虫歯予防と言えば、やはりブラッシングなどのセルフケアや、歯科クリニックで受けるプロケアなどが挙げられます。
しかし、実際は日々の食生活でも虫歯予防を意識することが大切です。
また食生活における虫歯予防の一環として、水を飲むことが挙げられます。
今回は、水を飲むことの虫歯予防効果について解説します。
虫歯予防として水を飲むことのメリット4選
虫歯予防の一環として水を摂取することには、主に以下のようなメリットがあります。
・食べカスや糖分を洗い流す
・口内のpHバランスを整える
・唾液の分泌を促す
・間食の代わりになる
各メリットについて詳しく説明します。
食べカスや糖分を洗い流す
水を積極的に摂取することにより、口内の糖分を洗い流すことができます。
食後やおやつの後は、なるべく早くブラッシングをすることが望ましいですが、いつでもすぐにブラッシングができるとは限りません。
特に外出先の場合、最低限のセルフケアすらできないケースが多いです。
このとき、水を飲むことにより、歯の表面や歯の間に残った食べカスや糖分が洗い流されます。
また汚れが洗い流されることにより、虫歯菌のエサが減り、菌の増殖を抑えることが可能です。
口内のpHバランスを整える
水を接種することで、口内のpHバランスを整えることも可能です。
pHバランスは、口内が酸性に傾いているか、アルカリ性に傾いているかを表すものです。
虫歯の原因菌は酸性の環境を好むため、口内が酸性に傾いているほど虫歯のリスクは高まります。
また食後は口内が酸性に傾きますが、水を飲むことで口内が中和され、酸性に近づいたpHバランスを正常に戻すことができます。
唾液の分泌を促す
唾液の分泌を促すことも、虫歯予防として水を飲むことのメリットです。
水分補給をすることにより、唾液の分泌量は多くなります。
唾液には口内を洗浄してくれる自浄作用のほか、歯の再石灰化を助けるカルシウムやリンといったミネラルを含んでいるため、天然のバリアとして機能します。
ちなみに、逆に身体の水分が抜けるような行動をとると、唾液の分泌量は減少します。
例えば飲酒をすると利尿効果が高まり、何度も排尿することで身体の水分が抜け、唾液の分泌量は少なくなります。
間食の代わりになる
水をこまめに飲むことは、間食の代わりになります。
間食で甘いお菓子を食べたり、ジュースを飲んだりすることは、当然虫歯のリスクを高めます。
また間食では甘いものを摂取しやすいだけでなく、ダラダラ時間をかけて食べるケースも多いです。
ダラダラ食べは、口内を長時間酸性に傾かせる行動であり、虫歯予防の観点からいうと好ましくありません。
一方、こまめに水を飲んでおけば多少お腹が膨れるため、間食を摂らなくて済む可能性があります。
さらに、ジュースなどの代わりに水を飲むことで、口内に糖分が留まる時間を減らすこともできます。
効果的な水の飲み方
虫歯予防として水を摂取する場合、食後や間食後すぐに飲むのが理想的です。
食事のたびにブラッシングができない場合でも、すぐに水を飲むことで口の中をリセットできます。
また食事中にも、適宜水を飲むことをおすすめします。
水を飲みながら食事を進めることで、口内に食べカスが付着するのを防げますし、着色成分の強い食べ物から歯を守ることにもつながります。
さらに、水はなるべく口をゆすぐようにして飲むのがベストです。
具体的には、口全体に行き渡らせるように意識して飲むことで、より効果的に汚れを洗い流せます。
ちなみに、緑茶にはカテキンなどの虫歯予防成分が含まれているため、食事の際には水と同じような使い方ができます。
虫歯予防として水を飲む場合の注意点
水自体にそこまで大きなデメリットはありませんが、極端な飲み方をすると全身に影響を与える可能性があります。
例えば短時間に多量の水を摂取すると、体内の電解質バランスが崩れて低ナトリウム血症を引き起こす水中毒になることが考えられます。
低ナトリウム血症には、疲労感や倦怠感、頭痛や吐き気などの初期症状があります。
進行した場合は、錯乱や集中力の低下だけでなく、けいれん発作や昏睡などを引き起こすこともあります。
また水を摂取しすぎると、身体が余計な水分をうまく処理できず、むくみにつながることもあります。
さらに、過剰な水分摂取は腎臓にも負担をかけることが考えられます。
ちなみに水道水に含まれる鉄分などの不純物が多い場合、歯の表面に着色を引き起こす可能性があります。
こちらは一般的な水道水ではあまり見られない現象ですが、地域によっては起こり得ます。
まとめ
ブラッシングと定期検診さえ徹底していれば、虫歯は防げると思っている方は多いかもしれません。
もちろん、これらの習慣は虫歯を予防するにあたって必要不可欠ですが、水を飲むことも必ず意識したいポイントです。
水を良く飲むのと飲まないのとでは、虫歯予防効果に大きな差が生まれます。
また食生活においては、当然虫歯になりにくい食品を積極的に選ぶことも大切です。
