【広島市中区宝町の歯医者・予防歯科】蒸留酒の虫歯予防効果とは?

普段お酒をたしなむ方は、身体のことを気にしながら、適量を摂取するように心掛けなければいけません。
さらに全身の健康だけでなく、口内の健康にも気を遣う必要があります。
また虫歯予防効果を持つお酒の種類として、蒸留酒が挙げられます。
今回は、蒸留酒の虫歯予防効果を中心に解説します。

目次

蒸留酒の概要

蒸留酒は、アルコール発酵を経てつくられた醸造酒を加熱・蒸留し、アルコール分を濃縮させたお酒です。

製造のプロセスとしては、まず穀物や果物などの原料に酵母を加えてアルコール発酵させ、アルコール分を含むもろみという液体をつくります。
その後もろみを蒸留器で加熱し、蒸発したアルコールを含む蒸気を冷却すると、再び液体になります。
この冷却された液体はスピリッツと呼ばれます。

ちなみに蒸留酒は、ビールなどの醸造酒よりも遥かにアルコール度数が高く、品質が劣化しにくいため長期間保存できるというメリットがあります。

さらにストレートやロック、水割りやソーダ割りなど、飲み方を工夫することでさまざまな味わいを楽しめるのも特徴です。

蒸留酒の虫歯予防効果

蒸留酒は、他のお酒と比べると虫歯を予防しやすいとされています。
その理由は、以下のような特徴があるからです。

・糖質がほとんどない
・pH値が中性に近い

各項目について詳しく説明します。

糖質がほとんどない

蒸留酒には、糖質がほとんど含まれていないという特徴があります。
こちらは、製造過程で糖質が除去されるからです。

糖質は虫歯菌のエサとなり、虫歯の発症や進行リスクを高めるものとして知られています。
そのため、糖質が極めて少ない蒸留酒は、決して虫歯の発症につながりやすいものではないと言えます。

pH値が中性に近い

pH値が中性に近いという点も、蒸留酒が虫歯予防に効果的な理由です。

pH値は、その液体が酸性に近いのか、アルカリ性に近いのかということを表す数値です。
例えば麦焼酎やウイスキーなどの蒸留酒は、pH値が限りなく中性に近いため、歯のエナメル質を溶かすリスクが低いです。

逆に酸性に近いお酒を摂取すると、少しずつ歯のエナメル質が溶ける酸蝕症という症状のリスクが高まります。
酸蝕症になると歯が脆くなり、虫歯菌の侵蝕への耐性も低くなってしまいます。

蒸留酒の種類について

虫歯予防効果が期待できる蒸留酒には、主に以下のような種類があります。

・焼酎
・ウイスキー
・ブランデー
・ウォッカ
・ジン
・テキーラ など

焼酎は米や麦、芋や黒糖、蕎麦などさまざまな原料からつくられる蒸留酒です。
ウイスキーは、大麦麦芽(モルト)やその他の穀物を原料とし、樽で熟成させるという特徴があります。

またブランデーはワインを蒸留してつくられるもので、ウォッカはジャガイモや穀物などからつくられるクリアな味わいが特徴です。

さらに、ジンはジュニパーベリーという針葉樹の実から来る独特の香りが特徴で、テキーラはリュウゼツランという植物を原料とするメキシコ特産の蒸留酒です。

蒸留酒の虫歯リスクについて

蒸留酒は醸造酒などに比べると確かに虫歯のリスクが低いですが、一切虫歯につながらないというわけではありません。
むしろお酒という括りであることには変わりないため、以下の原因で虫歯のリスクを高めることもあります。

・口内の乾燥の促進
・おつまみによる糖分摂取
・ブラッシングがおろそかになる

各項目について詳しく説明します。

口内の乾燥の促進

アルコールには利尿作用があり、体内の水分を減少させるため、唾液の分泌量も減少します。

また唾液は口内を洗浄し、細菌の増殖を抑える役割があるため、減少すると虫歯だけでなく歯周病のリスクも高まります。

おつまみによる糖分摂取

醸造酒であっても蒸留酒であっても、お酒を飲む際は基本的におつまみを食べるケースが多いです。
そのため、糖分が少ない蒸留酒を摂取していたとしても、おつまみの糖分によって虫歯菌の動きを活発化させてしまうことがあります。

またおつまみの中には、味が濃く塩分が多いものも多いです。
塩分を多く摂取すると、口内が乾燥しやすくなり、より虫歯のリスクは高まってしまいます。

ブラッシングがおろそかになる

お酒を飲んだ後は、お酒を飲んでいないときと比べてブラッシングがおろそかになりがちです。
特に、ひどく酔いが回っている場合はその傾向が強く、一切ブラッシングをしないまま眠ってしまうことも珍しくありません。

就寝中はただでさえ口内が乾きやすく、虫歯のリスクが高くなる時間帯です。
そのため、おつまみの食べカスなどが残ったまま眠ってしまうと、虫歯を発症する可能性は極めて高くなります。

まとめ

蒸留酒は糖分が少なく、なおかつpH値も低いため、なるべく虫歯の発症を防ぎたいという方にはおすすめです。
しかし、そもそも飲酒という習慣自体が虫歯のリスクを高めるため、もっとも効果的なのはお酒を飲まないことです。
またお酒を飲んでいなくても、ブラッシングや定期検診がおろそかになると意味がないため、日頃からこれらのケアの意識は強く持っておきましょう。

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