毎日朝食で納豆を食べているという方は多いかと思います。
納豆には腸内環境の改善や骨粗しょう症予防、血栓予防や美肌効果といったさまざまな健康作用が期待できます。
また納豆を継続して食べることにより、虫歯の予防効果も期待できます。
今回は、納豆が持つ虫歯予防効果について解説します。
納豆が持つ虫歯予防効果4選
納豆には以下のような虫歯予防効果があります。
・プラークの除去
・虫歯菌の減少
・歯の強化
・唾液の分泌量の増加
各項目について詳しく説明します。
プラークの除去
納豆には、デキストラナーゼという酵素が豊富に含まれています。
こちらにはプラークを除去してくれる作用があります。
デキストラナーゼは、プラークを構成する成分であるデキストランを分解する酵素です。
デキストランは、虫歯菌が砂糖を分解してつくる多糖類で、プラークの主成分です。
デキストラナーゼがデキストランの結合を切断し、分解することにより、プラークをやわらかくして歯ブラシで除去しやすい状態にしてくれます。
ちなみにデキストラナーゼは日本で唯一、プラークを分解・除去する薬用成分として、歯磨き粉にも含まれています。
つまり納豆を食事に採り入れつつ、なおかつデキストラナーゼが配合された歯磨き粉を使用すれば、よりプラークの除去効果はアップするということになります。
虫歯菌の減少
納豆を継続して食べることにより、虫歯菌の減少効果も期待できます。
納豆には、納豆菌や乳酸菌などさまざまな菌が含まれています。
乳酸菌には、口内に存在する細菌のバランスが取れた環境をつくり出す作用があり、納豆菌はこちらの乳酸菌を増やす役割を担っています。
つまり、納豆からこれらの菌を摂取するのはとても効率が良いということです。
また納豆菌や乳酸菌が働くことにより、口内の虫歯菌の数は少なくなるため、必然的に虫歯を発症しにくくなります。
ちなみに、乳酸菌は虫歯菌を殺菌してくれるだけでなく、同じく悪い細菌である歯周病菌にも効果を発揮します。
そのため、歯周病も同時に予防することが可能です。
歯の強化
歯を強くしてくれることも、納豆が持つ虫歯予防効果の一つです。
納豆菌は、腸内でビタミンKを産生するため、含有量以上のビタミンKを摂取できます。
またビタミンKは主に血液を正常に凝固させる働きや、骨や歯を形成・強化してくれるビタミンです。
そのため、納豆を食べること歯が強くなり、虫歯菌への抵抗力が高まります。
歯ぎしりや食いしばり、過去の虫歯治療などによって歯が脆くなってしまっている方は、虫歯菌への抵抗力も弱いです。
そのため、積極的に納豆を摂取し、虫歯に強い歯をつくることが大切です。
唾液の分泌量の増加
納豆を食べることにより、唾液の分泌量が増加し、虫歯を予防しやすくなります。
こちらはポリグルタミン酸の働きによるものです。
納豆と言えばネバネバしているものですが、このネバネバ成分の正体はポリグルタミン酸と呼ばれるものです。
ポリグルタミン酸は、グルタミン酸というアミノ酸が複数個結合した化合物です。
食品の粘り気を出すための増粘剤として、加工食品に使用されることもあります。
またポリグルタミン酸には、唾液の分泌を促す作用があります。
唾液の増加は口腔内の殺菌作用や自浄作用を高め、虫歯や歯周病を予防するのに役立ちます。
虫歯予防として納豆を摂取する場合の注意点
納豆を摂取する際に注意したいのは、口臭が出ることや歯の着色リスクが高くなることです。
納豆菌が発酵するときには、アンモニア成分が発生します。
そのため、納豆を口にすることで、アンモニア成分による口臭が出る可能性があります。
ただし、納豆によるアンモニアは身体に吸収されません。
ガムを噛んだり、ブラッシングをしたりしてアンモニア成分を口から除去すれば、すぐに口臭は治まります。
朝食で納豆を摂取する場合、外出する前にしっかりブラッシングをしていれば、ニオイで周囲の方を不快にさせることはないでしょう。
コーヒーなどの口臭と違い、粒子が舌や歯に停滞し、いつまでも臭ってしまうような心配もほとんどありません。
また納豆は大豆製品ですが、大豆にはイソフラボンというポリフェノールの一種が多く含まれています。
イソフラボンは、赤ワインなどに含まれるポリフェノールと同様、歯の黄ばみに結びついてしまうリスクがあります。
このことから、歯の着色が気になる方はあまり摂取すべきではないと言えます。
特にホワイトニングの施術を受けた後は、歯の表面の膜が剥がれて着色に敏感になっているため、大豆のイソフラボンが持つ効果で着色しやすくなります。
まとめ
納豆はスーパーやコンビニなど、どこでも気軽に購入することができますし、それほど高級な食品でもありません。
そのため、毎日継続しなければいけない予防歯科の一環として摂取するのにはピッタリだと言えます。
もちろんより虫歯を予防しやすくするには、納豆だけでなく野菜なども摂取し、ビタミンなど他の栄養素もバランス良く摂取することが求められます。