【広島市中区宝町の歯医者で歯周病治療】歯周病とアミノ酸の関係性について

歯周病を予防するにあたっては、ブラッシングや歯科クリニックでの定期検診の他、主に食事からの栄養素の摂取が重要になってきます。
またこのとき摂取すべき栄養素の一つに、アミノ酸が挙げられます。
今回はアミノ酸の概要について、歯周病とアミノ酸の関係性について解説します。

目次

アミノ酸の概要

アミノ酸を語る上で欠かせない栄養素に、タンパク質が挙げられます。

タンパク質は、人の身体の乾燥重量のおよそ50%を占める成分です。
皮膚や毛髪、筋肉や臓器などの身体を構成する成分であり、生命の維持には欠かせません。
アミノ酸は、そのタンパク質を構成するための必要不可欠な有機化合物です。

アミノ酸には20もの種類があり、いずれか1つでも不足していると、タンパク質を合成することができません。

またアミノ酸には、神経伝達物質やビタミン、その他大切な生理活性物質の前駆体としての役割もあります。
さらに酸化された際には、エネルギー源としても利用されるなど、多くの場面で必要とされています。

歯周病とアミノ酸の関係性

歯周病は、主に歯茎の炎症や腫れなどを引き起こす疾患です。
歯茎については、コラーゲンを含むタンパク質によって支えられていますが、コラーゲンはアミノ酸から構成されています。

またアミノ酸から構成されるコラーゲンが不足すると、歯周組織の強度が低下し、歯周病の進行を助長する可能性があります。

さらに特定のアミノ酸については、コラーゲンの合成を助け、歯周病予防に役立つ可能性があります。

つまり、普段からアミノ酸を摂取することを意識すれば、歯周病予防になるということです。

歯周病予防として積極的に摂取すべきアミノ酸

歯周病予防を行うためには、特に以下のアミノ酸を積極的に摂取すべきだと言えます。

・プロリン
・リジン
・グリシン

各項目について詳しく説明します。

プロリン

プロリンは、体内で合成できるため、非必須アミノ酸の1つに分類されています。

コラーゲンの主要構成アミノ酸の一つで、摂取することでコラーゲンの構造が安定するとされています。
さらに、プロリンにはコラーゲンの合成を促進したり、表皮の細胞の増殖を促進したりする働きもあります。

また分子量が小さいアミノ酸であるプロリンは、他のアミノ酸に比べて体内への浸透率が高いと言われています。

リジン

リジンは必須アミノ酸の一種で、タンパク質の組み立てには必要不可欠です。
生体のタンパク質中に約2~10%程度含まれ、抗体やホルモン、酵素などをつくる機能を担っています。

必須アミノ酸のため、食品から摂取しなければいけませんが、他の栄養素と同じようにリジンのみを特定して摂取することはできません。
そのため、食品に含まれるタンパク質のアミノ酸の量や、必須アミノ酸の割合は異なります。

またリジンについても、コラーゲンの構成原料として、歯周病予防をするには重要な栄養素と言えます。

グリシン

グリシンは、アミノ酸の中でも最も小さく、単純な構造を持つものです。
プロリンと同じく、非必須アミノ酸に分類されます。

コラーゲンを構成するアミノ酸のおよそ1/3を占めていて、コラーゲンが存在する歯茎にも重要な働きをします。
また抗酸化作用があることから、歯周病をはじめとする生活習慣病や、老化の原因となる活性酸素の生成も抑制してくれます。

ちなみに、グリシンは湿疹や皮膚炎、口内炎の改善に用いられる医薬品の原料としても活用されています。
このことから、歯周病が原因で発生する口内の炎症や腫れなどを改善することも期待できます。

アミノ酸を摂取する方法

歯周病予防の一環としてアミノ酸を摂取する方法は、主に食事とサプリメントの2つです。

必須アミノ酸は体内で合成できないため、必ず食事から摂取しなければいけません。
こちらをバランス良く摂取するには、肉や魚、卵や乳製品、大豆などの食材を組み合わせることが大切です。

例えば米のタンパク質は、歯周病予防に効果的なリジンの含有量が少ないですが、大豆にはリジンが多く含まれています。
その他、同じ魚を摂る場合でも、サケやアジ、マグロやサワラなど種類を変えることを意識しましょう。

また食事の際は、アミノ酸のバランスを示すアミノ酸スコアが高い食品を選ぶことで、より効率的な摂取が可能になります。

さらにサプリメントでアミノ酸を摂る場合、食前に飲むことをおすすめします。
なぜなら、空腹時の方がアミノ酸は吸収されやすいと言われているからです。

ちなみに、運動後や就寝前にアミノ酸サプリメントを摂取すると、筋肉の修復や疲労回復などの効果も期待できます。

まとめ

歯周病は非常に厄介な疾患であり、発症しやすい上にさまざまな全身症状と関連性を持っています。
また一度発症すると完全に治すのは難しく、半永久的に悪化させないための生活習慣を送る必要があります。
しかし、症状を落ち着かせることは可能であるため、その際には歯茎のコラーゲン生成に必要なアミノ酸をしっかり摂取しましょう。
その他、カルシウムやビタミンなどの栄養素の摂取も忘れてはいけません。

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