虫歯予防を行うにあたっては、生活習慣を全体的に見直す必要があります。
このとき、ブラッシングの仕方や食事の内容を見直すのはもちろん、運動を採り入れることも意識すべきです。
今回は、虫歯予防の一環としてジョギングを採り入れることのメリット・デメリットについて解説します。
ジョギングの定義
ジョギングは有酸素運動の一種で、ウォーキングとランニングの中間程度のゆっくりとしたペースで走ることを指します。
公式な定義は存在しませんが、一般的には健康維持や体力増進を目的とし、息が切れずしゃべりながら走れる程度の強度とされています。
具体的には、時速8km未満のスピードで走るケースが該当します。
またペースはゆっくりですが、ジョギングはあくまで走る動作です。
そのため、両足が地面から離れる瞬間があります。
虫歯予防としてジョギングを行うメリット
虫歯予防の一環としてジョギングを行うメリットには、主に以下のことが挙げられます。
・免疫力の向上
・血行促進
・ストレス軽減
・唾液分泌の促進
各メリットについて詳しく説明します。
免疫力の向上
定期的にジョギングを行うことにより、身体の免疫システムを強化することができます。
免疫力が向上すると、口内の感染症を引き起こす細菌と戦う身体の能力を高めるため、虫歯菌が原因で起こる虫歯のリスクを減らせます。
また歯肉炎や歯周炎なども、歯周病菌が引き起こす感染症の一種であるため、ジョギングを行えばこちらも予防しやすくなります。
血行促進
血行が促進されることも、虫歯予防としてジョギングを行うことのメリットです。
血行が良くなると、歯や歯茎といった全身の組織に栄養素が供給され、感染症と戦うのに役立ちます。
ストレス軽減
適度なジョギングは、ストレスの軽減にもつながります。
運動はストレス軽減に効果的です。
ストレスは、歯ぎしりや食いしばりの原因になることがあり、歯の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、運動によって解消しなければいけません。
また歯ぎしりや食いしばりを継続的に行うと、歯の摩耗や破折などにつながり、虫歯に弱い歯が出来上がってしまいます。
唾液分泌の促進
ジョギングなどの軽い運動は、唾液の分泌を促す効果もあります。
唾液は口内の食べカスや細菌を洗い流し、酸を中和する天然の防御システムです。
虫歯の主な原因は、口内に残ったプラークに潜む虫歯菌であり、こちらを除去しやすくなるのは虫歯を予防するにあたって大きなメリットです。
虫歯予防としてジョギングを行うデメリット
一方で、虫歯予防としてジョギングを行うことには、主に以下のようなデメリットがあります。
・口内の乾燥
・スポーツドリンクや補給食の摂取
・酸蝕症のリスク
各デメリットについて詳しく説明します。
口内の乾燥
適度な強度でのジョギングは虫歯予防に有効ですが、走る頻度が多すぎたり速く走りすぎたりすると、口呼吸を行う回数が増えます。
また口呼吸が増えると口内が乾燥しやすくなり、かえって虫歯のリスクは上昇します。
前述の通り、唾液には虫歯の原因菌を洗い流したり、酸を中和したりする自浄作用が存在するため、口内が乾燥すると必然的に虫歯を発症しやすくなります。
スポーツドリンクや補給食の摂取
長時間のジョギングでは、エネルギー補給のために糖分を多く含むスポーツドリンクや、エネルギーゼリーなどを摂取することがあります。
これらの糖分が口内に残ると、虫歯の原因菌のエサとなり、歯のエナメル質を溶かす酸をつくり出してしまいます。
酸蝕症のリスク
ジョギングが激しくなりすぎると、胃酸の逆流が起こりやすくなります。
またこの胃酸が口内に逆流すると、歯のエナメル質を溶かし、酸蝕症を引き起こすことがあります。
酸蝕症は、虫歯とはまったく別物の症状ですが、歯にダメージを与えるものであることには変わりありません。
また酸蝕症になってしまうと、歯は外部からの刺激や細菌の攻撃に対して脆弱になってしまいます。
歯の健康を守りながらジョギングを行うコツ
虫歯予防としてジョギングを行うのであれば、水分補給の際は水を摂取することをおすすめします。
水は口内の乾燥を防げますし、虫歯の原因となる糖分を一切含みません。
またジョギングを始める前には、ブラッシングをして口内の細菌を減らし、ジョギング後についても忘れずにブラッシングをして口内を清潔に保つのが大切です。
ちなみに競技レベルでトレーニングを行う場合は、定期的な歯科検診で口内環境をチェックしてもらうことも大切です。
まとめ
簡単に運動を採り入れる方法として、ジョギングを選択する方は多いかと思います。
またジョギングを行うことで、虫歯予防効果を得られるのも事実ですが、方法を間違えると逆に虫歯になりやすくなります。
さらに運動だけでなく、ブラッシングや食生活についても、虫歯予防効果を高める正しい方法というものが存在します。
ただ漠然と歯を磨いたり、食事制限をしたりするだけでは意味がないことを理解しておきましょう。
