歯の矯正治療には、マルチブラケットやデーモンシステム、リンガルブラケットやインビザラインなどさまざまな種類があります。
これらは、いずれもキレイな歯並びや噛み合わせを手に入れるためのものですが、中には矯正治療を受けない方が良い方もいます。
今回は、このような方の特徴について解説します。
矯正治療を受けない方が良い人の特徴7選
以下に該当する方には、矯正治療を受けることをおすすめできません。
・顎関節症を患っている
・虫歯や歯周病の治療中
・まとまった資金を用意できない
・長期的な通院が難しい
・定期的な通院が難しい
・自己管理が苦手
・アンキローシス
顎関節症を患っている
現時点で顎関節症を患っている型は、矯正治療を受けるべきではありません。
顎関節症は、噛み合わせが原因で発生するケースが多く、矯正治療で症状が改善する方もいますが、矯正方法によっては、症状が悪化することも考えられます。
そのため、症状がある場合は、まず顎関節症の治療を優先すべきです。
虫歯や歯周病の治療中
現在虫歯や歯周病の症状があり、治療を行っている最中の方は、矯正治療を行うことができません。
なぜなら、矯正治療を行っている間は、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周のリスクが高まるからです。
ただし、虫歯や歯周病の程度によっては、矯正治療と虫歯・歯周病治療の同時進行ができる可能性もあるため、一度歯科クリニックに相談してみましょう。
まとまった資金を用意できない
歯科クリニックで行われる矯正治療は、原則保険が適用されません。
そのため、他の治療に比べて高額になりやすく、治療法によっては100万円近い金額が必要になる場合もあります。
仮に短期間で治療が終わったとしても、トータルで考えるとかなりの金額になるため、こちらの資金を用意するのが難しい方は、矯正治療を受けるべきではありません。
歯科クリニックに通わなくなったり、中途半端な状態で治療が終わってしまったりする原因になります。
長期的な通院が難しい
矯正治療の治療期間は、2~3年ほどの長期におよぶことが多いです。
この間に、入学や卒業、就職などで転居を予定している方は、治療の途中で通院することが難しくなることもあります。
また、すでに定職に就いている方であっても、自衛官や警察官のように、定期的な異動がある方もいます。
このような方も、長期的な通院は難しくなるため、あまり矯正治療には向いていないと言えます。
定期的な通院が難しい
矯正治療にはいくつかの種類がありますが、歯の表面にブラケットという金具を装着し、そこに通したワイヤーで歯を移動させるマルチブラケットでは、一定の間隔でワイヤーの交換をする必要があり、定期的な通院が欠かせません。
また、インビザラインなどのマウスピース矯正でも、マルチブラケットほどのペースではありませんが、やはり定期的な通院が必要です。
前述の通り、矯正治療は2~3年という長期にわたる治療であるため、この間、定期的に通院することが難しい場合、計画通りに治療が進まない可能性があります。
自己管理が苦手
例えば、マルチブラケットを選んだ場合、歯の表面に複雑な形状をした装置を装着するため、毎日のブラッシングが難しくなります。
そのため、今までよりも丁寧にブラッシングをしなければいけません。
また、マウスピース矯正であれば、取り外しが可能であるため、歯磨きには苦労しませんが、定期的に新しいマウスピースに交換したり、1日20時間以上装着したりといった徹底的な管理必要になります。
このような自己管理が苦手な方は、矯正治療を行っても大きな効果を得ることができない可能性があるため、別の治療を受けることを検討すべきです。
アンキローシス
稀に、歯と骨がくっついて動かない方がいますが、このような症状はアンキローシス(骨性癒着)と呼ばれます。
具体的には、歯と骨の間に存在しているはずの歯根膜がなく、歯の根っこと骨が直接結合している状態です。
原因は特定できないケースも多いですが、歯根膜を損傷する原因としては、口の中の外傷が挙げられます。
歯が抜けるなどの大きな衝撃を受けたときや、ちょっとした外傷でも歯根膜が傷つき、アンキローシスの原因になることがあります。
また、アンキローシスの場合、歯と骨という非常に硬いもの同士が一体化しているため、矯正の力をかけても歯は動きません。
そのため、他の歯は移動しているにもかかわらず、アンキローシスの1本だけ動かないといった事態が発生し、理想の歯並びを手に入れるのが困難になるケースもあります。
まとめ
ここまで、矯正治療を受けない方が良い人の特徴について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
矯正治療は、歯並びや噛み合わせが気になる方にとって、真っ先に思いつく治療の一つですが、誰でも問題なく歯の状態を改善できるわけではありません。
先に問題を解決しなければいけない場合や、別の治療法を検討しなければいけない場合などがあるため、まずは自身が矯正治療を受けられるかどうか、歯科クリニックに相談しましょう。