【広島市中区宝町の歯医者で歯周病治療】歯周病の宿院因子について

歯周病には、そのリスクを高める要因がいくつか存在します。
こちらをリスクファクターといいますが、その内容はさまざまであり、気を付けたいリスクファクターの一つに宿院因子というものがあります。
今回は、歯周病の宿院因子の概要とあわせて、その詳細や対処法などについて解説します。

目次

歯周病の宿院因子とは?

宿院因子とは、歯周病を含む感染症などの疾患において、患者さん自身に起因する要素全般を指しています。

こちらは病原体に対する抵抗力や疾患の進行に影響を与え、疾患のかかりやすさや進行度を左右する要因になります。

歯周病のリスクファクターには、微生物因子や環境因子、生活習慣因子などがあり、宿院因子もその一つに数えられます。

歯周病の宿院因子に該当するもの

歯周病の宿院因子に該当する要素としては、主に以下のものが挙げられます。

・全身疾患
・免疫機能の異常
・遺伝的要因、年齢
・薬の服用
・その他

各項目について詳しく説明します。

全身疾患

全身疾患は、代表的な歯周病の宿院因子の一つです。
中でも有名なものに、糖尿病が挙げられます。

糖尿病における血糖コントロールの悪化は、歯周病の重症化につながることで知られています。
また糖尿病については、歯周病が原因で発症することもあります。
つまり、これらの疾患は相互関係にあるということです。

ちなみにその他の全身疾患としては、骨粗鬆症や腎臓病なども歯周病のリスクを高め、肥満も広義では全身疾患に含まれることがあります。

免疫機能の異常

免疫機能の異常も、歯周病のリスクを高める宿院因子の一つです。

白血球の機能低下、免疫抑制剤の服用は、歯周病を含む感染症への抵抗力を弱めます。
そのため、必然的に歯周病を発症する可能性が高くなります。

また感染症には、ウイルス性口内炎や性感染症などもありますが、免疫機能の異常が起こっている場合はこれらのリスクも上昇します。

遺伝的要因、年齢

遺伝的要因や年齢も、代表的な歯周病の宿院因子です。

人種や遺伝的な要素は、ときに歯周病のリスクを高める原因になります。
そのため、親の歯周病がひどかった場合などは、その子も歯周病を発症しやすくなることがあります。

また人は年齢を重ねると、徐々に免疫力を低下していきます。
前述の通り、免疫力が下がると感染症のリスクは増大するため、歯周病のリスクも高まります。

薬の服用

薬を服用している方も、歯周病のリスクが増大するおそれがあります。
ここでいう薬とは、先ほど少し触れた免疫抑制剤の他、抗てんかん薬や降圧剤などを指しています。

抗てんかん薬は、名前の通りてんかんの治療に用いられる薬ですが、こちらの一部の製品には歯肉増殖を引き起こす副作用があります。
特にリスクが高いのは、フェニトインと呼ばれる抗てんかん薬です。

また高血圧の治療薬である降圧剤の一種、カルシウム拮抗薬についても、抗てんかん薬と同じように歯茎の増殖につながる代表的な薬剤です。

その他

その他の要因でいうと、噛み合わせやストレスなども歯周病の宿院因子に含まれることがあります。

不正な噛み合わせや食いしばりにより、一部の歯や歯周組織に過度な力がかかり、損傷する咬合性外傷を引き起こします。
この過度な負担が歯周組織を弱らせ、歯槽骨の吸収や歯周ポケットの形成を進行させることで、歯周病が悪化します。

またストレスは歯ぎしりや食いしばりを引き起こし、歯や歯茎に過度な負担をかける要因になります。
このようなストレスによる歯ぎしりや食いしばりは、クレンチング症候群と呼ばれます。

歯周病の宿院因子における対処法

歯周病の代表的な宿院因子として糖尿病が挙げられますが、こちらは悪化させなければ歯周病のリスクを軽減できる可能性があります。
具体的には食事などで糖尿病のコントロールをしっかり行い、血糖値を安定させることが大切です。

また免疫力の低下については、免疫システムを正常に保つため、十分な睡眠やバランスの取れた食事を心掛ける必要があります。
もちろん、適度な運動も採り入れることで、免疫力を高める生活習慣を実現できます。

ちなみに、遺伝的要因や年齢の問題については、なかなか対処するのが難しいです。
それでもこれらの要素が歯周病のリスクを高めることを認識し、口内の清掃を徹底すれば、ある程度歯周病のリスクは低下します。

このとき、患者さんは自宅で行うブラッシングなどのセルフケアだけでなく、歯科クリニックで行われる定期検診も受けなければいけません。
定期検診の際には、口内状況によっては適宜クリーニングやスケーリング、ルートプレーニングといった施術を受けましょう。

まとめ

歯周病の宿院因子は、至るところに潜んでいます。
またその他の因子についても意識しなければいけないため、完全に歯周病を予防することは決して簡単ではありません。
それでも、日々歯周病のことを意識して生活するだけで、かなり発症のリスクは変わってきます。
もちろん、歯周病だけでなく虫歯についても、同じくらい高い意識を持って予防することが望ましいです。

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