし、常に走り回っているサッカーやバスケットボールなどのスポーツは、季節や屋内・屋外問わず汗をかきやすいです。
スポーツドリンクを飲む
普段スポーツに興じている方は、練習や試合の合間にスポーツドリンクを飲むことも多いです。
こちらも、虫歯につながりやすい理由の一つです。
スポーツドリンクは、名前の通りスポーツをするときに摂取するとメリットの大きい飲みのものです。
単純に発汗によって失われた水分を補給できますし、電解質の補給や疲労回復、熱中症対策といった役割もあります。
しかし、スポーツドリンクは糖分が多く含まれる飲み物です。
そのため、頻繁に摂取すると、糖をエサとする虫歯菌が歯を溶かしてしまいます。
糖分を摂りがちになる
先ほどのスポーツドリンクにも言えることですが、スポーツをする方は糖分を摂りがちになります。
身体は疲れていると、自然と甘いものを欲しやすくなります。
またスポーツ前やスポーツ後に糖分を補給することで、筋肉を回復させたり、血糖を維持したりできます。
しかし、ケーキやチョコレートなどの甘いものは、虫歯を引き起こす代表的なお菓子です。
いくら運動をするからといって、これらのものを頻繁に食べていると、虫歯はなかなか避けられません。
歯を食いしばる
スポーツをする際は、力を入れて走ったりジャンプしたり、ボールを投げたりといった動作を行います。
このとき、歯を食いしばるケースが多いですが、食いしばりも虫歯につながりやすいため注意が必要です。
食いしばりは、歯のひび割れや欠損につながることがあります。
このようなダメージを受けた歯は、虫歯菌が侵食しやすく、虫歯を発症する可能性が高くなります。
また歯が割れたり、そこから虫歯になってしまったりした歯は、他の天然歯に比べて非常に脆いです。
そのため、スポーツのときに食いしばることができず、力が入らなくなってパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。
ちなみにスポーツ用のマウスピースを装着していれば、ある程度歯が食いしばりのダメージを受けるのを防げます。
治療が後回しになりやすい
本格的にスポーツをしている方は、練習の時間が忙しく、なかなか歯科クリニックに通えないことがあります。
そのため、定期検診もなかなか受けられず、初期の虫歯を見逃してしまうことが考えられます。
またスポーツをメインに生活している方は、オフの日に休養を優先して過ごす可能性が高いです。
このことから、わざわざ休みの日に歯科クリニックに行くという発想を持ちにくくなります。
もちろんすでに虫歯を発症している場合、スポーツが理由で来院が遅れると、重度の虫歯にまで進行するおそれがあります。
まとめ
スポーツは非常に健康的なものであり、本来は実施するメリットの方が圧倒的に大きいです。
しかし、虫歯予防という観点でいうと、注意しなければいけない点は多くあります。
そのため、スポーツの最中はこまめに水分補給をすることを忘れないようにしましょう。
またスポーツが生活の中心になるのは悪いことではありませんが、それによって食生活や生活習慣が乱れないように注意が必要です。
