新しく入れ歯をつくり直したときや、インプラントなど他の治療法で歯をカバーすることになったときなどは、これまで使用していた入れ歯が不用になります。
では不用になった入れ歯については、一体どのように処分するのが適切なのでしょうか?
今回は主な処分方法について解説します。
不用な入れ歯の処分方法5選
いらなくなった入れ歯を処分する方法としては、主に以下が挙げられます。
・自治体の回収に出す
・歯科クリニックで処分してもらう
・寄付する
・売却する
・入れ歯回収ボックスを利用する
各項目について詳しく説明します。
自治体の回収に出す
不用になった入れ歯は、そのままゴミを出すように、自治体に回収してもらえるケースがあります。
ただし、各自治体によって回収のルールが異なるため、注意してください。
具体的には、可燃ゴミに分別するところと、不燃ゴミに分別するところがあります。
また入れ歯にはさまざまな素材が使用されているため、分解してからでないと回収してもらえない自治体も存在します。
そのため、回収に出す場合は患者さんの居住する自治体のホームページなどを確認しましょう。
歯科クリニックで処分してもらう
使用しなくなった入れ歯については、歯科クリニックで処分してもらえる可能性もあります。
歯科クリニックでは、医療廃棄物の専門業者と廃棄物処理の契約を結んでいるため、入れ歯も処分できることが考えられます。
もし歯科クリニックで処分してもらうことができれば、新たな入れ歯やインプラントの治療の際ついでに依頼できるため、とても効率的です。
ただし、すべての歯科クリニックが処分に対応しているとは限らないため、注意が必要です。
回収してもらいたいという場合は、新たな治療を受ける段階で確認しておくことをおすすめします。
寄付する
いらなくなった入れ歯は、寄付することも可能です。
入れ歯のリサイクルを実施する非営利団体では、入れ歯に含まれる貴金属を再利用し、その収益を発展途上国の子どもたちの支援に活用しています。
つまり入れ歯を寄付することで、社会貢献につながるということです。
ただし寄付する場合は、入れ歯を清潔に保つため、前もって熱湯や専用の洗浄剤で十分に洗浄してから送付することが重要です。
ちなみに具体的な寄付の方法や送付先については、各リサイクル団体のウェブサイトで詳細を確認しましょう。
売却する
金属が使用されている入れ歯については、患者さん自身で売却できる可能性もあります。
特に金が使用されている入れ歯は、素材自体に価値があるため、売却できる可能性が高いです。
金は変質しにくいという性質を持っているため、たとえ入れ歯が口内で長年使用されてきたものだとしても、金の部分の価値は変わりません。
また金の入れ歯も他の金製品と同様、回収後にリサイクルして他の金製品として生まれ変わることができます。
仮に入れ歯が変形していたとしても、売却するのであれば特に問題はありません。
入れ歯回収ボックスを利用する
不用な入れ歯を処分したい場合には、入れ歯回収ボックスを利用するというのも一つの手です。
入れ歯回収ボックスは、いらなくなった入れ歯の寄付をするための回収ボックスです。
各エリアの市役所などに設置されていることがあります。
「寄付をしたいけど、手続きが面倒」という方にとって、こちらの方法は非常に有効です。
また入れ歯回収ボックスの利用方法については、まず入れ歯を十分に洗浄・消毒します。
その後、備え付けのビニール袋に入れ、そのまま回収ボックスに投入すれば完了です。
故人の入れ歯について
患者さん本人ではなく、すでに亡くなった方の入れ歯が遺品整理の際などに見つかったときは、また他の方法で処分することもできます。
具体的には、棺や骨壺に入れたり、お寺や神社に納めたりといった方法です。
棺に入れることにより、「あの世でも不自由なくご飯を食べられるように」という思いを故人に伝えることができます。
また火葬前に一度故人から入れ歯を外し、火葬後に入れ歯を骨壺に収めるという方法もあります。
こちらの方法であれば、故人とともにお墓に納めることが可能です。
貴金属を使用した入れ歯は盗難に遭う可能性があるため、骨壺に納めたことはなるべく周囲の方に伝えないなどの配慮が必要です。
ちなみにお寺や神社の中には、入れ歯を納められるところもあります。
もし納められるのであれば、お布施や初穂料を包んで直接持って行きます。
間違っても、お札などを納める場所に黙って置いていかないようにしてください。
まとめ
「入れ歯がいらなくなったら捨てれば良い」と簡単に考えている方もいるかもしれませんが、実際はそう簡単に捨てられない場合があります。
また貴金属を使用している入れ歯などは、そのまま処分するともったいないため、ぜひ寄付や売却などの選択肢も検討してみてください。
ちなみに故人の入れ歯を処分する場合は、故人への配慮や思いやりの気持ちを持ち、もっとも良い処分方法は何かを決定することをおすすめします。