歯周病には、発症の確率を高めるリスクファクターと呼ばれる要因が存在します。
例えば不衛生な口内や唾液の分泌量の減少、喫煙や全身疾患などが該当します。
また日々の生活におけるストレスも、歯周病のリスクファクターの一つです。
今回は、ストレスの主な原因を中心に解説します。
ストレスと歯周病の関係
ストレスが溜まっている状態が慢性化すると、身体の免疫機能が低下します。
そのため、歯周病菌に対する力が弱まり、歯周病を発症しやすくなります。
また歯ぎしりや食いしばりといった行動も、ストレスによって引き起こされることがあります。
こういった行動は歯や歯茎に負担をかけ、歯周病を進行させる可能性があります。
さらにストレスが交感神経を優位にさせると、唾液の分泌量が減少します。
唾液には歯周病菌に対する免疫物質が含まれているため、分泌量が減少すると、歯周病菌が増殖しやすくなります。
ストレスの主な原因6選
ストレスが溜まる原因はさまざまですが、代表的なものには以下のことが挙げられます。
・仕事
・金銭面
・人間関係
・家事、育児
・家族との問題
・通勤、通学
各項目について詳しく説明します。
仕事
歯周病のリスクファクターであるストレスが溜まる原因としては、まず仕事が挙げられます。
仕事は体力的にも精神的にも辛いものですが、生きていくにあたっては継続しなければいけません。
そのため、我慢し続けることによってストレスが溜まるというケースは良くあります。
例えば仕事量が多いことや、仕事量と給料が見合っていないこと、休息の時間が足りないことなどがストレスを引き起こします。
仕事のストレスは、時に身体を壊してしまうほど重いものであるため、あまりに労働環境が過酷な場合は転職も検討すべきです。
金銭面
歯周病につながるストレスの原因としては、金銭面のことも挙げられます。
例えば給料が少ない場合、生活レベルが低くなってしまうため、あらゆる制限が出ます。
最低限のものしか購入できないような状況が続くと、ストレスが溜まって歯周病のリスクも高まります。
またなかなかお金が貯まらない場合も、将来に不安を感じ、ストレスを抱きやすくなります。
特に子どもがいる世帯の場合、どれだけ切り詰めても貯金ができないケースがよく見られます。
お金は日々生きていくにあたって必要不可欠なものであり、懐が暖かければ精神的にも安定するものです。
逆にお金に余裕がないと、精神面にも問題が出やすくなります。
人間関係
人間関係も、代表的なストレスの原因です。
例えば職場においては、苦手な上司や同僚がいたり、パワハラやセクハラなどを受けていたりすることがストレスにつながります。
また人間関係について悩むのは、職場だけではありません。
近隣住民や病院の医師、保育園や学校の先生、保険会社の担当者など、日々関わらなければいけない人物は多く存在します。
これらの方々との関係性がうまく構築できない場合、ストレスが溜まって歯周病を発症しやすくなります。
ちなみに人間関係は問題なかったとしても、人と関わらなければいけないこと自体にストレスを感じる方もいます。
家事、育児
家事や育児についても、ストレスが溜まる場面は非常に多いです。
家事は仕事とは違い、どれだけ行っても給料が発生しません。
そのため、多忙な方にとっては非常に大きなストレスになります。
また育児についても、子どもが夜泣きをしたとき、言うことを聞かなかったときなどには強いストレスを感じます。
どれだけ子どもが好きな方であっても、一切ストレスなく育て上げることは不可能です。
ちなみに、妊娠中の方はホルモンバランスの変化により、歯周病を発症するリスクが高まります。
このことから、出産や今後の育児などに不安を感じていると、ストレスが溜まってより歯周病を発症しやすくなります。
家族との問題
家族との問題が発生している方も、ストレスが歯周病を引き越しやすくなります。
ここでいう家族との問題とは、夫婦で言えば夫婦喧嘩、親子で言えば親子喧嘩を指しています。
また家族の行動が気に入らないものの、なかなか指摘できず、モヤモヤしてストレスが溜まるというパターンもあります。
通勤、通学
ストレスが溜まる日々の習慣としては、通勤や通学も挙げられます。
特に電車やバスなどの公共交通機関を利用している方は、ストレスが強くなることが予想されます。
朝の通勤・通学の時間帯は、公共交通機関が混み合います。
そのため、乗車するだけでストレスを感じてしまいます。
またこのような通勤・通学は体力も消耗するため、職場や学校に通うのが億劫になることも考えられます。
まとめ
ストレスを一切感じず、日々を過ごすことは不可能です。
どれだけ環境に恵まれた方であっても、何かしらのストレスを抱えているものです。
それでも、なるべくストレスが溜まらないように工夫することはできます。
またストレスの軽減は歯周病のリスク低減にもつながるため、何事も深く考えすぎないように生きていくことをおすすめします。