入れ歯を装着した方が必ずと言って良いほど苦労するのが、食事の違和感です。
使用していれば少しずつ慣れてきますが、お肉などある程度の硬さがあるものについては、工夫をして食べることをおすすめします。
今回は、入れ歯の状態でお肉を食べるときのポイントについて解説します。
入れ歯でお肉を食べるときのポイント6選
入れ歯を装着した状態でお肉を食べる際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
・薄切り肉を選ぶ
・ひき肉を選ぶ
・小さく切って食べる
・煮込んで食べる
・揚げ物はソースをかける
・卵とじにする
各項目について詳しく説明します。
薄切り肉を選ぶ
入れ歯を装着し始めた頃は特に、咀嚼する際の違和感が出やすいです。
そのため、普通のお肉は食べにくく感じることがあります。
このとき、薄切り肉を選べば、噛み切りやすいため不便さをあまり感じません。
例えば牛や豚のロース肉は、入れ歯の違和感を覚える方にもおすすめです。
ただし、脂の多いお肉は薄くても噛み切りにくいため、なるべく選ばないようにしましょう。
例えば豚のバラ肉やこま切れ肉などには、脂の部分が多く含まれていることがあります。
もしスーパーなどで購入するのであれば、なるべく赤身の部分が多いものを選びましょう。
特にこま切れは、商品によって脂が多めのもの、赤身が多めのものがあります。
ひき肉を選ぶ
入れ歯でお肉を食べるときは、ひき肉を選ぶのもポイントです。
ひき肉は噛み切る必要がないため、お肉の硬さを感じることなく食べられます。
またおすすめの調理法としては、ハンバーグやミートボールなどが挙げられます。
そのまま肉そぼろなどにして食べる場合、ひき肉は細かく入れ歯の状態では少し食べにくいです。
一方、ハンバーグヤミーボールなど塊にすれば、バラバラの状態よりも食べやすくなります。
ただし、ひき肉は入れ歯と歯の間に挟まりやすいため、食べた後は丁寧にブラッシングや入れ歯の洗浄を行わなければいけません。
小さく切って食べる
入れ歯の感覚にまだ慣れていない場合、ステーキ肉など分厚いお肉を問題なく食べるのは難しいです。
どうしてもステーキ肉が食べたいというのであれば、小さくカットして食べるようにしましょう。
一度に噛む量が少なければ、多少噛み応えのあるお肉であっても十分に噛み砕くことができます。
またステーキ肉の噛み応えを減らしたい場合、焼き加減にも注意しましょう。
お肉に火を通しすぎると硬くなってしまい、小さくカットしたものでも食べにくさが増してしまいます。
煮込んで食べる
お肉をより美味しく食べる方法の一つに、煮込んで食べるという方法があります。
どれだけ硬いお肉でも、じっくり時間をかけて煮込めばホロホロになり、入れ歯の状態でも食べやすくなります。
またお肉を毎回長時間煮込むのは手間がかかりますが、このとき圧力鍋があれば非常に便利です。
圧力鍋は、文字通り圧力をかけながら食材を煮込んでいくため、通常の鍋と比べて短時間でお肉をやわらかくすることができます。
ちなみにお肉の煮込み料理としておすすめなのは、牛肉のシチューや豚の角煮などです。
これらはしっかり調理することにより、ほとんど歯を使わなくて良いほどお肉がやわらかくなります。
揚げ物はソースをかける
入れ歯を装着している方の中には、トンカツなどの揚げ物を食べたいという方もいるでしょう。
しかし揚げ物は表面がカリッとしているため、入れ歯の状態では硬さを感じることが多いです。
もし揚げ物の状態でお肉を食べたいというのであれば、味付けにはソースを選ぶべきです。
ソースをかけることで衣がやわらかくなり、食べやすくなることが期待できます。
特にトンカツはソースとの相性も抜群なため、もっともオーソドックスな食べ方を選ぶのが望ましいです。
卵とじにする
硬いお肉を食べるときの工夫としては、卵とじにすることも挙げられます。
例えば牛肉を食べたいとき、卵でとじて丼にすることで、他人丼が完成します。
卵とじにすれば、卵の風味を感じることができるだけなく、お肉をやわらかくすることもできます。
また先ほども触れたトンカツについても、卵とじにすることでカツ煮もしくはカツ丼として食べることができます。
ちなみに鶏肉を卵でとじれば親子丼が完成しますが、鶏肉は牛肉や豚肉と比べてそれほど硬さがありません。
特に鶏もも肉はジューシーでやわらかく、ある程度焼いたり煮込んだりすれば、入れ歯でもほとんど違和感なく食べられます。
つまり入れ歯でお肉を食べるとき、あまり手間をかけたくないという方には、鶏もも肉がもっとも適しているということです。
まとめ
入れ歯を装着し始めた頃は、おかゆやうどんなどを食べて少しずつ口を慣らしていくことが大切です。
しかしどうしても他のものが食べたいという場合には、なるべく負担がかからないような食べ物を選んだり、調理法を実践したりすべきです。
またお肉は全体的に硬さがあるため、入れ歯や天然歯の状態を確認しながら、少しずつ食べられるものの範囲を広げていきましょう。