普段私たち日本人が主に食べている白米は、精米されているお米を炊いたものです。
また中には健康に気を遣い、白米ではなく玄米を積極的に食べているという方もいるでしょう。
玄米には、さまざまな健康のメリットがあり、その中には虫歯予防の効果も含まれます。
今回は、玄米が持つ虫歯予防効果を中心に解説します。
玄米の概要
玄米は、稲の籾から籾殻だけを取り除いた、精米されていないお米です。
白米は、玄米からさらに糠や胚芽を除去してつくられます。
ちなみに、精米時に糠や胚芽をあえて残したものは分づき米と呼ばれます。
こちらは玄米と白米とちょうど中間の状態であり、精米の度合いによって3分づき、5分づき、7分づきと呼び方が変わっていきます。
3分づきは玄米から糠層と胚芽を3割除去したもの、5分づきは5割、7分づきは7割除去したものです。
数字が大きいほど精米度が高く、精白米に近い状態であることを表しています。
玄米が持つ虫歯予防効果3選
玄米には、以下のような虫歯予防効果が存在します。
・豊富な栄養素
・唾液の増加
・間食の減少
各項目について詳しく説明します。
豊富な栄養素
通常の白米と比べて、玄米は豊富な栄養素が含まれています。
具体的には食物繊維やビタミンB群、カルシウムやマグネシウム、リンなどが多く含まれています。
これらの栄養素は、歯や骨を丈夫にし、免疫力を高める効果が期待できます。
白米を食べる場合でも、上記の栄養素はある程度摂取できますが、玄米に比べると少し物足りません。
そのため、白米で虫歯予防をする際は、栄養素を補うために他にもたくさんの食品を摂取する必要があります。
玄米の場合、単品である程度の栄養素を摂取できるため、非常に効率が良いです。
唾液の増加
玄米には、唾液の分泌量を増加させる効果もあります。
こちらも虫歯予防効果の一つです。
玄米はさまざまな部分が取り除かれていない状態であり、白米よりも硬いです。
そのため、炊いた状態でも食べるときはしっかりと噛まなければいけません。
またよく噛むことにより、必然的に唾液の分泌量が増加し、唾液に含まれるカルシウムやリンが歯のエナメル質を修復して、虫歯菌の出す酸を中和する効果があります。
さらに、唾液には口内を洗い流す自浄作用もあります。
口内に残存した食べカスは次第にプラークへと変化し、最終的に歯石となって口内にこびりつきます。
こちらが虫歯の直接的な原因になるため、その前に唾液によって洗い流せるのは大きなメリットです。
間食の減少
間食が減ることも、玄米が持つ虫歯予防効果の一つです。
玄米のもう一つの特徴として、腹持ちが良いということが挙げられます。
こちらは白米と比べて、消化に時間がかかりやすいことが理由です。
また腹持ちが良いということは、次の食事までお腹が空きにくいということであり、必然的に間食を防ぎやすくなります。
間食はダラダラ食べることも多く、口内を酸性にして虫歯菌の活動を活発にするリスクが高いです。
さらに間食では甘いものを食べる方も多いため、虫歯予防を行うにあたっては避けるべき習慣だと言えます。
日常的に玄米を食べていれば、何度も何度も間食を摂ってしまうリスクは軽減できます。
もちろん、間食を軽減することは肥満の予防にもつながります。
玄米におけるその他のメリット
玄米は虫歯予防に効果的なだけでなく、糖質の代謝を活発にしたり、脂肪の蓄積を抑えたりする効果もあります。
また腸内環境を整え、便秘解消に効果を発揮したり、血糖値の急上昇を抑えたりする点もメリットです。
さらに、玄米にはビタミンEやフェルラ酸といった抗酸化物質が含まれているため、肌の老化を防ぎ、美肌効果も得られます。
玄米を摂取する際の注意点
玄米は虫歯予防効果の他、さまざまな健康のメリットがある食品ですが、摂取する際は必ずよく噛んで食べなければいけません。
玄米は消化に時間がかかるため、しっかり噛まなければ胃腸への負担が大きくなってしまいます。
目安として、一口につき50回以上噛むことが推奨されています。
また玄米は白米に比べて炊飯に時間がかかり、浸水時間も長めにしなければいけません。
つまり、白米よりも食べるのが手間になりやすいということです。
さらに玄米は食物繊維が豊富ですが、人によっては下痢や便秘を引き起こすことがあります。
初めて玄米を食べる際は、少量から始め、体調を見ながら量を調整することが大切です。
ちなみに、玄米は精米が行われていないため、表皮に農薬が残りやすい傾向があります。
無農薬や有機栽培の玄米を選ぶことで、こちらのリスクは軽減できます。
まとめ
玄米は健康食であり、なおかつ日々の健康の土台となる主食でもあります。
また食べるだけで、白米よりも虫歯を発症しにくくなる優れものです。
もしまだ白米を食べているというのであれば、少量でも良いので、玄米を混ぜて炊いてみることをおすすめします。
少量採り入れる方法であれば、そこまで味の変化は気になりませんし、手間も費用もあまりかけずに虫歯が予防できます。