虫歯があるにもかかわらず、治療を受けずに放置している方は少なくありません。
またこのような方は、日々痛みと戦わなければいけなかったり、食事をうまく摂れなかったりします。
さらに、意外な形で悪影響を及ぼす可能性もあります。
今回は、虫歯が引き起こす日常生活への意外な影響を解説します。
虫歯が引き起こす日常生活への意外な影響6選
歯が痛むということは、ある程度虫歯が進行していることを表しています。
またこのような状況を放置すると、以下のような日常生活への影響が出る可能性があります。
・顎関節症
・印象の悪化
・治療費の高額化
・頭痛
・肩こり
・めまい
各項目について詳しく説明します。
顎関節症
虫歯を治療せずそのままにしていると、顎関節症を発症することがあります。
こちらは噛み合わせの悪化が原因です。
虫歯がある程度進行すると、歯に穴が開きます。
さらに重度にまで進行した場合、大部分が溶かされてしまい、原型がなくなることも考えられます。
ここまで虫歯が悪化すると、天然歯が本来の形を保っていた頃とはだいぶ違う歯並びになります。
その結果、噛み合わせが悪くなって顎への負担が増加し、顎関節症を引き起こします。
ちなみに顎関節症を発症すると、口の開閉が困難になったり、開閉するたびに異音がしたりといった症状に悩まされます。
もちろん顎関節症になった場合は、虫歯治療だけでなく顎関節症の治療も別に受けなければいけません。
印象の悪化
虫歯が引き起こす日常生活への意外な影響としては、印象の悪化も挙げられます。
虫歯が進行すると、歯が欠損してしまう可能性があります。
こちらは前述の通り、噛み合わせを悪化させる原因になるほか、顔の輪郭を崩壊させる原因にもなりかねません。
さらに虫歯が進行している方は、噛み合わせが崩れることで口元がたるむこともあります。
このような状況に陥ると、顔全体の見た目が悪くなり、相手に与える印象も悪くなってしまうことが考えられます。
特に虫歯で歯が黒くなった部分が見えていたり、何本も歯を失っていたりする場合、“だらしない”、“不潔”といった印象を与えがちです。
治療費の高額化
治療費の高額化も、虫歯が引き起こす日常生活への意外な影響だと言えます。
虫歯治療は遅れれば遅れるほど、治療費が高くなります。
なぜなら、重症化した虫歯を治療するには、根管治療などの大掛かりな治療を行わなければいけないからです。
一方、初期段階の虫歯であれば、ほとんど治療費がかからないこともあります。
特にまだ歯に穴が開いていない場合、簡単な検査やブラッシング指導だけで終わることもあるため、治療費が安いだけでなく拘束時間も短いです。
ちなみに虫歯が悪化して抜歯せざるを得なくなった場合、さらに費用は高額化します。
失った歯はもう二度と生えてこないため、入れ歯やブリッジ、インプラントといった治療でカバーしなければいけません。
頭痛
虫歯がある程度進行すると、頭痛が生じることがあります。
虫歯の痛みは放置するほど強くなり、重度にまでなると細菌が歯の神経に到達して激痛を生じさせます。
またこのようなケースでは、痛みが出ている方の歯をかばうように食事を摂ることになります。
すると噛み合わせが悪くなり、片方の首や肩への負担が強くなります。
その結果、緊張性頭痛と呼ばれる頭痛を引き起こすことがあります。
日常生活において常に頭痛が生じているような状態だと、仕事や学業には集中できませんし、睡眠の質も著しく低下してしまうことが考えられます。
肩こり
肩こりについても、虫歯が原因で生じる頭痛と仕組みはほとんど同じです。
虫歯が痛む場合、無意識に片側だけで噛む機会が増え、噛み合わせがずれて姿勢が歪みます。
その結果、首や肩の筋肉に緊張が生じ、肩こりを引き起こします。
また虫歯によって口内に生じた炎症が、顎周りの筋肉や神経に影響を与え、肩こりにつながることもあります。
ちなみに肩こりには腕や手のしびれ、自然治癒力の低下、自律神経失調症といったさまざまなリスクが存在します。
めまい
めまいも、虫歯が引き起こす日常生活への意外な影響の一つです。
虫歯が悪化すると、虫歯菌に歯が侵食され、通常よりも歯のサイズが小さくなることがあります。
また歯のサイズが小さくなると、噛み合わせは必然的に悪くなり、食事の際には側頭骨にも歪みが伝わります。
その結果、めまいが引き起こされることが考えられます。
ちなみに虫歯から来るめまいを放置していると、耳鳴りや聴力の低下、難聴といった耳の異常が出てくる可能性もあるため、注意が必要です。
まとめ
虫歯を発症しているのに放置している方の中には、「痛みを我慢すれば良い」と安直に考えている方もいるかもしれません。
しかし、虫歯は痛み以外にもさまざまな悪影響を及ぼすものです。
そのため、わずかにでも歯の異常を感じた場合は、歯科クリニックに相談すべきです。
もっと言えば異常がまったくなかったとしても、定期検診に通って口内の状態をチェックしてもらわなければいけません。