虫歯予防を徹底するために、日々慎重に摂取する食べ物を選んでいるという方もいるかと思います。
このとき糖分を減らすことや、栄養素をバランス良く摂取することだけでなく、アルカリ性の食べ物を摂取することも意識すべきです。
今回は、虫歯予防としてアルカリ性の食べ物を摂取するメリットを中心に解説します。
アルカリ性の食べ物とは?
アルカリ性の食べ物とは、体内で代謝された後に、アルカリ性のミネラルが残る食品のことをいいます。
食べ物は味覚ではなく、体内で燃焼した後のミネラルが酸性かアルカリ性かで決まるのが特徴です。
こと虫歯予防においては、口内のpHバランスに関与する食品として重要視されています。
虫歯予防としてアルカリ性の食べ物を摂取するメリット3選
アルカリ性の食べ物を積極的に採り入れることで、以下のような虫歯予防効果が得られます。
・口内の酸を中和する
・唾液の分泌を促す
・歯の再石灰化を助ける
各メリットについて詳しく説明します。
口内の酸を中和する
アルカリ性の食品は、口内の酸を中和してくれる働きを持っています。
虫歯は虫歯菌が食べ物に含まれる糖分を分解して酸をつくり出し、その酸が歯の表面にある硬い組織であるエナメル質を溶かすことで進行します。
アルカリ性の食べ物を摂取すれば、口内のpHバランスが整い、酸性になった環境を中和してエナメル質が溶けるのを防いでくれます。
唾液の分泌を促す
アルカリ性の食品には、唾液の分泌量を増やす働きもあります。
唾液には、口内を中性に保ち、溶け出したエナメル質を修復する再石灰化作用があります。
アルカリ性の食品には、食物繊維が豊富な食品が多く、こちらはしっかり噛むことで唾液の働きをサポートしてくれます。
歯の再石灰化を助ける
歯の再石灰化を助けてくれることも、虫歯予防としてアルカリ性の食べ物を摂取するメリットです。
アルカリ性食品に含まれるカルシウムやリンなどのカルシウムは、脱灰したエナメル質の再石灰化を助け、歯を強くします。
特に乳製品はカルシウムが豊富で、唾液分泌を促す効果も期待できます。
おすすめのアルカリ性食品
虫歯予防におすすめのアルカリ性の食べ物としては、野菜や果物、ナッツや豆類、乳製品やお茶などが挙げられます。
野菜ではホウレンソウやケール、ブロッコリーなどの葉物野菜が特におすすめで、こちらはカルシウムや葉酸などの栄養素が豊富です。
また果物についてはバナナやメロン、リンゴなどがおすすめで、ナッツや種子類としてはアーモンドやゴマ、ヒマワリの種などが虫歯予防に有効です。
さらに豆にもミネラルが多く含まれていますし、チーズや牛乳、無糖ヨーグルトは前述の通りカルシウムやリンを含みます。
ちなみに無糖の紅茶や緑茶に含まれるポリフェノールは、虫歯菌の増殖を抑える効果があります。
アルカリ性の食べ物を摂取する際の注意点
食べ物の酸性・アルカリ性は、体内で燃焼された後に残るミネラル成分で決まります。
そのため、酸性食品でもアルカリ性に分類されることがあります。
例えばレモンや梅干しなどは、非常に酸っぱく酸性食品の代表とも言えるものですが、分類上は体内でアルカリ性に作用するアルカリ性食品という扱いになります。
これらを頻繁に摂取すると、口内の酸性度が高まりかえって虫歯のリスクが高まるため、注意しなければいけません。
また食後のブラッシングを怠ると、アルカリ性の食べ物を食べても虫歯のリスクは高くなります。
あくまで、アルカリ性食品は食生活の一部として採り入れる補助的な役割と考えるべきです。
アルカリ性食品を摂取する際のポイント
虫歯予防の一環としてアルカリ性の食べ物を採り入れる場合は、アルカリ性に偏りすぎず、肉や魚、穀類といった酸性食品もバランス良く摂取することが重要です。
酸性食品は確かに歯にとってあまり良いものではありませんが、アルカリ性食品ばかり食べていると栄養が偏ってしまいます。
また苦手な方も多い野菜や海藻などについては、なるべく継続して食べやすい調理法を選ぶことも大切です。
例えば味噌汁にワカメやキノコを入れたり、サラダを添えたりすると手軽に摂取できます。
ちなみに、インスタント食品やスナック菓子などの加工食品は、酸性食品が多い上にそこまで栄養摂取も期待できません。
そのため、できるだけ手作りの料理を増やし、新鮮な食材を使うように心掛けましょう。
特に新鮮な野菜や果物については、ミネラルやビタミンが豊富に含まれています。
果物は朝食に採り入れるなどすれば、習慣化しやすくなります。
まとめ
日々食べ物を選ぶにあたって、それが酸性なのかアルカリ性なのかについては、あまり意識していない方が多いかと思います。
しかし、徹底的に虫歯を予防したいという場合は、そこまで意識して生活しなければいけないということを理解しましょう。
またこれとあわせて丁寧かつ適切なブラッシング、歯科クリニックでの定期検診を受けなければ、虫歯のリスクを極限まで減らすことはできません。
