歯周病を患っている方は、日本国民全体の8割にも上ります。
そのため、ほとんどの方が歯茎の腫れや出血などの症状に悩んでいます。
また喫煙は歯周病と相性の悪い習慣として知られていますが、やめられない場合はどうすれば良いのでしょうか?
今回は、歯周病の方がタバコをやめられない場合の対策を中心に解説します。
喫煙が歯周病に与える悪影響
喫煙と歯周病は非常に深い関連性があります。
具体的には、喫煙によって歯周病のリスクが増加したり、症状が悪化したりします。
タバコにはニコチンという成分が含まれていますが、こちらは血管を収縮させ、血行を悪化させる作用があります。
その結果、歯茎への酸素の供給量が少なくなり、歯周病の進行を助長します。
また喫煙は免疫機能を低下させるため、身体が歯周病菌に抵抗できなくなります。
こちらは虫歯にも同じことが言えます。
さらに、喫煙は傷の治癒を遅らせるため、基本歯周治療や外科治療を行った後の回復を妨げます。
歯周病の方がタバコをやめられない場合の対策5選
歯周病を患っている方は、前述したような影響が考えられるため、禁煙をするのが望ましいです。
しかし、タバコは簡単にやめられるものではありません。
もし自身だけの力で禁煙ができないというのであれば、以下の対策がおすすめです。
・禁煙補助薬の活用
・禁煙治療
・禁煙サポートグループへの参加
・禁煙の理由の明確化
・禁煙に成功した人の話を聞く
各項目について詳しく説明します。
禁煙補助薬の活用
禁煙補助薬の活用は、なかなかタバコがやめられない方の多くが実践している方法です。
禁煙補助薬は、ニコチンパッチやニコチンパッチと呼ばれるもので、ニコチンが切れることによる離脱症状を軽減し、禁煙をサポートしてくれます。
これらはドラッグストアなどで簡単に購入できます。
またチャンピックスと呼ばれる飲み薬には、タバコの味を不味く感じさせる作用があり、こちらの禁煙成功率は非常に高いです。
禁煙治療
本格的に禁煙をしたいという方は、禁煙治療を受けることも検討しましょう。
禁煙治療は、喫煙したい方が医療機関や専門機関でサポートを受けながら、禁煙を成功させるための治療法です。
ニコチン依存症の治療として保険適用されていることも多く、薬物療法やカウンセリング、生活指導などを通して禁煙の成功率を高めます。
また禁煙外来での治療の流れとしては、まず医師に相談し、ニコチン依存症の診断や呼気一酸化炭素濃度測定などを実施した後、禁煙の進め方などを決定します。
その後、禁煙補助薬を使用したり、禁煙に関するアドバイスや喫煙の誘因を避けるための生活指導を受けたりします。
医師や看護師などが禁煙の経過を観察し、最終的に禁煙に成功すれば完了です。
禁煙サポートグループへの参加
禁煙サポートグループは、禁煙したい方が集まって互いに励まし合い、情報交換や禁煙の経験を共有するグループです。
歯周病の方がタバコをやめられない場合は、このようなグループへの参加も検討しましょう。
禁煙を成功させるためには、モチベーションを維持することが大切です。
禁煙サポートグループでは、仲間と禁煙の進捗情報を共有したり、成功事例を語り合ったりすることで、モチベーションを高く保てます。
また禁煙サポートグループには、対面式だけでなくオンラインのものも存在します。
オンラインの場合、ネット上で禁煙に関する情報交換や心理的なサポートが提供されるため、気軽に参加できます。
禁煙の理由の明確化
禁煙したい理由を明確にすることで、モチベーションを高め、禁煙を成功させる可能性が高まりやすくなります。
ここでいう禁煙したい理由には、当然歯周病の悪化を防止することも含まれています。
禁煙の理由をハッキリさせておけば、諦めそうになったときに決意した理由を思い出し、継続することができます。
特におすすめなのは、家族や友人など、大事な存在の方と禁煙の約束をすることです。
約束を交わすことで、タバコを吸ってしまいそうになったとき、大切な人を裏切ってしまうという罪悪感があることから、思いとどまる可能性が高くなります。
禁煙に成功した人の話を聞く
身近に禁煙を成功させた方がいる場合は、その方の話を聞いてみるのも良いでしょう。
成功者の体験談は、これから禁煙する方にとって非常にリアルな内容です。
どのようなことが辛いのか、タバコを吸いたくなる場面はどこなのかなどを事前に聞いておくことで、実際その状況に遭遇したときに対策しやすいです。
また医療機関などでは教わることができない意外な対処法なども、成功者には教えてもらえる可能性があります。
まとめ
歯周病患者の方にとって、禁煙はデメリットでしかありません。
またインプラントなど、禁煙と相性の悪い歯科治療は数多く存在するため、歯や歯茎の健康を維持したい方はなるべく早く禁煙すべきです。
もちろん、なかなか禁煙できない方は一人で悩まず、医師や禁煙サポートグループなど周りの方の力を借りるようにしましょう。