虫歯予防は一年中実施しなければいけないものです。
つまり、基本的には半永久的に継続しなければいけないということです。
また各季節にはそれぞれ特徴があり、季節に合った虫歯予防を行うことも大切です。
今回は、季節ごとの虫歯予防における主なポイントについて解説します。
季節ごとの虫歯予防におけるポイント4選
季節によって気温やイベント、食生活などは変わってきます。
虫歯予防を行う場合は、これらの特徴に適応することが求められます。
各季節のポイントについて詳しく説明します。
春の虫歯予防におけるポイント
春は新しい生活がスタートする時期であり、生活環境が変わる方が多いです。
このとき注意したいのが、新生活に伴うストレスです。
例えば一人暮らしを開始したり、会社に就職したりしたことによる環境変化がきっかけで、ストレスが溜まりやすくなってしまうことがあります。
ストレスは唾液の分泌量を減少させ、虫歯のリスクを高めることが考えられます。
唾液には自浄作用や再石灰化を促す作用があるため、唾液が減少すると必然的に虫歯のリスクは上昇します。
そのため、なるべくストレスを軽減できるように、一人の時間や家族、友人と過ごす時間を大切にしましょう。
また新しい生活リズムに合わせて、間食の時間や食事の時間を規則正しくすることでも、口内が酸性になる時間を減らせます。
実家暮らしから一人暮らしになった方などは、特に生活リズムが乱れ、虫歯のリスクも高まりやすいため、注意してください。
夏の虫歯予防におけるポイント
夏は日本における季節の中でも、虫歯を発症しやすい季節だと言えます。
なぜなら、虫歯を発症しやすい食習慣を送るケースが多いからです。
夏場は気温が高いため、冷たいジュースやスポーツドリンク、アイスクリームなどを摂取する機会が増えます。
これらは大量に糖分が含まれている食品であり、摂取しすぎると当然虫歯のリスクは上昇します。
また夏場は熱中症対策として、水分補給をこまめに行う方も多いです。
しかし、このときは糖分を含まない水やお茶を選ばなければ、虫歯になってしまう可能性が格段にアップします。
さらに、夏場は食欲がないことも多く、つい食事を長い時間ダラダラと食べてしまいがちです。
口内に食べ物が滞在する時間が長ければ長いほど酸性に傾き、虫歯菌が好む口内環境が出来上がってしまいます。
そのため、食事はしっかり時間を決めて済ませることを意識しなければいけません。
秋の虫歯予防におけるポイント
秋は食欲の秋と言われるほど、美味しいものを食べる機会が多くなります。
しかし、それに伴って間食が増えてしまうと虫歯のリスクも高まるため、特に口内ケアには力を入れなければいけません。
また秋にはサツマイモやクリなど、ある程度の硬さがある上に糖質が多い食材を摂取する機会も増えます。
もちろん、これらだけが虫歯を引き起こすわけではありませんが、虫歯が発生しやすい食材だということは意識しておきましょう。
冬の虫歯予防におけるポイント
冬の寒い時期は、空気が乾燥しやすくなります。
さらに暖房器具の使用によってその乾燥は強くなり、こちらは空気だけでなく口の中が乾燥することにもつながります。
口の中が常に乾いていると、唾液による自浄作用が著しく低下し、虫歯になりやすい環境がつくられます。
また冬場に飲む機会が多いホットココアや甘いカフェラテといった飲み物は、糖分がたくさん含まれています。
これらを摂取した後は、水やお茶を飲んだり、すぐにブラッシングをしたりといった対策が必要です。
ちなみに、冬は寒さによる体の緊張や、年末年始の多忙によるストレスで、就寝中の歯ぎしりや食いしばりのリスクも高まりやすいです。
歯ぎしりや食いしばりは歯にダメージを与え、脆くしてしまう可能性があるため、自覚症状がある方は歯科クリニックで相談すべきです。
例えば、朝起きて異常に顎が痛い方などは、無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりを行っている可能性があります。
一年を通して行う虫歯予防
一年を通して行う虫歯予防としては、やはり毎日の丁寧なブラッシング、定期的な歯科検診、そして規則正しい食生活が挙げられます。
虫歯の直接的な原因は、口内に付着したプラークに含まれる細菌です。
そのため、ブラッシングによってプラークを除去しなければ、虫歯を予防することはできません。
また磨くのが難しい部分の汚れや、プラークが石化した歯石については、患者さんの力だけで除去するのが難しいです。
歯科クリニックの定期検診に通っていれば、これらの汚れも除去できる可能性が高いです。
もちろん、極力甘いものの摂取を控えたり、飲酒量を減らしたりすることも大切です。
まとめ
季節ごとに虫歯予防の原因やリスクは変わってくるため、それらを意識した予防法を実践することは大切です。
また虫歯を予防することにより、歯周病や口臭など、他の口内における問題を予防することにもつながります。
もちろん、虫歯予防は患者さんのセルフケアだけでなく、歯科クリニックのプロフェッショナルケアも活用して行うべきです。