歯周病は発症率の高い感染症であり、ただ単に毎日ブラッシングをしているだけでは予防できない可能性があります。
またブラッシング以外の大事な対策としては、やはり食生活の改善が挙げられます。
今回は、歯周病のリスクが高いおやつ、低いおやつの種類と特徴について解説します。
歯周病のリスクの高さ・低さの判断材料
おやつにおける歯周病のリスクは、主に以下の要素で判断されます。
・プラークをつくる力
・口内に入れている時間
・口内への残りやすさ
歯周病の直接的な原因は、食べカスが細菌と混ざって形成されるプラークです。
そのため、プラークをつくる力が強いものは、歯周病を予防するにあたってあまり摂取すべきではありません。
また口内に入れている時間が長いものも、歯周病との相性が悪いです。
口内にとどまっている時間が長ければ長いほど、口内は酸性に傾き、プラークが増加することにつながります。
さらに口内への残りやすさも、歯周病のリスクの高さ・低さを判断する材料です。
口内に残りやすいということは、それだけ磨き残しも起こりやすいということであり、こちらもプラークの量が増えることにつながります。
歯周病のリスクが低いおやつ
歯周病のリスクが低いおやつとしては、主に以下のものが挙げられます。
・フルーツ、野菜、乳製品
・ポテトチップス、せんべい、えびせん
各項目について詳しく説明します。
フルーツ、野菜、乳製品
フルーツや野菜については、栄養価も高く、口内の汚れを直接落としてくれる食物繊維も豊富です。
そのため、プラークをつくる力や、口内への残りやすさは極めて低いと言えます。
口の中に入れている時間についても、そこまで長くなる心配はありません。
またこれらは牛乳やヨーグルトといった乳製品にも言えることです。
ポテトチップス、せんべい、えびせん
ポテトチップスやせんべい、えびせんなどの甘くないおやつも、歯周病のリスクは高くありません。
これらのお菓子は、糖分がそこまで含まれていない上に、粘着性も高くありません。
そのため、比較的短時間で飲み込めますし、大量にプラークを形成する心配も少ないと言えます。
口内への残りやすさについては、フルーツや野菜、乳製品などに比べると高いですが、そこまで心配するほどのものではありません。
歯周病のリスクが高めのおやつ
以下の食べ物は、おやつとして食べることで歯周病のリスクが上昇する可能性があります。
・ケーキ、ジャム、ゼリー
・チョコレート、かりんとう、クッキー
・ウエハース、カステラ、ビスケット
各項目について詳しく説明します。
ケーキ、ジャム、ゼリー
ケーキやジャム、ゼリーなどをおやつとして食べる場合、歯周病の発症に注意しなければいけません。
これらはまず砂糖が大量に含まれるため、歯周病の原因となるプラークをつくる力が極めて強いです。
口内にとどまる時間は短いからといって、食べすぎには注意してください。
チョコレート、かりんとう、クッキー
チョコレートやかりんとう、クッキーなどのお菓子は、先ほど触れたケーキなどと同じく砂糖の含有量が多いです。
またそれだけでなく、ある程度口の中の水分を持っていかれるため、口内にとどまる時間も長くなっています。
ウエハース、カステラ、ビスケット
ウエハースやカステラ、ビスケットも、砂糖の含有量が多いおやつとして挙げられます。
またこれらのおやつは、口内にとどまる時間が極めて長いです。
唾液や飲み物と混ざった状態になると、必ずと言って良いほど歯と歯茎の間などに入り込み、歯周病のリスクを高めます。
歯周病のリスクが極めて高いおやつ
以下のおやつは、歯周病のリスクが極めて高いです。
・キャンディ、ガム
・キャラメル、ヌガー、トフィー
各項目について詳しく説明します。
キャンディ、ガム
キャンディやガムについては、砂糖入りのものに関しては歯周病の発症リスクが極めて高いです。
これらは砂糖によるプラークの形成促進作用があるだけでなく、長い間口内にとどまっています。
そのため、頻繁に口にしている方は控えるべきです。
キャラメル、ヌガー、トフィー
キャラメルやヌガー、トフィーなども、歯周病の発症リスクを大きく上昇させてしまう食べ物です。
これらのおやつは、冒頭で触れた歯周病になりやすいおやつの特徴をすべて満たしています。
具体的にはプラークをつくる力が強く、口内にとどまる時間が長い上に、口内に残りやすいです。
ちなみにヌガーとは砂糖と水飴、卵白などを煮詰めて泡立てたものに、ドライフルーツなどを混ぜて冷やし固めたソフトキャンディーです。
トフィーはバターや砂糖などを高温で熱し、冷やし固めてつくるお菓子で、いずれもキャラメルと非常に似ています。
まとめ
歯周病になりにくいおやつは、同時に虫歯も予防しやすくなります。
つまり、言い換えると歯周病になりやすいものは、虫歯のリスクも高めてしまうということです。
またおやつは摂取するタイミングや食べ方などによっても、歯周病のリスクが変わってきます。
これらの点も含めて改善することで、初めて食生活の改善ができたと言えます。