虫歯予防に効く成分にはさまざまなものがありますが、中でも有名なのはキシリトールです。
キシリトールは、ガムなどにも含まれている虫歯予防成分ですが、実際どのようなものなのか詳しくご存知ではない方も多いでしょう。
今回は、キシリトールに関するあらゆることを解説します。
そもそもキシリトールとは?
キシリトールは、白樺などの樹木から作られる天然由来の甘味料で、ホウレンソウやイチゴといった野菜や果物にも含まれています。
キシリトールの虫歯予防効果は?
虫歯菌がキシリトールを代謝しても酸を作らないため、口の中が酸性に傾きません。
つまり、酸が歯を溶かすことがないということです。
また、キシリトールにはプラークの中和を促進し、虫歯菌の代謝を妨げる働きもあります。
キシリトールで虫歯は治せる?
残念ながら、キシリトールにすでにできた虫歯を治す作用はありません。
初期虫歯であれば、ブラッシングなどを続けることで自然に治る可能性がありますが、一度歯に穴が開いた虫歯は必ず歯科クリニックで治療する必要があります。
キシリトールでプラークを減らせる?
キシリトールにはプラークをサラサラにして、ブラッシングで除去しやすくする効果があります。
つまりブラッシングさえしっかり行っていれば、キシリトールの効果によって大幅にプラークは減らせるということです。
キシリトールは歯の再石灰化を助ける?
キシリトールは唾液の分泌を促し、唾液による再石灰化をサポートします。
再石灰化とは、酸で溶けかけた歯の表面を修復する働きのことをいい、こちらの働きがなければ歯は虫歯になってしまいます。
キシリトールには歯周病予防効果もある?
キシリトールは、歯周病菌に直接作用するわけではありませんが、プラークを除去しやすくすることで歯肉炎の軽減は期待できます。
キシリトールガムを噛むと歯がツルツルになるのはなぜ?
キシリトールガムで歯がツルツルになるのは、唾液の自浄作用と、キシリトールや配合されているフッ素による歯質の強化により、歯面が滑沢になるからです。
キシリトールはどれくらい続けると効果が出る?
ある研究によると、2年以上継続使用した子どもは虫歯の発生率が30〜60％減少したというデータがあり、キシリトールは長期的な継続が重要です。
またガムを噛み始めて2週間でプラークが減り始め、3ヶ月ほどで虫歯になりにくくなると言われています。
ブラッシングをしなくてもキシリトールを摂れば大丈夫?
キシリトールは、適切なブラッシングや規則正しい食生活と合わせて利用することが重要です。
そのため、ブラッシングをしなければ虫歯のリスクは高まります。
キシリトールは1日どれくらい摂取すれば良い?
効果的な虫歯予防のためには、1日3回、毎食後にキシリトール摂取することが推奨されています。
一度に大量摂取するよりも、数回に分けて摂取する方が効果的です。
寝る前にキシリトールを摂取しても虫歯にならない?
砂糖が含まれていないキシリトール製品であれば、寝る前に摂取しても虫歯の原因にはなりません。
どのようなキシリトール製品がおすすめ?
虫歯予防には、キシリトールが甘味料の100%を占める歯科クリニック専用のガムが特に推奨されます。
ただし、すべての歯科クリニックでキシリトール100%のガムが購入できるとは限りません。
市販のキシリトールガムは効果がない?
市販品は他の甘味料も含む場合が多いため、効果を得るにはキシリトールが甘味料の50%以上含まれている製品を選ぶことをおすすめします。
ガム以外にもキシリトール製品はある?
ガム以外のキシリトール製品でいうと、タブレットや歯磨き粉、うがい薬などがあります。
特に歯磨き粉は、キシリトール以外にもさまざまな虫歯予防成分が配合された製品が多く存在します。
子どもにキシリトールを使用しても大丈夫?
キシリトールは3歳頃から使用可能で、幼児にはタブレットが適しています。
ガムは窒息のリスクが高まるため、特に未就学児にはおすすめできません。
キシリトールを摂取するタイミングとして適しているのは?
キシリトールは食後、間食後、またはブラッシング前の摂取が効果的です。
特に、ブラッシング前のガム咀嚼はプラーク除去を助けます。
キシリトールガムはどれくらい噛み続ければ良い?
キシリトールガムは1回あたり5分以上、目安として10分程度噛むと効果が期待できます。
噛み続ければ噛み続ける効果が出るという考え方は間違っています。
キシリトールの安全性は?
キシリトールは長期的な健康被害がほとんど報告されていませんが、過剰摂取には注意が必要です。
キシリトールは消化吸収されにくいため、過剰摂取によりお腹が緩くなることがあります。
まとめ
虫歯予防の基本は、やはり自宅でのブラッシングと歯科クリニックの定期検診です。
しかし、キシリトールを組み合わせるなどより複合的な予防をすることで、虫歯を遠ざけることができます。
ただし、キシリトール製品の選び方や摂取量、摂取するタイミングなどを正しく把握していなければ、十分な虫歯予防効果が得られない可能性もあります。
