日々虫歯予防を行うにあたって、歯ブラシは必ず使用するアイテムです。
しかし、歯ブラシを正しく使用できている方は、意外と多くありません。
特に、保管方法についてはそこまで意識していない方も多いでしょう。
今回は、歯ブラシを濡れたまま保管することのデメリットを中心に解説します。
歯ブラシを濡れたまま保管するデメリット4選
歯ブラシを濡れたまま保管することにより、以下のようなデメリットが生まれます。
・雑菌が繁殖する
・カビが発生する
・家族感染のリスクが高まる
・清掃効果が低下する
各デメリットについて詳しく説明します。
雑菌が繁殖する
使用後の歯ブラシを濡れたまま保管すると、雑菌が繫殖するリスクが高まります。
歯ブラシに残った水分は、細菌が繁殖するのに最適な環境をつくり出します。
また湿った歯ブラシをそのまま密閉されたケースや引き出しに入れると、さらに細菌が繁殖しやすくなります。
このような状態の歯ブラシを使用することは、いわば細菌を口の中に戻すことになり、虫歯予防効果が著しく低下します。
カビが発生する
歯ブラシを濡れたまま保管することにより、毛先からカビが生えてしまうことも考えられます。
特に湿気の多い季節は、なかなか歯ブラシが乾かず、カビが繁殖するケースが見られやすいです。
またカビが生えた状態の歯ブラシを使用すると、口腔内だけでなく全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
家族感染のリスクが高まる
濡れた状態で保管した歯ブラシは、著しく衛生状態が悪化します。
また家族で近い場所に歯ブラシを濡れたまま保管していると、家族感染のリスクが高まります。
具体的には、歯ブラシの毛先が触れ合うことにより、雑菌が他の歯ブラシにも移ってしまうことが考えられます。
清掃効果が低下する
濡れたまま保管した歯ブラシは、通常の歯ブラシに比べて清掃効果も低下します。
雑菌やカビが付着した歯ブラシは、口内環境を悪化させる上に、毛先が歯や歯茎に触れるのを邪魔することがあります。
その結果、細かい部分までしっかり汚れが落とせなくなり、ブラッシングの効果が軽減してしまいます。
また毛先から雑菌やカビが口内に移ることにより、奥歯や前歯の裏など、ただでさえ虫歯リスクが高い場所でさらに虫歯が発生しやすくなってしまいます。
正しい保管方法
歯ブラシを保管する際は、使用後流水でしっかり洗い、毛先に残った水分を振り払うようにしましょう。
また歯ブラシスタンドなどに立て、風通しの良い場所で自然乾燥させます。
このとき、浴室内など湿気が多い場所で保管してはいけません。
さらに、家族などの複数の歯ブラシが触れ合わないように、保管する場所は別々にするのがおすすめです。
ちなみに、歯ブラシを持ち歩く際は携帯用の歯ブラシケースやキャップを使用することもあります。
このようなケースでも、歯ブラシを完全に乾燥させた状態でケースにしまわなければいけません。
歯ブラシを濡らしてからブラッシングをするのもダメ?
歯ブラシを使用する際、まず水で軽く濡らしてから歯磨き粉をつける習慣がある方も多いでしょう。
しかし、実はこちらは間違った歯ブラシの使い方です。
歯ブラシを濡らしてからブラッシングをすることには、以下のようなデメリットがあります。
・歯磨き粉の薬用成分が薄まる
・泡立ちすぎて磨き残しが増える
・歯磨き粉がすぐに流れてしまう
各デメリットについて詳しく説明します。
歯磨き粉の薬用成分が薄まる
歯磨き粉をつける前に歯ブラシを濡らしてしまうと、歯磨き粉に含まれる薬用成分が薄まることがあります。
例えばフッ素などの有効成分は、唾液と混ざることで効果を最大限に発揮できるようにつくられています。
そのため、水が含まれることは想定されていません。
フッ素は虫歯を予防するにあたって非常に重要な成分であるため、こちらの効果が薄まるのは大きなデメリットです。
泡立ちすぎて磨き残しが増える
歯ブラシを濡らしてから歯磨き粉をつけることで、ブラッシングのとき口内がよく泡立つようになります。
口内の泡立ちが良くなることは、爽快感を得られることにつながりますが、磨き残しが増える原因にもなります。
具体的には、口内が泡でいっぱいになったことにより、隅々まで磨けていないにもかかわらず「しっかり磨けた」と錯覚するという仕組みです。
歯磨き粉がすぐに流れてしまう
前述の通り、歯ブラシを濡らしてから歯磨き粉をつけると泡立ちが過剰になります。
また泡立ちが過剰になると、ブラッシングの時間が短くなり、口内に歯磨き粉の有効成分がとどまる時間も短くなってしまいます。
まとめ
歯ブラシを保管する際は、必ず水気を切り、しっかり風が通る場所で乾燥させなければいけません。
そうしなければ、ブラッシングの効果が薄まるどころか、かえって虫歯や歯周病などのリスクを高めてしまいます。
またブラッシングの際も、歯磨き粉は毛先が乾いた状態でつけなければいけません。
大切なのはブラッシングの爽快感ではなく、汚れを確実に落とすことです。
