虫歯治療を受ける際は、しっかり事前に予約をし、あらかじめ口内をキレイな状態にして望まなければいけません。
こちらは男女いずれにも言えることですが、中には女性の虫歯治療ならではの注意点もあります。
今回はこちらの点について解説しますので、まさに治療を受けようとしている女性は参考にしてください。
女性の虫歯治療における注意点4選
女性が虫歯治療を受ける場合、以下の点に注意しましょう。
・月経周期の虫歯治療
・妊娠中の虫歯治療
・更年期の虫歯治療
・メイクをした状態での虫歯治療
各項目について詳しく説明します。
月経周期の虫歯治療
女性ならではの現象の一つに、月経が挙げられます。
月経中、女性は鈍い痛みや締め付けられるような痛みにおそわれるため、虫歯治療を受けるタイミングとしてはあまり適していません。
虫歯治療では、一定の間診察台の上で安静にしていなければいけないため、月経に伴う痛みがあると耐えられない可能性があります。
場合によっては、治療が中断することも考えられます。
また月経前や月経中は、ホルモンバランスの変化によって歯の痛みや歯茎の腫れ、出血などが見られやすくなる傾向にあります。
これらの理由から、歯科クリニックの中にはこちらの期間の虫歯治療を避けるよう推奨するところも少なくありません。
特に、重度にまで進行した虫歯の根管治療を行う場合、月経中の女性はかなり身体の負担が大きくなります。
妊娠中の虫歯治療
女性は月経周期だけでなく、妊娠中の虫歯治療にも注意しなければいけません。
妊娠中は、母体や胎児への影響を考慮し、治療内容やタイミングが制限されることがあります。
特に妊娠初期については、虫歯治療を避けるか、最低限必要な処置に限定することが多いです。
もし虫歯治療を受けるのであれば、安定期である妊娠5～7ヶ月頃に歯科クリニックを訪れるのが望ましいです。
ちなみに虫歯治療に伴うレントゲン検査では、防護エプロンを使用し、胎児への被ばくを抑えるのが一般的です。
更年期の虫歯治療
更年期は、女性が閉経前後の時期(概ね45～55歳頃)に経験する、女性ホルモンの減少による身体的・精神的な不調です。
この期間は、卵巣機能の低下に伴って女性ホルモンの分泌量が減少し、エストロゲンやプロゲステロンのバランスが変化することで、さまざまな症状が現れます。
具体的にはのぼせやほてり、動悸やめまい、イライラや不眠といった症状です。
また更年期の虫歯治療も、月経周期と同じく身体の負担が大きくなるため、体調を見ながら慎重に受診するようにしましょう。
著しく体調が悪い場合、虫歯治療はおろか歯科クリニックへの通院すら難しくなる可能性があります。
メイクをした状態での虫歯治療
男性にもメイクをする方もいますが、日常的にメイクをしているケースが多いのはやはり女性です。
しかし、女性は虫歯治療を受ける際、なるべくメイクをしないことが望ましいです。
なぜなら、虫歯治療に影響が出る可能性があるからです。
虫歯治療では、歯を削るドリルをはじめ、さまざまな器具が使用されます。
もしこれらの器具に口紅やファンデーションなどが付着すると、衛生状態を損なう可能性があります。
また唇の色は、患者さんの体調をチェックする上で重要な要素です。
口紅やグロスなどを塗っていると、唇の色がわかりづらく、歯科医師が患者さんの健康状態を把握できません。
さらに、虫歯治療中は口内を洗うときに水を使用するため、メイクをした状態だと治療後に崩れてしまう可能性が高いです。
そのため、仕事帰りなどに歯科クリニックに寄るケースであっても、治療前にはメイクを落としておくことをおすすめします。
そもそも女性は虫歯になりやすい
そもそも女性は、男性と比べて虫歯のリスクが高いとされています。
こちらは前述したホルモンバランスの変化が起こること以外に、唾液の分泌量が少ないこと、甘いものを好むことが理由です。
女性は男性よりも唾液腺のサイズが小さいため、必然的に分泌される唾液の量も減少します。
唾液には口内を洗い流す自浄作用があるため、分泌量が減れば口内の食べカスやプラークも洗い流されにくくなります。
また女性の多くは、甘いものを好んで食べる傾向にあります。
女性は男性よりも交感神経の緊張が弱く、血糖値が下がりやすいため、甘いものを欲することが多くなります。
さらに、女性ホルモンのバランスが甘いものを好む嗜好と関係しているという実験結果もあります。
甘いものに含まれる砂糖は、虫歯菌の大好物であるため、頻繁に摂取していると虫歯を発症しやすくなります。
まとめ
女性には女性ならではの身体の現象や習慣があります。
そのため、虫歯治療を受ける際はまず体調を再確認し、治療を受けて良いかわからない場合は歯科クリニックに相談してください。
場合によっては、虫歯治療の内容を変更したり、適切な時期が来るまで虫歯治療を控えたりしなければいけないこともあります。
もちろん緊急性が高い場合は、相談次第で治療を受けられる可能性もあります。
