日本人のおよそ8割は、歯周病に罹患していると言われています。
海外諸国と比べるとこちらはかなり高い割合であり、いまだに歯周病患者の方が減少する傾向は見られません。
では、日本人が歯周病を発症しやすいのはなぜなのでしょうか?
今回はこちらの点について解説します。
日本人が歯周病を発症しやすい理由6選
日本人のほとんどが歯周病を発症している理由としては、主に以下のことが挙げられます。
・仕事が忙しい
・定期検診に通う人が少ない
・同調圧力が強い
・ストレスが溜まりやすい
・甘いものを好む
・喫煙者が多い
各項目について詳しく説明します。
仕事が忙しい
日本人は海外諸国の方に比べて、日々忙しく働いているケースが多いです。
働き方改革の影響により、日本も労働環境が見直されるケースが増えてきています。
しかし、海外諸国に比べると、まだ簡単に休暇を取れない状況が続いています。
また育児休暇などの制度についても、そこまで多くの企業で整備されているとは言えません。
このような状況から、口内ケアよりも仕事や休息を優先してしまう方が多くなっています。
例えば夜遅く帰ってきたとき、ブラッシングをせずにそのまま寝てしまうといったことが該当します。
歯周病はプラークが原因で発症するものであるため、毎日ブラッシングによって丁寧に除去しなければ防げません。
そのため、どれだけ仕事が忙しかったとしても、せめて就寝前のブラッシングだけは欠かさないようにしましょう。
定期検診に通う人が少ない
日本人の中には、歯科クリニックでの定期検診に通う人が少ないです。
こちらも歯周病を発症しやすい理由の一つです。
海外諸国には、スウェーデンなど予防歯科への意識が高い国が数多くあります。
またこれらの国では、定期検診のために歯科クリニックを訪れるという習慣が当たり前になっています。
一方、日本人が歯科クリニックを訪れる理由は、いまだに治療がメインです。
つまり定期検診で歯周病を防ぐのではなく、すでに発症してしまった歯周病を治療する方がほとんどだということです。
歯周病は自覚症状が少ないため、患者さん自身で早期に発見することは非常に難しいです。
定期検診を受ければ、初期段階で過剰なプラークや歯石、歯茎の異変などを見つけられる可能性があるため、定期的に通うことが大切です。
同調圧力が強い
日本人には海外諸国の方に比べて、同調圧力が強いという性質があります。
こちらは古くから島国で農耕民族、村社会で生きてきたことが理由です。
同調圧力は、周囲と行動や考え方を合わせ、足並みを揃えて似たような行動を取ることです。
先ほども触れたように、日本人は普段歯科クリニックで定期検診をあまり受けません。
また歯周病に関する話題が出ることも少ないです。
このように、周りの歯周病予防に関する意識が低いことにより、「じゃあ自分もしなくていい」と考えるケースが多くなります。
周りが定期検診を受けていないからといって、自身も大丈夫とは限りません。
ストレスが溜まりやすい
日本はストレス大国と言われていて、こちらも歯周病の発症率の高さと関係しています。
先ほども触れたように、日本は世界的に見ても労働時間が長く、競争社会でもあります。
このような過度な労働と競争環境は、多くの方がストレスを感じる要因となっています。
またストレスが溜まると免疫力が低下し、歯周病菌に対する抵抗力が弱まります。
そのため、現在の勤務先があまりにも劣悪な労働環境だという場合、歯周病予防のためにも転職を考えた方が良いかもしれません。
甘いものを好む
現代における日本の食文化は、あらゆる国のものが混ざって形成されています。
こちらはお菓子にも言えることであり、日本にいながらにして世界中の甘いものを食べられます。
また日本のお菓子はクオリティが高く、海外で絶賛されるケースも珍しくありません。
このような環境であることから、日本人の多くは甘いものを好んでいて、それが歯周病の増加につながっている側面もあると言えます。
甘いお菓子に含まれる糖分は、プラークが増殖するためのエサになります。
そのため、口にする頻度が多ければ多いほど、歯周病を発症しやすくなります。
喫煙者が多い
海外では、喫煙に対する規制が日本よりも厳しい傾向にあり、屋内全面禁煙や喫煙場所の制限などが進んでいます。
日本でも同じような取り組みは実施されていますが、それでも他国と比べるとまだまだ喫煙者は多いです。
また日本人は喫煙者が多いことにより、歯周病も発症しやすくなっています。
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、歯茎の血流を悪化させたり、免疫力を低下させたりします。
まとめ
日本人が歯周病を発症しやすいのには、しっかりとした根拠があります。
まず改善したいのは、歯周病予防の意識が低いという点です。
しっかりブラッシングや定期検診により、発症しにくい口内環境をつくらなければいけません。
またストレスや糖分、喫煙といった歯周病のリスクファクターについても、できる限り排除すべきです。