【広島市中区宝町の歯医者で歯周病治療】歯周病と腎機能低下の関係性について

歯周病は歯茎の炎症や出血を引き起こし、ときに歯の脱落にもつながるおそろしい疾患ですが、実際はそこまで危険視していない方が多いです。
また歯周病がおそろしい理由としては、他のあらゆる疾患と関係があるということが挙げられます。
今回は、歯周病と腎機能低下の関係性について解説します。

目次

腎機能低下とは?

腎機能低下とは、腎臓が本来持っている働きが正常に機能しなくなった状態をいいます。
ここでいう腎臓の働きには老廃物の排泄や体液・電解質バランスの調整、血圧の調整や造血ホルモンの分泌などが挙げられます。

この症状が進行するとむくみや高血圧、貧血や倦怠感、吐き気などが出現します。
末期腎不全になると、人工透析や腎移植が必要になることもあります。

ちなみに腎機能低下は、進行スピードによって急性腎機能障害、慢性腎臓病に分けられます。
慢性腎臓病は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が主な原因です。

その他、多発性嚢胞腎など、遺伝性の疾患が原因になることもあります。
多発性能嚢胞腎は、両方の腎臓に液体が溜まった嚢胞が数多くでき次第に大きくなることで腎機能が低下していく疾患で、もっとも頻度の高い遺伝性腎疾患です。

また腎機能低下は、歯周病とも深い関係があることで知られています。

歯周病と腎機能低下の関係性

歯周病を発症すると、腎臓には以下のような影響が出ることがあります。

・炎症物質の拡大
・腎機能低下
・腎不全のリスク増大

各項目について詳しく説明します。

炎症物質の拡大

歯周病を発症することで増加する炎症物質は、腎臓に悪影響を及ぼします。

冒頭でも触れた通り、歯周病の主な症状の一つに歯茎の炎症が挙げられます。
こちらは、歯周病菌によって増加した炎症物質が引き起こすものです。

またこちらの炎症物質は、血流に乗って全身に広がり、さまざまな器官に負担をかけます。
その一つに腎臓が含まれています。

腎機能低下

歯周病から来る炎症物質の広がりにより、全身で慢性的な炎症が続くと、腎機能が低下する可能性があります。

前述の通り、腎機能が下がると手足のむくみや体重増加が起こったり、疲れやすさやだるさを感じたりすることがあります。
また体内の水分やナトリウムの調整がうまくできず、血圧が上がったり、腎臓がつくる造血ホルモンの分泌量が減って貧血になったりします。

さらに老廃物が体内に蓄積することで、吐き気や食欲低下が起こる場合もあります。

腎不全のリスク増大

歯周病による炎症物質の拡大は、腎機能低下だけでなく腎不全も高めます。

腎機能低下は、腎臓の機能が正常より落ちた状態全般を指す広い言葉です。
これに対し、腎不全はさらに腎機能が悪化し、体液の恒常性が保てなくなった病的な状態を指します。

具体的には、腎臓の働きが正常の30%以下になった状態が腎不全であり、急激またはゆっくりと悪化します。
また腎不全は重症化したり治療が遅れたりした場合、死に至ることもあります。

腎機能低下が歯周病に影響を及ぼすこともある

先ほどは歯周病が腎機能低下など腎臓に悪影響を及ぼす仕組みについて解説しましたが、逆に腎機能低下が歯周病に影響を及ぼすこともあります。
具体的には免疫力の低下や骨代謝の異常です。

腎機能が低下している方は、全身の免疫力が低下しています。
そのため、他の疾患の発症や進行リスクも高まります。
ここでいう他の疾患には、当然歯周病も含まれています。

また慢性腎臓病については、骨のミネラル代謝異常を合併することがあります。
こちらの症状は、歯周病による骨の破壊を助長する可能性があります。

腎機能低下の予防法

歯周病と相関関係にある腎不全低下については、食事や運動などの生活習慣を正すことである程度予防できます。

まず食事では塩分を控え、1日6g以下を目指しましょう。
加工食品や練り製品、味噌汁などの汁物は塩分が多い傾向にあるため、摂取量を減らすことをおすすめします。
排尿が滞らないよう、適度に水分を摂取することも大切です。

またウォーキングやジョギングなどの有酸素運動、筋力トレーニング、柔軟体操などの運動も、腎機能低下を予防するために必要な習慣です。
肥満、特に内臓脂肪の方は腎不全低下のリスクを高めるため、運動は非常に重要です。

その他、喫煙と過度な飲酒は腎臓に負担をかけるため、禁煙と禁酒を心掛けるのが望ましいです。
睡眠不足も、腎臓に影響を与える可能性があるため、注意してください。

ちなみに、不必要な市販薬やサプリメント、痛み止めの常用なども避けるべきです。
こちらは腎機能を改善させるにあたって適切な方法ではありません。

まとめ

今回は、歯周病と腎機能低下というあまり接点がなさそうな2つの症状の関係性を解説してきました。
歯周病には、このように一見関係なさそうな疾患ではあるものの、実は深い関係があるというものが多くあります。
そのため、単なる口内の疾患とあなどってはいけません。
また歯周病は、一度発症するとなかなか治りませんし、症状が改善しても完治する可能性は極めて低いです。

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