虫歯予防を行うにあたっては、歯の直接的なケアや食生活の改善、その他生活習慣の改善が必要になります。
これらのカテゴリにおいて間違った行動を取っていると、かえって虫歯のリスクは高くなってしまいます。
今回は、虫歯予防において避けるべきケアや食べ物、習慣について解説します。
虫歯予防において避けるべきケア
虫歯を予防するのであれば、以下のようなケアは避けるべきです。
・研磨剤入りの歯磨き粉の使用
・硬すぎる歯ブラシの使用
・フッ素の少ない歯磨き粉の使用
・ブラッシング後の大量のうがい
・食後すぐの強すぎるブラッシング
・古い歯ブラシの使用
・デンタルフロスや歯間ブラシの不使用
・塩磨き
・マウスウォッシュを使いすぎる
各項目について詳しく説明します。
研磨剤入りの歯磨き粉の使用
研磨剤は、歯のエナメル質を削る成分です。
そのため優しくブラッシングする分には良いですが、研磨剤入りの歯磨き粉で強く磨きすぎると、かえって汚れが付きやすくなります。
硬すぎる歯ブラシの使用
硬すぎる歯ブラシの使用は、歯茎を傷つけ、歯の根元の象牙質が露出して虫歯になりやすくなります。
フッ素の少ない歯磨き粉の使用
成人の虫歯予防には、フッ素濃度1,450ppm前後の歯磨き粉が推奨されます。
これより少ない歯磨き粉は、虫歯予防効果が薄くなります。
ブラッシング後の大量のうがい
ブラッシング後に大量の水で何度もうがいをしてしまうと、せっかくのフッ素成分がすべて流れ出てしまいます。
食後すぐの強すぎるブラッシング
酸性食品を摂った直後はエナメル質が一時的にやわらかいため、少し時間を置くか優しくブラッシングをするのが理想です。
古い歯ブラシの使用
古い歯ブラシは毛先が開いてしまっているため、清掃効率が著しく悪く、プラークが残りやすくなります。
デンタルフロスや歯間ブラシの不使用
歯ブラシだけ使用している方は、虫歯のリスクが高まりやすいです。
特に歯の間の汚れについては、デンタルフロスや歯間ブラシを使用しない場合、6割程度しか汚れが落ちないと言われています。
塩磨き
塩磨きは、歯磨き粉の代わりに塩を使用してブラッシングをするという民間療法です。
しかし自己流の塩磨きでは、歯を研磨しすぎてしまうおそれがあります。
マウスウォッシュを使いすぎる
殺菌力の強すぎるマウスウォッシュを常用すると、常在菌のバランスを崩す可能性があり、口内環境にとって良くありません。
虫歯予防において避けるべき食生活
以下のような食生活は、虫歯のリスクを高めるため避けるべきです。
・粘着性の高い菓子
・飴を長時間舐める
・ダラダラ食べ、ダラダラ飲み
・酸性の強い食品
・あまり噛まない食事
各項目について詳しく説明します。
粘着性の高い菓子
キャラメルなどの粘着性の高いお菓子は歯の溝に長くとどまり、虫歯菌の格好のエサになります。
飴を長時間舐める
飴を長時間舐めることにより、口内が酸性の状態が続き、次第に歯が溶け始めて虫歯を発症します。
ダラダラ食べ、ダラダラ飲み
お菓子などをダラダラ食べたり、スポーツドリンクなど糖分や酸性の強いものをダラダラ飲んだりすることも、虫歯のリスクを高めます。
酸性の強い食品
レモンなどの酸性の強い食品を頻繁に摂取していると、酸蝕症という歯が溶ける疾患を引き起こし、虫歯につながりやすくなります。
あまり噛まない食事
おかゆやジャンクフードなどやわらかいものばかり食べていると、口内の汚れを洗い流す唾液の分泌を促す機会を失います。
虫歯予防において避けるべき習慣
虫歯予防を行うのであれば、以下のような習慣を避けることが求められます。
・喫煙
・口呼吸
・ストレスの放置
・定期検診に行かない
・乳幼児への口移しや食器の共有
各項目について詳しく説明します。
喫煙
喫煙は歯茎の血流を悪くし、口内環境を劇的に悪化させます。
また唾液の分泌量も減少するため、虫歯だけでなく歯周病のリスクも極めて高くなります。
口呼吸
口呼吸は口内が乾燥し、唾液によるバリア機能が失われる原因になります。
ストレスの放置
仕事や育児などによるストレスが溜まっている場合、それを放置すると唾液が減り、自浄作用がうまく発揮されません。
定期検診に行かない
歯科クリニックの定期検診に行く習慣がない方は、虫歯を未然に防ぐのが難しいです。
痛くなってから来院するのでは、初期虫歯を自力で治す機会を逃します。
乳幼児への口移しや食器の共有
乳幼児の口内には、まだ虫歯菌が存在しません。
しかし親御さんから口移しで食べ物を与えたり、食器を旧友したりすると虫歯菌が移ってしまいます。
まとめ
本記事では、虫歯予防のために避けるべきことを網羅的に解説しています。
避けるべきことは数多くありますが、前述した内容をすべて意識して避けることは、実はそれほど難しくありません。
しっかりセルフケアの時間を確保し、なおかつ徹底的に虫歯を予防するという気持ちさえ持っていれば、虫歯の発症リスクは劇的に低下します。

